2026.02.25 update

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4
 
出張2日目は「MATERIAL GEEK」の異名を持つ藤内裕司氏が手掛ける<トーナイ>の生地を求めて、岐阜市にある有限会社テキスタイルラボを訪ねました。こちらは生地開発から縫製まで一貫して担う稀有な機屋で、世界的にも有名な国内デザイナーズブランドのシャツなどを製作しています。
 
【前回の振り返りはこちら】
 

ISETAN MEN'S Buyer’s blog

伊勢丹新宿店メンズ館のバイヤーによる「ISETAN MEN'S Buyer’s blog」は、商品の企画から店頭に並ぶまでの裏側を、バイヤー自身の言葉で伝える連載企画。普段は見えにくいものづくりの現場をブログ形式で発信していきます。

 

国内デザイナーズブランドを支える産地の底力 

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

 有限会社テキスタイルラボ所有の生地サンプルの一部

 

90年代ドメスティックブランドの膨大なアーカイブが残り、まるで博物館のような「テキスタイルラボ」。岐阜にはかつて織物研究機関「オリケン」があり、素材開発から生産まで地域が連動して日本のデザイナーズを支えてきた歴史があります。

 

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

 有限会社テキスタイルラボ所有の生地サンプルの一部

 

現オーナーもオリケン出身で、その系譜を受け継いでいます。現場は女性スタッフが多く、海外からの研修生も在籍し、3〜5年のスパンで技術を身につけているのが印象的でした。

 

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

 サンプルからの生地の選定をする<トーナイ>デザイナー藤内裕司氏

 

 

<トーナイ>クリエイティブの要となる生地選定、開発

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

 今回の出張で選定した生地の一部

 

今回は<トーナイ>の2025年末に開催されたポップアップ用の生地の選定と2026年度以降の生地開発をスタートしました。

 

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

伊勢丹新宿店限定スーツ用の生地開発ミーティング風景

 

アーカイブを参照しながら、風合い・色・化繊の混率・ストレッチ量などを具体的にすり合わせました。クラシックなスーツ地は少ないものの、レディースや化繊系など「見たことがない」素材の宝庫で、開発から生産まで一体運用できる環境が、意思決定の速さと独自性を生んでいます。

 

日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4

 有限会社テキスタイルラボ外観

 

「有限会社テキスタイルラボ」出張風景画像一覧を見る

 

三越伊勢丹オンラインストア<トーナイ>の商品一覧を見る

 *3月以降2026年春夏シーズン展開予定

 

スーツ産地の今とこれから

スーツを製作する機屋の件数は減少傾向にありますが、「必要な人が良いものを選ぶ」傾向で、堅調であるとも言えます。業界では、各社ブランディングや自社レーベルで生地そのものの魅力を発信する動きを強化しています。しかし、生地単体の価値は画像や映像では伝わりづらく、メンズ館に勤める私たちの役割は、製品一つひとつの物語や背景を伴う提案で、産地や技術の魅力を丁寧にお客さまへお届けする必要があると感じています。

 

今回の出張でピックアップした生地を使用した伊勢丹新宿店限定となるスーツやウェアは、4月以降から順次メンズ館5階 メンズテーラードクロージングで販売します。デザイナーや職人の方々のモノ作りに対しての思いを感じていただける名品に仕上がりになりましたので、ぜひ店頭でお手に取ってご覧いただけたら幸いです。

 

プロフィール
稲葉 智大(いなば ともひろ)
新宿紳士商品部 メンズ館5階 メンズテーラード クロージング バイヤー
入社以来、ドレスクロージングフロアにて販売、売場責任者、バイヤーを歴任。クラシックをベースにしながらさまざまなトレンドをミックスし、自分らしい新しいスタイリングを実践している。プライベートでは背広を愛する紳士が、日本の風情を感じる場所を背広を着用し散歩し、ドレスファッションを楽しみながら交流を深める「背広散歩」という活動もおこなっている。

 

 

Photograph&Text:Tomohiro Inaba 


*価格はすべて、税込です。
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