「女性は服を感覚で語り、男性は服を理屈で語る」ということに大きくうなずく皆さんに、メンズ館バイヤーが“服語り”をお届け。テーマはずばり、「オトコの服は語ってなんぼ」。見た目の格好良さの中に込められた創り手の想いや、次の時代を切り拓く新しさなどを、バイヤー流に“勝手に解釈”。知るほど面白い、読むほど着たくなる、イセタンメンズネットの名物連載。

今回は、「オンオフを問わず、あらゆるファッションスタイルにフィットする」という<Barbour/バブアー>の傑作アウター「ビデイル」ジャケット。メンズ館7階=メンズオーセンティック担当バイヤー柴田信友が語るその魅力とは?



グッド・ジェントルマンに見える生粋の英国育ち

自分が若いとき、<バブアー>は<バラクータ>と同じように、“おっさん服”のイメージが強くて実は敬遠していました。でも、古着を着るようになって、ヴィンテージを知るほどに、状態の良いアウターが日本にあって、「ヴィンテージはデニムだけじゃないんだ」と知ったのが<バブアー>でした。

また、仕事でロンドンに初めて出張に行ったとき、霧雨が降る街の中で、おじさんたちが普通にオイルドクロスのワックスジャケットを着ているのを見て、「あ、そういうことなのか」と気づきました。昔ながらのカタチをメンテナンスして、ぼろぼろになる寸前まで着ているのを実際に見て、それが“グッド・ジェントルマン”に見える。良いモノを長く着ることの意味を知りました。


メンズ館7階=メンズオーセンティック の 柴田信友バイヤー
(178cm、着用サイズ40)


1世紀以上生き延びている名品「バブアー ビデイル」

<バブアー>は1894年にイングランド北東部のサウスシールズで創業した元々は生地屋ですが、悪天候の下で働く水夫や港湾労働者が着る防寒着を作るためのオイルドクロスを生み出し、それを服に仕立てると英国軍の防水服として採用されるなど、実用性と機能性(耐久性)を兼ね備えたアイテムを作り続けてきました。

<バブアー>といえばオイルドジャケットが有名ですが、1936年に発表した、スティーブ・マックイーンも愛用していたモーターサイクル仕様のライダースジャケット「インターナショナル」や、80年に生まれた乗馬用の「ビデイル」、83年発表のハンティング用の「ビューフォート」など、アウトドアを好む英国上流階級の男たちのためのアウターを次々に登場させています。


両脇下のベンチレーションやハンドウォーマーポケット、裾のフラップポケットなど機能面も充実

今から10~20年ぐらい前の一般認識では、<バブアー>=オイルドクロスで、“重たい、臭い、暗い(笑)”イメージでしたが、それを一変させたのが「ビデイル」のスリムフィット「ビデイルSL」で、自分の記憶では最初、日本300着限定で発売されました。ビデイルSLはラグランスリーブのオーセンティックなデザインに、従来のバブアーにはない洗練された細身のシルエットがたちまち人気になり、それからグローバルな品番に発展。キレイめに着られるファッションアイテムになりました。<バブアー>のイメージをガラッと変えたのは、ビデイルSLを支持した日本人の美意識といってもいいでしょう。


襟元のスロートフラップや、袖口のインナーリブ仕様など、冷たい風から身を守るディテール


袖付けはラグランスリーブなので、腕の可動域が広く楽に動かせます


気づいたらそばにある、40男のマスターピース


スマートに着られるビデイルSLは、“スーツの上に着るアウター”に大きな変化をもたらしました。クラシックな選択ではチェスターフィールドコートが代表的なアウターですが、フィールジャケットがスーツの上に着られるようになったのは<バブアー>の功績が大きいです。スーツの上に着られるのはもちろん、どんなボトムスとも合わせられる汎用性も高く、「前からクローゼットにあったかのように」着こなせる。気づいたら自分のそばにある傑作アウターです。

また、私たちが大好きな“長年にわたる真摯なものづくりとこだわり、高品質”が認められて、英国王室御用達(ロイヤル・ワラント)をエディンバラ公、エリザベス女王、チャールズ皇太子から授与されるという「3ワラントホルダー」というのもブランドを語る上で見逃せません。


手をかけた分だけ、"自分色"に染まるオイルドクロス

オイルドクロスはさまざまな改良を受けて、“軽く、臭くなく、丈夫”な生地になってきていますが、革靴の手入れのように、きちんとメンテナンスすれば、こんなに長く着られるものはありません。私たちはジーンズのエイジングは当たり前のように受け入れていますが、<バブアー>のオイルドクロスも着用したらブラシをかけるなどの手入れが必要で、それを求めてくる服でもあります。

長く使うためには長く使えるクオリティがないと、つきあいも始まりませんが、<バブアー>は、工業規格に則ったベストクオリティ、デザインとのグッドバランス、本物のインポートという3つのバランスを見事に成立させています。メンテナンスした分だけ、あなただけの<バブアー>に育ってくれるはずです。


素材・カラーが選べる「ビデイルSL」の魅力

メンズ館7階=メンズオーセンティックには、“グッドライフ”というコンセプトがあります。グッドライフには着る人を選ぶ服はダメで、千客万来な服=<バブアー>は素晴らしいお手本。買い足しに最適なブランド&アイテムとして、この春夏は、軽いオイルドクロスのほかに、コットン60%・ナイロン40%の64(ロクヨン)クロス、綿100%の製品染め、そしてデニムというファブリックのバリエーションをラインナップしました。同じ型で、素材とカラーが選べるので、ぜひご試着しにご来店ください。

「ビデイルSL」は、ラグランスリーブでバストが細いのが特徴で、自分はイタリアンサイズ48ですが、タイトめに着たいなら38、アウターの上ならサイズ40です。ちなみにインターナショナルなら1サイズ下げるとちょうどいいと思います。

*価格はすべて、税込みです。

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