今はインドの他に、パリにも興味があります


柴田 インドに行かれましたが、そのほかに今興味のある国は?

草野 伊・フィレンツェで開催されているピッティ・イマジネ・ウオモに10回参加していて、食べものも満足したし、釣りも何度かしたし、イタリアには満足したので、一端一区切りして最近はパリに興味が移っています。

小説家 永井荷風がパリ通で、荷風がパリを歩いた跡をたどりながら本にした人がいて、その本を読んだらめちゃくちゃ面白かった。「下町の路地を曲がったら娼婦が佇んでいた」感じとか、食べものやワインの記述がとにかく面白かったです。

柴田 パリ、いいですね~。パリ、大好きです。パリは昔ながらのもの最先端のものが共存していて、何か新しいものとの出会いがありそうな気がしてならないんです。

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An American in Paris

草野
たまたま、パリで日曜にぶらぶらしていたら、目の前に高級車が止まって、20代前半の可愛い女の子が降りてきました。運転席を見たら50代過ぎのおじさんで、するするっとウインドウが降りて、キスして別れたのを見て、「パリじゃん!」って。

草野・柴田 爆笑

柴田 今日の草野さん「ロマンス」ですね(笑)

草野 一連が自然な流れで、年齢差を感じさせない“素敵感”って一体何なんだろうと打ちのめされました。いろんな妄想にかき立てられますね。そうやって現地にしかないモノや人を探っていくのが一番楽しい。


メンズ館の季刊誌「Gentlemen Makers 2019 SPRING  -A SOPHISTICATED TRAVELER-」より
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自分の想像しない感じで服を着てもらっていると面白い


<ケネスフィールド>の基本はアメリカントラディショナルなスタイルではあるんですが、取り入れるのは各年代の各地域の異文化なので、『てすうと』のような内容の本はとてもありがたいです。紙の活字で読むと想像できるし、一番グッとくる。いろんな本を読んでその点と点を現場で繋いで線にしていくのが好きですね。

メンズ館の季刊誌「ジェントルマンズメーカー」にも掲載していただいていますが、今春夏コレクションに、ワンピースとは言いたくない、長いベスト状のアイテムがあります。本来、出来上がった布を纏うのが一番美しいはずなんですが、自分はまだそこまでは到達できていない。
これからも修行が続きますが、そうやって作った服をお客さんに喜んでもらえればそれで幸せです。

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■Amver <KENNETH FIELD>デザイナー 草野健一
1969年熊本生まれ。「BEAMS PLUS」のディレクターを務めた後、2012年から自身のブランド<ケネスフィールド>をスタート。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、自身が体験した1980年代以降のアメリカントラディショナルクロージングを中心に据えながら、各年代の様々な国や地域のカルチャーをデザインソースとしている。アメトラを多角的にアップデートしたアイテムは一筋縄では着こなせない深みをもつ。

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Text:ISETAN MEN'S net
Photo:Amvai(https://amvai.com/

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