【連載】デザイナーという将来像から接客業へ。自分に、お客さまにも正直に。メンズアテンダント 髙山 光|イセタンメンズ スタッフプロフ
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伊勢丹新宿店メンズ館に所属する、個性豊かなスタイリストにクローズアップしてご紹介する連載企画「イセタンメンズ スタッフプロフ」。
今回は5階オーダーメイド、メイド・トゥ・メジャーに精通するメンズアテンダント、髙山光をご紹介します。ビスポークのジャケットに古着のデニムを合わせる彼のスタイルは、モードや古着を経てきたファッション遍歴から生まれたリアルな姿です。ファッションデザイナーを志していた彼が、人と向き合う接客業を選んだ背景に迫ります。
伊勢丹新宿店メンズ館 メンズアテンダント
Instagram:@isetanmens_attendant
札幌から東京へ、接客とインターンの日々
札幌の服飾専門学校でデザインを学びながら、ファッションデザイナーという将来像を思い描いていました。地方にいながらもモードに強く惹かれていた僕にとって、東京へ行くことは必然で、偶然目にした伊勢丹のアルバイト募集に応募したことが、現在のキャリアの出発点になります。
服を作る側にいきたかったので、東京に出ること自体は自然な流れでした。メーカー、ブランドに就職するとなると、ひとつに絞らないといけないですよね。でも当時は決めきれなくて、より広い視点でファッションに触れられる場所として百貨店もいいなと思って伊勢丹に応募しました。
無事採用となり昼間は店頭に立ちながら、仕事が終わると、紹介してもらったデザイナーのアトリエに通う二重生活を送ることになりました。
朝帰ってきて昼に起きてまた出社という生活。無給に近い形で関わることもあったし、正直しんどかったですね。ただ、そのぶん現場のリアルが見えました。販売という仕事の奥深さ、モノを作るというゼロイチの創造性。でもどちらも中途半端になっている感覚もずっとあったんです。
そんな中で訪れた社員転換の機会。そこであらためて自分を振り返ると、当時少しずつお客さまが増えていた販売の仕事こそが、自分を成長させてくれる場所なのではないかと思いました。その後実際に成果が目に見えて現れるようになり、接客業を深化させることで仕事の面白さも実感できるようになりました。
ビスポークとの出会いで知った服の本質と奥深さ
アルマーニでハイブランドの接客を学んで、プライベートブランドで伊勢丹のお客さまを知ってから、オーダーに来たことでモノ作りの背景や歴史を深く理解できるようになっていました。既製服とオーダーでは、服に対する考え方がまったく違うんですよね。
初めてビスポークを仕立てたときの感動は、いまでも鮮明に残っています。ゼロから職人と話し、自分のなりたいイメージを形にしていく。その過程はデザイナー志望だったからこそ僕にとって特別なものでした。仕立て上がったばかりの服に袖を通したときに感じた、クオリティの高さ。その延長線上にあるのが、今日着ているリネンのジャケットです。
<ラ・スカーラ>の黒リネンのビスポークジャケットは、ゼニアのヴィンテージ生地を使ったもの。裏地を極限まで省いて、芯地も軽量化しています。自分は痩せ型なので、体型をカバーできる仕立てを意識しました。背中心は片倒しで仕上げるなど、縫製にもこだわった贅沢な仕様です。
ジャケットに合わせた<レスレストン>のシャツもビスポーク。デニムは古着のリーバイス517です。自分の体型に合うのか、ブーツカットのシルエットがしっくりきました。ジャケットと合わせたときのバランスが、僕の好みです。
501も含め、いろいろ持っているのですが、いまは517にハマっています。ビスポークのジャケットとデニムのバランスが自分らしいと思っているので。サイズや年代によって個体差があるのですが、たぶん10本以上は所有しています。今日の517は1991年1月製という自分の生まれ年のモデルで、不思議な縁を感じる特別な1本です。
ときに“売らない”という本音が築く信頼感
現在、僕が担当させていただいているお客さまには、経営者や役員といったエグゼクティブ層の方々も多いです。求められるのは、「オシャレ」より「きちんと見られる装い」。そのためスタイリングやアイテム提案は、見た目以上の意味が伴います。人からどう見えるかが前提にあるので、その方の立場にとって正しいかどうかを考えることが大切だと思っています。だからこそ、ときにはオススメしないこともあります。今日はやめといた方がいいと思いますとか、これは合わないかもしれませんと正直にお伝えすることもよくあるので、商売っ気がないようにも見えるかも(笑)。それが信頼につながっているのかもしれないですが。
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人に褒められたとか、変わったねと言われたとか、自信を持つことができたり。洋服を通じてそうした小さな変化が積み重なって、その人の人生が少し良い方向へ進んでいければいいな、と思っています。私自身も、そうやってファッションに成長させてもらってきたので。
お客さまの人生をより良い方向へ
ビスポークジャケットに古着デニム。一見相反する要素を自然にまとめる髙山のスタイルは、モードの感性とテーラリングの知識、そして現場で培ったリアリティといった経験から生まれた彼ならではの美学です。だからこそ店頭の商品を押しつけることはなく、むしろ一歩引いて本音で向き合い、お客さまにとっての最適解を一緒に探していく。その距離感が信頼を生み、「また相談したい」と思わせる理由になっています。
もし自分に似合うものがわからないと感じているなら。一度、髙山に任せてみてはいかがでしょう。きっと、いい方向に変わるきっかけを見つけてくれるはずです。
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伊勢丹新宿店 メンズ館ではコンサルティングサービス、アテンドサービスなど、ご要望に合わせてお客さまのお買物をお手伝いするサービスも充実しています。シーンに合わせたスマートカジュアル、大舞台でのドレスアップした装いなど、お気軽にご相談いただけます。
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Photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)
Text:Yasuyuki Ikeda
制作 STUDIO ALTA
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