2017.11.03 update

<OTSUKA+ M-5/オーツカプラス エムファイブ>|追求したのは「グッドイヤーなのに良く曲がる」屈曲性の良さ──“新クラシック靴”は大塚製靴の傑作品(1/2)

「日本の靴のスタンダードになるように丁寧に作っていきたい」と創業145年を誇る大塚製靴が力を込める新レーベル<OTSUKA+ M-5/オーツカプラス エムファイブ>が、メンズ館地下1階=紳士靴にて初お披露目。ファーストコレクションの全8型が登場するほか、11月1日(水)からはパターンオーダーもスタートさせる。

<オーツカプラス エムファイブ>パターンオーダー

□11月1日(水)から
□メンズ館地下1階=紳士靴
■価格:81,000円から
■お渡し:約4~5カ月後から
*生産状況により多少前後する場合がございます。予めご了承ください。



大塚製靴を代表する2レーベルを融合させ、より進化したクラシックを


取材のために大塚製靴の日吉工場(横浜工場)を訪れて、出迎えてくれたのは同社の企画部 商品開発室の小林幸司さん。日吉工場は紳士靴のみを作っていて、月産約3000足、年間約4万足を生産、イタリアで靴の学校に通い、製靴を学んだという小林さんの案内で、縦・横・踵(かかと)の3ステップある釣り込み(成型)や底付け、シワ取り、そして仕上げまでの製靴工程を見学した。


この秋、登場する新レーベル<オーツカプラス エムファイブ>は、手間のかかる靴で、月産足数が決まっているので、ネットでは現在1年待ちという<OTSUKA M-5/オーツカ エム・ファイブ>と、2014年から展開している<Otsuka+/オーツカプラス>を融合。「クラシックな靴が得意な弊社が、新たなクラシックの提案として新レーベルを作りました。デザインもラスト(木型)も一新し、グッドイヤーウェルト製法のウィークポイントである“屈曲性”を新たなアイデアを用いて改良。おろしたてから履き馴染みのする革靴に仕上がっています」と小林さん。


新レーベル<オーツカプラス エムファイブ>の特徴は、ノーズの短いクラシックな顔つきに、ストレートチップの一文字のバランスを少し短くすることでアップデート。2017年版のクラシックな表情に仕上がった。また、新しく作ったラストは“ラウンド”と“スクエア”の2つで、選んでいただきやすいようにはっきり分けたのも特徴の一つ。どちらも大塚製靴の歴史が凝縮した日本人の足に合ったラストとなっている。

さらに、ファーストコレクションの8デザインのアッパーは仏のアノネイ社の革を使用。そして、“各サイズ1足限定”のマスターピースモデルは、一枚でまとめるのに適した柔らかさときれいな肌目をもつ国産の姫路産の革をアッパーに採用した。

グッドイヤーウェルト製法の要となるウェルトを縫い付けるための縫い代になるのが“リブ”パーツですが、<オーツカプラス エムファイブ>では屈曲性を良くするために、ビスポーク(手縫い)を研究。グッドイヤーと手縫いのハイブリッドとなる「機械で量産できる世界初のオリジナルリブ」を開発し、屈曲性の良さを実現しているのだ。

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