日本のデザイナーズブランドを支える生地産地の底力に触れ、新たなスーツ開発に挑む|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.4
ISETAN MEN'S Buyer’s blog
伊勢丹新宿店メンズ館のバイヤーによる「ISETAN MEN'S Buyer’s blog」は、商品の企画から店頭に並ぶまでの裏側を、バイヤー自身の言葉で伝える連載企画。普段は見えにくいものづくりの現場をブログ形式で発信していきます。
国内デザイナーズブランドを支える産地の底力
有限会社テキスタイルラボ所有の生地サンプルの一部
90年代ドメスティックブランドの膨大なアーカイブが残り、まるで博物館のような「テキスタイルラボ」。岐阜にはかつて織物研究機関「オリケン」があり、素材開発から生産まで地域が連動して日本のデザイナーズを支えてきた歴史があります。
有限会社テキスタイルラボ所有の生地サンプルの一部
現オーナーもオリケン出身で、その系譜を受け継いでいます。現場は女性スタッフが多く、海外からの研修生も在籍し、3〜5年のスパンで技術を身につけているのが印象的でした。
サンプルからの生地の選定をする<トーナイ>デザイナー藤内裕司氏
<トーナイ>クリエイティブの要となる生地選定、開発
今回の出張で選定した生地の一部
今回は<トーナイ>の2025年末に開催されたポップアップ用の生地の選定と2026年度以降の生地開発をスタートしました。
伊勢丹新宿店限定スーツ用の生地開発ミーティング風景
アーカイブを参照しながら、風合い・色・化繊の混率・ストレッチ量などを具体的にすり合わせました。クラシックなスーツ地は少ないものの、レディースや化繊系など「見たことがない」素材の宝庫で、開発から生産まで一体運用できる環境が、意思決定の速さと独自性を生んでいます。
有限会社テキスタイルラボ外観
*3月以降2026年春夏シーズン展開予定
スーツ産地の今とこれから
スーツを製作する機屋の件数は減少傾向にありますが、「必要な人が良いものを選ぶ」傾向で、堅調であるとも言えます。業界では、各社ブランディングや自社レーベルで生地そのものの魅力を発信する動きを強化しています。しかし、生地単体の価値は画像や映像では伝わりづらく、メンズ館に勤める私たちの役割は、製品一つひとつの物語や背景を伴う提案で、産地や技術の魅力を丁寧にお客さまへお届けする必要があると感じています。
今回の出張でピックアップした生地を使用した伊勢丹新宿店限定となるスーツやウェアは、4月以降から順次メンズ館5階 メンズテーラードクロージングで販売します。デザイナーや職人の方々のモノ作りに対しての思いを感じていただける名品に仕上がりになりましたので、ぜひ店頭でお手に取ってご覧いただけたら幸いです。
Photograph&Text:Tomohiro Inaba
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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