2019.09.23 update

【特集】一生モノの高級紳士靴に出合う、人気・実力を兼ね備えた英国4大ブランドを比較(1/5)

<EDWARD GREEN/エドワードグリーン>、<JOHN LOBB/ジョンロブ>、<GAZIANO & GAIRLING/ガジアーノ&ガーリング>、<ANTHONY CLEVERLEY/アンソニー クレバリー>――いずれも一言で「高級靴」とはまとめられないほど個性的な、英国生まれのハイエンドシューズたち。

今回もお馴染み、伊勢丹メンズ館の靴賢者4人がこの英国4大ブランドを徹底比較。読むと絶対履きたくなる魅力を語り尽くす。




■ 一生モノの高級紳士靴に出合う、人気実力◎な英国4大ブランドを比較
▼ 1. EDWARD GREEN/エドワードグリーン
▼ 2. GAZIANO & GAIRLING/ガジアーノ&ガーリング
▼ 3. ANTHONY CLEVERLEY/アンソニー クレバリー
▼ 4. JOHN LOBB/ジョンロブ






左から、ISETAN MEN'S net編集長の田代、紳士靴担当バイヤーの田畑、同アシスタントバイヤーの齋藤、メンズ館地下1階チーフバイヤーの福田


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「高い靴はなぜ良いとされるのか。良い靴はなぜ高いのか」への明答


福田 お客さまから「高い靴はなぜ良いのか、良い靴はなぜ高いのか」という質問をよく頂きますが、私は「素材」だと答えます。例えば、<ジョンロブ>が上質な大判の一枚革をアッパーに贅沢に使うのは有名ですが、今回取り上げる4ブランドとも“革の目利き”であることはもちろん、革の選び方や使い方に対しても圧倒的に長けています。
田畑 私は「技術」だと思います。よく寿司に例えるのですが、良いネタを時間をかけて仕込んでも、最後に握る職人の技術で味わいが変わります。この4ブランドのファクトリーには腕利きの職人が集まっており、常に高いレベルで靴作りをしています。また、技術の継承もしっかりと行われているので、ノウハウが蓄積されているのも魅力です。
齋藤
私が同じ質問を受けたら、「製作に対する手間と時間」と答えます。ステッチの細かなピッチを見るだけで職人の手間がかかっているのがわかります。ラスト(木型)に馴染ませる時間もたっぷりとっているので、完成されたシルエットの美しさが違います。
田代 4つめは「本物志向」という点ですね。アッパーの革やソールのこだわり、製靴技術の高さはもちろんですが、履き心地につながる中底やライニングなどにも妥協が一切ありません。また、ノーザンプトンで働いている靴職人はタレント揃いで、それぞれのブランドが凄いチームを構成しているのも、他の産地とは違います。
田畑 職人の編成は、どのブランドもサッカーでいうバルセロナ級のタレント揃いです。

「履いてみて初めて分かった」極私的、履き味批評



田代 今回の4ブランドでは、<エドワードグリーン>から履き始める人が比較的多いのではないでしょうか。
福田 そうですね。<エドワードグリーン>は、まさ"キング オブ スタンダード"。靴作りに関しても一つの基準になります。私も<エドワードグリーン>の朴訥とした雰囲気が好きです。1890年創業という歴史的背景も思い入れに通じますね。
田畑 私は<エドワードグリーン>を入社3年目に購入して10年以上履いています。素材が良いと長く履けるし、価値が落ちにくいのも事実。良い靴を買って添い遂げるも高級靴の醍醐味です。
田代 <エドワードグリーン>と<ジョンロブ>では履き味が全く違いますが、私は<ジョンロブ>の方が好きですね。
齋藤 <ジョンロブ>を好む理由はなんですか。
田代 一言でいうと、「履いたときに自分の足のカタチが目立たない靴」なんですよ。見た目が中庸で、安心安全なシルエットですが、しっかり履けてきれいに見えます。
田畑 <ジョンロブ>は、おろしたてから履きやすくて、グッドイヤーウエルト製法ながら沈み込みが少ないので、長年履いてもサイズの変動が少ないですね。最初に履いた状態のまま履いていけます。
齋藤 それぞれに履き味も随分違いますね。私は<アンソニー クレバリー>のビスポーク由来の踏まずの持ち上がりのフィット感と、踵(かかと)が合わせやすいのが気に入っています。




■ 一生モノの高級紳士靴に出合う、人気実力◎な英国4大ブランドを比較
▼ 1. EDWARD GREEN/エドワードグリーン
▼ 2. GAZIANO & GIRLING/ガジアーノ&ガーリング
▼ 3. ANTHONY CLEVERLEY/アンソニー クレバリー
▼ 4. JOHN LOBB/ジョンロブ