2022.11.04 update

【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.1|<オールデン>(1/3)


タンカーブーツやチャッカブーツををはじめ、「made in USA」の靴作りを誇る老舗<Alden/オールデン>のシューズは、誰しも1度は履きたい男の憧れです。アメリカントラッドの歴史とともに歩んできた<オールデン>のシューズが長く愛されてきた最大の理由は、唯一無二の存在感と履き心地にほかなりません。

今回は、<オールデン>の代表モデルやコードバンを筆頭とするこだわり抜かれた素材について、また特徴的な「木型(ラスト)」の種類やサイズに選び方など、ブランドを知るには欠かせないポイントを詳しく解説。さまざまな視点からその魅力を知り、憧れのオールデンを手にしてみてはいかがでしょうか。
*<オールデン>輸入総代理店 株式会社ラコタ監修



ヒストリー編|トラディショナルに加えて快適な靴設計という革命をもたらした<オールデン>

メイドインUSAの誇り。アメリカントラッドの歴史を築いた130年

1884年、米国はマサチューセッツ州ミドルボロウでチャールズ・H・オールデン氏によって創業。創業当時はカスタムメイドのブーツや、受注生産による紳士靴を中心に製造を行っていました。

オールデンの革靴の特徴は、フィット感と抜群の履きやすさにあります。上質な素材を用いた伝統的なグッドイヤーウェルテッド製法に加えて、足に問題を抱えた人も快適に履くことのできる医療用矯正靴の分野を開拓し、靴設計に革命をもたらしたことでも知られています。
内振りのカーブが強い、<オールデン>で多く採用している木型「モディファイドラスト」を用いたシューズがこれに当たります。

素晴らしい「履き心地の追求」は、アイデンティティそのものであり、研究や開発で培った技術は全ての「オールデンシューズ」をより快適で履き心地のよいものとすることにも、大きな貢献を果たしています。


*ラコタハウスHPより引用

1931年に創業者であるオールデン氏の退職すると、現在4代に渡りブランドを経営する、ターロウ家へと経営権が受け継がれます。

現在<オールデン>の靴は、1970年にミドルボロウに建設された近代的な設備を整えた工場で作られています。
アッパーに用いるレザーの厳格な品質チェックをはじめ、 ライニングレザーの貼り合わせ、ソーイング、木型への吊り込み、仕上げまでに、約200にも及ぶ多くの工程を経て完成します。なかでも、スキンステッチモカなど1針1針を手作業で縫う高度な職人技術は欠かせません。オールデンの高い品質は、130年を超えるブランドの歴史と「made in USA」の誇りによって支えられています。

 

素材編|コードバンだけではない「素材」へのこだわり

アメトラの王道スタイルと言えば、<オールデン>のコードバン「No.8(バーガンディー)」を足元に添えるのは、トラッド好きにとって定番中の定番の着こなしといっても過言ではありませんが、近年は革好きな人やエイジングを楽しむ人、またビジネス用としてコードバンの「ブラック」を好む人も増えていて、今ではバーガンディーと同じくらい人気を二分しています。

他にも、<<オールデン>のシューズは厳選されたこだわりの素材が使用されているのでそれぞれの革の持ち味を最大限に味わえるのが魅力。ここでは<オールデン>で人気の主な5つの素材をクローズアップし、その特徴を解説します。

1. コードバン

 カラー:ブラック

カラー:No.8(バーガンディ)


<オールデン>の代名詞とも言える素材「コードバン」(馬の臀部の革)は、老舗タンナーであるホーウィン社のシェルコードバンを使用。”革のダイアモンド"とも称されているこの素材は、艶もさることながら、履いていくうちに馴染みがよく履きジワがくっきりと波を打つように大きく入るのが特徴です。<オールデン>好きならその心得として既知の事実ですが、その履きジワこそが最高に格好良いとされています。

コードバン自体はハリがある革なので、おろしたては硬く感じますが、次第に馴染みしなやかになっていきます。また、ホーウィン社のコードバンはブラックやNo.8が定番カラーとして主に使われていますが、日本国内に流通しないようなレアカラーのシューズが存在したりと、マニアの間では密かな話題となっています。


2. カーフ


数ある革の中から厳選された素材を使用。キメ細やかで履きこむ程に馴染み、美しい光沢が味わえる。コードバンとはまた違った<オールデン>のカーフにも、根強いファンがいる。

3. スウェード


世界中の革の中から厳選されたスウェードを使用。2種類の素材から流動的ながら常に10色程度を展開している。


4. クロムエクセル


ワークブーツなどに用いられることの多いホーウィン社のクロムエクセル。特徴は肉厚な牛革にオイルを染み込ませており、しっかりと厚みがありながら足馴染みに優れている。革が馴染んでクタッとしてくる感じやキズがついてもそのまま履き続けていくうちにどんどん味になってくるのも相棒感を感じられる魅力のひとつだ。また、水弾きも良く、天候を気にすることなく履けるもの特徴。

5. ユティカ


<オールデン>が2015年~2018年頃の約4年のみ使用した、現在は取り扱いのない希少な革。ホーウィン社が手掛ける素材ならではの無骨と温かみがあり、オイルをたっぷり含む事で肉厚ながらシットリしている。柔らかな素材は馴染みやすく、足にかかる負担を和らげてくれる“究極のワーク革”である。油分が多く、グローブレザーに近い表面は、雨や汚れにも比較的強い。