2021.02.27 update

【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.2|ニューバランス

歴史と伝統に裏付けされた、確かな技術で圧倒的な履き心地を誇り、気軽な日常履きに選ぶ方から熱狂的なコレクターまで、幅広く支持を集める<ニューバランス>のスニーカー。

今回の徹底ガイドは<ニューバランス>にフォーカス。誕生から歴史を振り返りながら、その人気の理由を解説していく。

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  1. 1.矯正靴の製造からスタートした<ニューバランス>の「歴史」
  2. 2.それぞれの持ち味が活かされた「生産国」
    1. 最新技術が光る「米国製」 |made in USA
    2. 上質な素材とクラフトマンシップの「英国製」 |made in ENGLAND
  3. 3.最新テクノロジーが搭載!「ミッドソール」
  4. 4.定番モデルから受け継がれる不朽の名モデルまで一挙公開
    1. 900番台
    2. 1000番台
    3. 500番台~そのほかの品番
  5. 5.モデル別記号の見方

1.矯正靴の製造からスタートした<ニューバランス>の「歴史」

ニューバランス社は1906年にボストンでアーチサポートインソールや偏平足を直す矯正靴の製造メーカーとして誕生した。60年代に入ると、矯正靴を作る上で培った足のあらゆる知識やノウハウを基に、カスタムメイドのランニングシューズの製造をスタートする。社名の由来は、その名の通り履いた人に"新しい(new)、バランス(balance)"感覚をもたらすことからきている。

70年代に、現New Balance Athletics Inc.の会長であるジェームス・S・デービスがニューバランス社を買い取ると、彼は理想のランニングシューズの開発を求め、独創的なシューズコンセプトである「インステップレーシング」を確立させる。


当時、ランニングシューズは足先から靴紐を締め付けることでフィットさせる構造だったのだが、<ニューバランス>のシューズはこの「インステップレーシング」によって、甲の部分から紐を締めることにより、かかとと甲をしっかりホールドさせつつ足先の可動域を広げることを可能にした。地面をしっかりつかむことができるこの革新的な構造のランニングシューズは、製品として世に出た70年代後半以降ランナーから絶大な支持を獲得することとなった。

その後、<ニューバランス>の機能性を優先したシューズづくりの姿勢は今も変わることなく、築き上げてきた伝統を守りながらも、最新テクノロジーを集結させ現在もアップデートを続けている。


2.それぞれの持ち味が活かされた「生産国」

<ニューバランス>のシューズはアメリカ・イギリス・アジアと、それぞれ異なる国で生産されている。主にアメリカとイギリスでは上質なフラッグシップモデルなどを生産しており、その特徴はハンドメイドであること。また、素材使いや、製法技術などのそれぞれの国の特色に合わせたこだわりが反映されている。一方アジア製は、人気モデルの廉価版などよりお買い求めいただきやすいシューズを製造しているのが特徴だ。

では、伊勢丹新宿店メンズ館でも支持を得ているアメリカ・イギリス製の特色をもう少し深堀りしてみよう。


最新技術が光る「米国製」
|made in USA


<ニューバランス>はアメリカ国内に5つの工場を構えており、その中でもブランドの本拠地であるボストン郊外のローレンス工場ではアメリカでも最大規模の大きさを誇り最先端の機材を備えている。ここでは研究開発ができる専用のラボも併設されている為、アメリカで作られるモデルは機能やクッションなどに最新技術が組み込まれたスポーツ系が多いのが特徴だ。
米国製の代表モデルはコレ▶「M1300」、「M990」など...

上質な素材とクラフトマンシップの「英国製」
|made in ENGLAND



イギリスでは革靴の聖地としても知られていたフリンビーという土地に工場を構え、主に上質なスムースレザーを使ったシューズを多く生産している。土地柄この工場には革靴作りを熟知した元革靴職人たちも多く在籍しており、クラフトマンシップが息づくその製造過程は、職人の誇りとプライドによってできあがる。
英国製の代表モデルはコレ▶「M1500」、「M576」

3.最新テクノロジーが搭載!「ミッドソール」

<ニューバランス>の人気の理由の1つである「履き心地」を語る上で欠かせないのが、機能性に優れたミッドソールの技術であり、今日に至るまでも研究開発が繰り返されアップデートし続けている。ここでは人気モデルに搭載されている主なミッドソールとその機能をご紹介。またフラッグシップモデルはそれぞれの機能が掛け合わされたものも採用しており、それぞれの履き心地を比べるのもニューバランスファンの愉しみ方の1つだ。
*ミッドソールとは、地面に接するアウトソールと足に触れるインソールの間に位置するソールの事を指す。

①C-CAP/シーキャップ
ポリウレタンを使わずにEVA素材(いわゆるクッション性のあるスポンジ素材)のみを圧縮形成したもの。クッションの耐久性を向上し、さらに軽量化を実現。EVA素材のみなので、加水分解しにくいのが特徴。
▶初搭載モデルは「M670」(1985年)

②ENCAP/エンキャップ
衝撃吸収性のあるEVA素材を、クッション性のある頑丈なポリウレタンのPU素材(この素材が加水分解しやすい)に封入することによってクッション性と安定性の両立を実現。(PU素材で包まないのが「C-CAP」。)
このエンキャップを搭載した初代「M1300」が登場した際には、ラルフローレン氏がその履き心地を「雲の上を歩いているかのよう」と表現したとのは有名な話。
▶初搭載モデルは「M1300」(1985年)

③TPUヒールスタビライザー
「ENCAP」と「TPUヒールスタビライザー」を内蔵した一体成型のミッドソール。弾力性と頑丈さを持つTPU素材でヒール(踵)部分を立体的にしっかりホールドする為、クッション性と安定性に優れた履き心地が特徴。
▶初搭載モデル「M1500」(1989年)

④ABZORB/アブゾーブ
足の着地時の衝撃を100%近く吸収し、その反発を足に還元するクッション素材。<ニューバランス>の中でも特にクッション性に優れた履き心地を感じられるソールで、重量は他の素材よりも重い。
▶初搭載モデル「M998」(1993年)


⑤N-ERGY/エナジー 優れた衝撃吸収性とエナジーリターンをもたらす弾性素材で、高いクッショニング効果を誇る。耐久性も高く革新的なミッドソール素材。
▶初搭載モデル「M20000」(2001年)

⑥REVLITE/レブライト
「Revolution」が名前の由来の通り、抜群の「軽量性」や「クッション性」に加えて、「耐久性」を誇る高水準ソール。主に軽量化を重視するモデルに多く搭載されている。

⑦ENCAP REVEAL/エンキャップリビール
2018年MS1300と共に新たに誕生した「ENCAP REVEAL」。高度な衝撃吸収性と反発弾性を誇る「ABZORB」と内包されている「ENCAP」の機能を可視化できるデザインが採用されている。



4.定番モデルから受け継がれる不朽の名モデルまで一挙公開


<ニューバランス>では多くの品番が存在しているが、メンズ館でも人気が高いブランドの代名詞でもあるM1300をはじめとする「1000番台」とM990などの「900番台」。それらは度々復刻やアップデート繰り返し、また特別仕様や他ブランドとのコラボレーションなどの限定品が出るたびにコアなファンの間で話題となっている。その他、根強いファンが多い500番台や2000年以降に登場したモデルなど、ここではその人気モデルを一挙ご紹介しよう。

900番台


『1000点中990点』の性能をもつモデルとして1982年に誕生した「M990」を皮切りに、オンロードを走るために開発されたブランドの”顔”でもある900番台。<ニューバランス>の安定性とクッション性を高次元で融合した990番台のプロダクトは、ランニングシーンはもちろん、カジュアルファッションシーンにおいても人気を集めるシリーズとなった。

 

M990



当時では高額な100ドルという価格設定から、“1000点中990点の性能”のランニングシューズとして1982年に誕生。クッション性・安定性に加え、高い耐久性を実現した画期的なモデル。これまでに何度もアップデートを重ねてきている。
▶990v2(1998年)→990v3(2012年)→990v4(2016年)→990v5(2019年)*画像は990v3

 

M996 

「M996」27,500円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア


不動の人気を誇る「M990」の後継として1988年に誕生したスニーカー「M996」。卓越した履き心地はもちろん、どんなスタイリングにもマッチする美しいシルエットは熱狂的なファンもいるほど。ブランドを代表するスタンダードな名作として、幅広い層から愛されているモデル。

 

M999


1982年に誕生したM990から、M995(1986年)、M996(1988年)、M997(1991年)、M998(1993年)とアップデートを繰り返してきた990シリーズの6代目として1996年にリリース。重量感のある「ABZORB」を搭載している。

 

M991 

 2001年に「M990」の後継モデルとして登場した 「M991」。前モデル「M990v2」では、優れた衝撃吸収性と反発性を高次元で兼ね備えた「ABZORB」がヒール部分のみ採用されていたのに対し、「M991」では前足部まで使用し、クッション性と安定性が向上した。

 

M992 

100周年を迎えた2006年に登場したのが「M992」。ミッドソールとアウトソールのさらなる進化により、足あたりとフィット性が向上したモデル。2020年には、待望の復刻盤がリリースされ、完売が続出する人気を博したモデル。

 

M993

「M992」をアップデートした仕様で、2008年にリリース。つま先のメッシュ部分が広がり、屈曲性が高まった。ミッドソールやアウトソールにもわずかな変更が加わり、軽量化も実現された。


1000番台



<ニューバランス>のプレステージシリーズとして登場した1000番台は最新のテクノロジーがいち早く搭載されたモデル。上質な素材使いやその風格あるアッパーデザインが高級感を漂わせ多くのファンを虜にした。

 

M1300

「M1300」33,000円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア


1985年に誕生した1000番台のデビュー作で「ENCAP」ソール初搭載の革新的モデル。オーセンティックなデザインと拘りぬいたディテールは、長い年月が経った今もなお高い支持を集める銘品だ。オリジナルモデルである「M1300JP」は1995年より5年ごとに復刻を遂げていて、完売が続出する人気モデル。

 

MS1300

「MS1300」 24,200円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア

「M1300」のアッパーにスエード素材と通気性の良いメッシュのコンビネーションを施したスポーツモデルの「MS1300」。「ABZORB」に加えて「ENCAP REVEAL」を搭載、さらにアウトソールには「Vibram」を搭載するなど多彩な機能が内蔵されたハイブリッドな1足。

 

M1500

「M1500」30,800円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア

 

1989年に登場した1000番台シリーズの第2弾として登場。量産化が困難で、生産中止になった「M1400」に代わってリリースされた。当時の最先端技術を全て盛り込み、衝撃吸収性や安定性、着地から蹴りだしまでのサポート性抜群のランナーのステイタスシューズとして名を馳せた名作。小ぶりの「N」ロゴが初めて採用されたモデルとしても有名。

 

M1530

「M1530」 28,600円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア


「M1500」の誕生30周年記念として作られたモデル。30周年の数字が特別に品番に取り入れられている。耐久性の高い「REVLITE」を搭載することで加水分解にも強い仕様になっている。

 

M1400

1994年に誕生した「M1400」は、当時の技術で量産化が難しく、一度はお蔵入りになった幻のモデルと言われていたが、<ニューバランス>の日本支社の技術により、製品化を実現。正規展開が日本から始まった希少なモデルだ。

 

M1700

1000番台の5番目であり最後のフラッグシップモデルとして1999年に登場した「M1700」。前作「M1600」のデザインを彷彿とさせつつも、随所に当時の最先端技術があますことなく投入されており、抜群のクッション性と履き心地を実現している。90年代の最後を飾るにふさわしい高機能モデルとなった。



500番台~そのほかの品番


舗装されていない道路(オフロード)を走るために生まれた500番台のシリーズは、アウトソールの凸凹が深めに作られており、しっかりとしたアウトソールやグリップの作りが特徴だ。また他のモデルに比べシルエットは丸みを帯びている。500番台の他にも、1000番台の系統につづく、2001年以降にリリースされたフラッグシップモデルの2000番台などご紹介。


M576

「M576」28,600円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア


オフロード用のランニングシューズとして1988年に開発された。悪路を想定して作られたため、安定性とクッション性が高く、その履き心地の良さからタウンシューズとしても支持を得る。<ニューバランス>では数少ないスムースレザーが数多く揃うモデル。

 

M670

「M670」25,300円 商品を見る
□伊勢丹新宿メンズ館地下1階 紳士靴/三越伊勢丹オンラインストア


1985年に誕生した「M670」は、日本の靴メーカー月星化成による初の日本製ソールを搭載した隠れた名作。「M1300」にも勝るとも劣らない履き心地といわれている。

 

MR2002

21世紀の初号モデルとして誕生した2000番台の3作目として2010年にリリース。ハイスペックソールと組み合わせたLIFESTYLEのニューモデル。それまでアッパーの補強剤には人工皮革を使用することが続いていたが、「M1300」以来、このモデルで久しぶりに天然のヌバックを使用。ラグジュアリーな雰囲気と高級感が感じられる1足。

 

ML2002

2020年、2000番台の中でも特に復活を望む声も多かった「2002」モデルをアジア産で復刻。「N-ERGY」と「ABZORB」を組み合わせたソールユニットを取り付け、履き心地とフィット感をアップデート。

 

M2040

 

 

2012年に誕生。前作である「MR2002」に続き、チャコールグレーのヌバックレザーを使用した。各所にアップデートを盛り込み、革靴を意識したデザインで、<ニューバランス>の中でも最高峰に位置するフラッグシップモデルである。

 

5.モデル別記号の見方

<ニューバランス>は様々なラインを扱っているが、そのモデル名の一つ一つが全てアルファベットと数字の組み合わせになっている為、ニューバランス初心者にとっては複雑なイメージを抱いている方も多いのではないだろうか。一度アルファベットの記号の意味を覚えてしまえば簡単に読み解く事ができるので、今後のシューズ選びの参考にしてはいかがだろう。


 

各モデルの数字の前につく文字一覧
M…メンズ
W…レディース
U…ユニセックス(男女兼用)
KS…キッズ(スリッポン仕様)
ML…メンズライフスタイル
MS…メンズスポーツタイプ
MW…メンズウォーキング
MR…メンズランニング
MT…メンズトレイル
MRL…メンズ レブライト(軽量化ソール)
CT…テニスシューズが元
CM…Mの廉価版(アジア製)



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紳士靴Instagram:@isetanmens_shoes

Photo:Tatsuya Ozawa
 

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