2026.02.06 update

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

 
尾州の中でも岐阜寄りに位置する「山栄毛織株式会社」さんに行ってきました。このエリアにも様々なブランドとお取引きがある幡屋さんがいくつかあり、クオリティの高い生地を生産し続けています。 
 

ISETAN MEN'S Buyer’s blog

伊勢丹新宿店メンズ館のバイヤーによる「ISETAN MEN'S Buyer’s blog」は、商品の企画から店頭に並ぶまでの裏側を、バイヤー自身の言葉で伝える連載企画。普段は見えにくいものづくりの現場をブログ形式で発信していきます。

 

ブラックフォーマルの元祖「山栄毛織株式会社」

 

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

山栄毛織株式会社所有アーカイブ生地サンプルの一部 

 

山栄毛織の成り立ちで面白いのは、「ブラックフォーマルの元祖」とも言われる黒の織り。黒糸を高密度に織り上げて“真っ黒”を出す技術に長けていて、そこからスタートした幡屋さんなんです。

 

膨大なアーカイブから「いま」を見つける。

 

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

 山栄毛織株式会社所有アーカイブの一部 

 

現場でまず圧倒されるのはアーカイブ。生地がとにかく膨大で、棚一面にぶわっと並びます。このアーカイブ目当てで訪れる方も多いらしく、僕もその山の中から、今のトレンドとお客さまのニーズにハマるものを選んでいきます。ロングセラーな生地もありますが、山栄さんは「いま」に効く生地製作にも長けています。

 

現代のエッセンスを取り入れた機能性に富んだオールシーズン使える生地を製作

 

 

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

 山栄毛織株式会社所有のアーカイブから<イセタンメンズ>のスーツで使用する生地の選定風景

 

今回、伊勢丹メンズとしてピックしたのは、ポーラ(平織り)ベースの春夏シーズン用の織りを強撚して年間を通して使えるように設計した生地。糸番手はスタンダード、重さもオールシーズン対応。でも強撚でガシッとした質感に振っているのがポイント。そこにストレッチ加工やソフト加工を加えるかは、現場で相談しながら最適解を探しました。強い=硬い、という昔ながらの価値観から、強いけど伸びる、しわになりにくい、型崩れしにくい、といった機能性へのシフトを感じます。現代ではここが大切。

 

オリジナルのアレンジ自在なレピア織機

 

 山栄毛織株式会社所有のオリジナルレピア織機

 

機械の話も少し。レピア織機をベースに、低速寄りにモディファイした山栄オリジナル仕様で丁寧に織っているのが特徴。細かい単位で色や設計のアレンジが効くので、細かな要望にも応えてくれます。

 

アーカイブから見つけた生地で製作した<イセタンメンズ>のスーツ

 

世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3

山栄毛織株式会社所有の昭和八年のアーカイブ生地見本 

 

アーカイブの中には長く信頼して使われてきた生地も多くて、見ているだけでアイデアが湧いてくる。この「見るために来る価値」があるのが山栄さんの面白さ。実際、ここでセレクトした生地から、<イセタンメンズ>のスーツを展開する予定です。

 

僕自身、山栄毛織株式会社には毎シーズン足を運んでいて、季節ごとの流行やバランスも加味して打ち合わせをしています。現在山栄さんの生地を使用したスーツを店頭で展開していますので、是非チェックしてみてください。

 

“強くて、機能的な生地”。今の生活にちゃんとフィットする贅沢さって、こういうことだと思う。次回以降で仕上がりのプロダクトもお見せしますので乞うご期待!

次のポストでは出張2日目、「テキスタイルラボ」のレポートをご紹介します。

 

「山栄毛織株式会社」出張風景画像一覧を見る

 

プロフィール
稲葉 智大(いなば ともひろ)
新宿紳士商品部 メンズ館5階 メンズテーラード クロージング バイヤー
入社以来、ドレスクロージングフロアにて販売、売場責任者、バイヤーを歴任。クラシックをベースにしながらさまざまなトレンドをミックスし、自分らしい新しいスタイリングを実践している。プライベートでは背広を愛する紳士が、日本の風情を感じる場所を背広を着用し散歩し、ドレスファッションを楽しみながら交流を深める「背広散歩」という活動もおこなっている。

 

 

Photograph&Text:Tomohiro Inaba 


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