2021.04.07 update

【イベントレポート】トッププロサウナー3人が熱く語る「my sauna style」

3月16日(火)から3月21日(日)まで日本橋三越本店にて開催されたイベント「おとなの遊び時間」では、「my sauna style」と題して、“トッププロサウナー”の熱きトークショーが開催されました。
サ道を極めんとするメンバーの熱いトークの応酬に会場は大いに盛り上がりました!

達人たちの自己紹介から始まる、大人の“サウナ”とは?

―――お客さまの中にはご存知の方もそうでない方もいらっしゃると思いますので、簡単に自己紹介をお願いします。まず、瀬尾さんから。

登壇者
左:サウナ専門口コミメディア「サウナタイム」代表の瀬尾圭太氏
中央:「マンガ サ道」作者のタナカカツキ氏
右:サウナ専門ブランド<TTNE inc.>の「サウナ師匠」こと秋山大輔氏

 

瀬尾圭太(以下、瀬尾) 今よく通っているマイホームサウナは、神奈川県横浜市にあるサウナ施設です。基本毎日入りますが、これまでサウナに入った最高記録は、一週間に14回ぐらい行っていたことがあります。

 
タナカカツキ(以下、タナカ) 私はサウナをテーマに漫画を描くなど、マニアックなことをしています。今マイホームサウナとなっているのは、近所にあるジムのサウナ。サウナは自宅のお風呂のような使い方をしていますが、これまでの最高回数は、フィンランドのサウナツアーに行ったときですね。

 

秋山大輔(以下、秋山) そのツアーは僕も一緒に行きましたが、もの凄かったですよね!!(笑)。

 

タナカ サウナの本場フィンランドにある名店を巡るツアーですが、朝ホテルでサウナに入ってから、朝昼夕と3軒のサウナを巡って、移動はサウナ室を備えたバスで、夜ホテルでまた〆のサウナ。

一日ずっとガウンを着てサウナに入って・・・、あのツアーは入る回数の概念を超えましたね~。




秋山 本当にタナカさんの言うとおりのツアーで、現地観光は一切ありませんでした(笑)。

ちなみに、自分のマイホームサウナは、タナカさんと同じでジムのサウナです。基本、サウナには朝昼夕と一日3回入り、今朝も入ってきました。年間500回ぐらいですね。

 

瀬尾 お二人に比べたら、一週間14回はまだまだ甘いですね(笑)。

 

気になるトッププロサウナー流の「サウナの入り方」とは

――― サウナの入り方にルールはないと言われていますが、こだわりを持ったサウナーも多くいますよね。皆さんの入り方を教えてください。




瀬尾
サウナの基本は、身体を洗って、サウナに入って、水風呂に入って、休憩(外気浴)と言われますが、自分はサウナに入るときの儀式として、仕事や家庭のイヤなことを「全部サウナに押し込む」ですね。

 

秋山 え、「サウナに押し込む」ってどういうこと?

 

瀬尾 たとえば、嫌なことがあった時に、サウナ室で15分ぐらいイヤなことについて考えてから、水風呂・外気浴をて気分をリフレッシュしています。イヤなことをサウナ室に持ち込んで、水風呂で流して、外気浴でさっぱりするという入り方ですね。

 

タナカ それは問題の解決になってないでしょ(笑)。私は、心地良くサウナを楽しむために、通っている近所のジムのサウナの改善に努めています。

 

瀬尾 サウナの改善って何ですか?

 

タナカ 例えば、脱衣所のニオイが気になると感じたら「ロッカー室に空気清浄機を置いてほしい」とか、快適にサウナに入るために自分が気づいた点を、その施設に要望として伝えています。

 

タナカ 入り方という意味では、サウナ施設の入口はとても大事ですね。服を脱ぐまでのアプローチが一番大事。



秋山 入口は大事ですよね。サウナが好きな方は「37」という番号は好きなんじゃないかな。ちなみに今日の靴下も「37」です(笑)。

まずサウナに行ったら「37番=サウナ」の下駄箱を選びますよね。大きい施設だと「1137=イイサウナ」とか、<TTNE>では「1111=ととのう日」と提唱しています。サウナに関わる数字にこだわって、まずそれが取れたら満足しますね。

 

タナカ 自分は数字にはこだわらない派なんですが、リストバンドが「37番」だったときは、「あ、うれしいもんだな~」と写真を撮りました(笑)。

 

瀬尾 僕は数字をまったく気にしたことがないですが、有名サウナ施設の「37番」の競争率はめっちゃくちゃ激しいですね。

 

秋山 だって下駄箱やロッカーの「37番」が空いてたら、「今日のサウナは空いてるな」って思っちゃうくらいですから(笑)。

 

「マイ サウナ必需品」を教えてください!

――― 続いて、今日は皆さんにサウナに行く際の鞄をご持参いただきました。サウナ必需品について伺いたいと思います。





タナカ サウナ施設には、「手ぶらで行ける」良さがありますが、私が通っているのはジムのサウナなので、フェスタオルとバスタオルは持参します。それと、最近たどり着いたのが、サウナ用の「座布」です。

専門施設のようにサウナ室にマット類が敷かれていないので、自分が心地良く使えるサウナマットを持っていっています。背中を丸めず、自然と骨盤が立ち上がって気持ちいい!


※お持ち込みの際は施設のルールにお従いください。

 
秋山 僕はサウナで、水風呂の温度を体感で測るトレーニングをしていて、体感と実際の温度の数値を合わせる練習が欠かせません。「よく水風呂は何℃ぐらいがいいですか?」と聞かれるのですが個人的には、16.5℃が丁度いいと思っています。

浮かしておくと水温が分かる水温計や、水温計が付いているダイバー用の腕時計を持っていきます。最近は自分の体感温度と水風呂の温度の誤差は0.5℃ぐらいになりましたね。


※サウナでの使用を想定していない水温計や腕時計もございます。メーカー推奨の使用方法でご使用ください。

※お持ち込みの際は施設のルールにお従いください。

 


瀬尾
水風呂に水温計が浮いていたら、「今日サウナに師匠来てるな?!」ってことですね。

僕の必需品は、重くて大きいタオルです。皆さん、サウナ室にいて、突然、「アウフグースしてほしいな」という気持ちになるときありますよね?

ロウリュで発生した蒸気を専門スタッフが入浴者に向けてタオルなどで扇ぐのがアウフグースなんですが、サウナ室内で、「お客さまの中で、誰かアウフグースができる人はいませんか?」となったときのために、アウフグース用の大きなタオルを持っていっています。

 

秋山 それって、「お客さまの中で、誰かお医者さまはいませんか?」と同じノリだね(笑)。

 



瀬尾
サウナ室で僕を見かけたら、アウフグースをリクエストしてください。お店がOKなら振りますから(笑)

 

タナカ 私は、サウナから出た後の乾燥しやすい肌をととのえたい。しかし、施設にボディーローション(化粧水)はあっても、フェイスローションが常備されているところは多くありません。そこで、サウナ後に特化したフェイスローションを“ドサウナー”の美容業界にいる弟がオリジナルで開発してくれたんですよね。「ととのうフェイスローション」、いい香りもするんです。それを持って行きますね。

瀬尾 タナカさん、それ、市販しましょう!!自分もアウフグースするためのタオルの他に、嫁の手作りのサウナハットや化粧品、サウナ用の時計、耳栓を持っていきます。

ただサウナハットがNGなサウナ施設もあるので、その時は某漫画のキャラクターのようなアイマスク用タオルで目を覆ってます(笑)


タナカ
耳栓はどうしてですか?

 

瀬尾 サウナ室では一切の情報を遮断したいんですよね。

 

タナカ それで、「アウフグースしてください」って声は聞こえるのかな?(笑)。

 

瀬尾 それだけは聞こえます(笑)。

 

タナカ・秋山 爆笑

 


秋山
僕は、サーファー専門ブランドがあるなら、サウナー専門ブランドも必要だと思い立ち上げたブランド<TTNE>で、サウナ-が着られる服を作りました。アウトドアサウナ用のサウナパンツも作ったので、これからの季節には、“サウ陸両用”のパンツが活躍しますよ。

 

トッププロサウナ―に問う、「サウナを取り巻く状況とは?」

―――芸能人などの方々にもサウナ愛好家が増えて、盛り上がりをみせますね。この空前のブームについてはどう感じていますか?

 

瀬尾 コロナ禍の中でも、「サウナタイム」の閲覧数は伸びています。実際、サウナに行くと、これまでサウナにいなかった若い方などが目立って、喜ばしいことだと思います。でも、「サウナはブーム?」と聞かれると、お風呂は毎日入るのに、「お風呂がブーム」とは誰も言わないですよね。

これからは、サウナが生活の中で当たり前の習慣というか、カルチャーになっていくんじゃないかと、個人的に思っています。


日本橋三越本店に出現したテントサウナ。

会期中は催物会場にフォトスポットとしてサウナ室が登場。SNSハッシュタグキャンペーン「#三越サウナ部」も行われた。

 

タナカ 私も瀬尾さんと同じ意見ですね。そもそも日本橋三越本店が「サウナを好きなおっさん3人を呼ぶイベント」をするぐらいになっているってことでしょ。サウナは当たり前になってほしいし、ブームに伴ってサウナ施設も新しく出来てきて、もっと盛り上がってくるんじゃないかなと思いますね。

 

秋山 本当に日本橋三越本店の屋上にテントサウナを設置して、トークショーをやるって、凄いことですよ!

 

サウナも楽しいけど、「アフターサウナ」やプロ流の「裏ワザ」はもっと楽しい!

――― ちなみに、お三方ならではのサウナ「裏ワザ」があれば教えてください。


秋山 サウナに入る前に、冬は「湯通し=一度お風呂」に入って身体を温めるとか、「水通し=サウナに入る前に水風呂」に入ったり、水風呂を出た後に、固く絞ったタオルで身体の水滴を取って外気浴したり・・・。会場の皆さんが頷いているので、サ活をしている人にはもう裏ワザじゃありませんね(笑)。

 

瀬尾 マンガ『サ道』の第1巻にあるんですが、冬の寒い日にサウナに入って、水風呂に入らずに、身体をしっかり拭いて、Tシャツと短パンなどすごい薄着で家まで帰ると、帰っている間の寒さでととのいます。

 

秋山 そうそう、僕なりの裏ワザは、できるだけロッカーからサウナまで早く行きたいので、ズボンに指を引っかけて靴下までそ~っと脱皮するように脱いで、その形のままロッカーに入れて、サウナから出てきたら、その形状を伸ばしながら穿いていくというワザを習得しました(笑)。

 

瀬尾 それ、よく分かります。自分も、フロントで入館料を払って、ロッカーに向かっている間にもう脱いでいます。少しでも長くサウナ室にいたい!

 

秋山 その気持ちよくわかる!とにかく脱いだり、移動を最短にしたい、無駄な時間をなくしたいんですよね。


タナカ
私も秋山さんとほぼ同意見です。サウナに行くのは毎日のことなので、本当のことを言うと、何にも考えたくない。家でお風呂に入るとき、タオルの場所やシャンプーの位置など、無意識に身体の動きと連動していますよね。サウナ通いもそういう境地になりたくて、私は最近、ジムのサウナ室に行くときは、同じ時間に行くというルーティーンを守っています。

 

秋山 タナカさんらしいルーティーンですね(笑)

 

タナカ 極力考えたくない結果、目を瞑っても脱皮できるよう、パンツと下着はゴム仕様になりました。

ルーティーンという儀式には、落ち着く要素があるんですよ。サウナリチュアルって言うらしいです。

だから、普段必死で考えないといけないときにサウナに入ってととのえ、注力・集中しています。それがサウナの良さですから。

 


――― 最後にいい話で締めていただきました。お三方お忙しい所ありがとうございました。

最後は「また会いましょう、さようなら」ではなく「サウナら!」でタナカさんに〆ていただこうと思います。

 

タナカ それでは皆さん「サウナら」!

 

Photograph:Taku Fujii
Text:Makoto Kajii

関連記事:【対談】サウナをこよなく愛する4人が、サウナとの出合いや自己流のととのえ作法を語り合う


三越伊勢丹オンラインストアで関連商品を見る