世界屈指のブラックフォーマルで織りなすスーツの新境地とは|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.3
【前回の振り返りはこちら】
►バイヤー稲葉が探求する<イセタンメンズ>のスーツを求めて...ウール産地”尾州”での貴重な旅の記録|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 稲葉 智大 vol.1
ISETAN MEN'S Buyer’s blog
伊勢丹新宿店メンズ館のバイヤーによる「ISETAN MEN'S Buyer’s blog」は、商品の企画から店頭に並ぶまでの裏側を、バイヤー自身の言葉で伝える連載企画。普段は見えにくいものづくりの現場をブログ形式で発信していきます。
ブラックフォーマルの元祖「山栄毛織株式会社」
山栄毛織株式会社所有アーカイブ生地サンプルの一部
山栄毛織の成り立ちで面白いのは、「ブラックフォーマルの元祖」とも言われる黒の織り。黒糸を高密度に織り上げて“真っ黒”を出す技術に長けていて、そこからスタートした幡屋さんなんです。
膨大なアーカイブから「いま」を見つける。
山栄毛織株式会社所有アーカイブの一部
現場でまず圧倒されるのはアーカイブ。生地がとにかく膨大で、棚一面にぶわっと並びます。このアーカイブ目当てで訪れる方も多いらしく、僕もその山の中から、今のトレンドとお客さまのニーズにハマるものを選んでいきます。ロングセラーな生地もありますが、山栄さんは「いま」に効く生地製作にも長けています。
現代のエッセンスを取り入れた機能性に富んだオールシーズン使える生地を製作
山栄毛織株式会社所有のアーカイブから<イセタンメンズ>のスーツで使用する生地の選定風景
今回、伊勢丹メンズとしてピックしたのは、ポーラ(平織り)ベースの春夏シーズン用の織りを強撚して年間を通して使えるように設計した生地。糸番手はスタンダード、重さもオールシーズン対応。でも強撚でガシッとした質感に振っているのがポイント。そこにストレッチ加工やソフト加工を加えるかは、現場で相談しながら最適解を探しました。強い=硬い、という昔ながらの価値観から、強いけど伸びる、しわになりにくい、型崩れしにくい、といった機能性へのシフトを感じます。現代ではここが大切。
オリジナルのアレンジ自在なレピア織機
山栄毛織株式会社所有のオリジナルレピア織機
機械の話も少し。レピア織機をベースに、低速寄りにモディファイした山栄オリジナル仕様で丁寧に織っているのが特徴。細かい単位で色や設計のアレンジが効くので、細かな要望にも応えてくれます。
アーカイブから見つけた生地で製作した<イセタンメンズ>のスーツ
山栄毛織株式会社所有の昭和八年のアーカイブ生地見本
アーカイブの中には長く信頼して使われてきた生地も多くて、見ているだけでアイデアが湧いてくる。この「見るために来る価値」があるのが山栄さんの面白さ。実際、ここでセレクトした生地から、<イセタンメンズ>のスーツを展開する予定です。
僕自身、山栄毛織株式会社には毎シーズン足を運んでいて、季節ごとの流行やバランスも加味して打ち合わせをしています。現在山栄さんの生地を使用したスーツを店頭で展開していますので、是非チェックしてみてください。
“強くて、機能的な生地”。今の生活にちゃんとフィットする贅沢さって、こういうことだと思う。次回以降で仕上がりのプロダクトもお見せしますので乞うご期待!
次のポストでは出張2日目、「テキスタイルラボ」のレポートをご紹介します。
Photograph&Text:Tomohiro Inaba
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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