2020.04.06 update

【オーダー体験 3】悩みのガッチリ体育会系の胸周り・なで肩がきれいに収まるオーダーシャツを作りたい

メンズドレスでは、シャツは素肌に着ることから「シャツは肌着」とも言われます。肌着感覚で着るなら、フィット感とサイジングにこだわりたいし、ビジネススタイルの必須アイテムなら、好みの生地やデザインにもこだわりたい。
本企画では、既成のシャツに悩みを抱える体型の違う2名の男性にオーダーシャツを体験していただき、その既製シャツに対するお悩みを、メンズ館1階=ドレスシャツ・ネクタイのスタイリスト花野友彦が伺っていきます。


  1. 学生時代にスポーツで鍛え、今は日々多忙な松島さんのリクエストは?
  2. [生地選び]落ち着いた黒のスーツに合わせるなら、着用した時に差が出る白無地がおすすめ
  3. [デザイン選択]プロのアドバイス+仕上がりイメージを見ながら仕様を選ぶ
  4. [採寸]シルエットのポイントは、お腹まわりは「スッキリ」、胸幅は「しっかり」魅せる
  5. [オーダーを終えて]既製品でも上質な生地のシャツは1万円はするので、プライスに納得


学生時代にスポーツで鍛え、今は日々多忙な松島さんのリクエストは?


広告代理店の営業職の松島隆晴さん(30歳)は、大学時代に相撲部に所属。「仕事を始めてから痩せたり太ったりを繰り返していて、今はかなり痩せました」と、メンズ館1階=ドレスシャツ・ネクタイのスタイリスト花野友彦に着たいシャツの説明を始めました。

「体重が100キロ近くあったので、危機感を持って痩せ始めて、78キロまで来たんですが、仕事柄不規則な生活でまた太ってきてしまって、体重の変動が激しいんです。今は洋服を買いに行ってもサイズがないので、気持ちよく着られるシャツを作りたくてメンズ館に来ました」という松島さん。
リクエストはずばり、「ここぞというプレゼンのときに着ていく勝負シャツ」です。

[生地選び]落ち着いた黒のスーツに合わせるなら、着用した時に差が出る白無地がおすすめ

花野 松島さまのお名前で過去のオーダー履歴を検索すると、2016年7月にブルーのシャツをオーダーで作られていますね。
松島 はい、三越伊勢丹の「お仕立券」をもらったので作りました。かなり気に入って着ていましたね。
花野 今回は「ビジネスシーンでの勝負シャツ」というリクエストですが、生地の色と柄のイメージはありますか?
松島 スーツは黒が多くて、ネクタイも紺や茶など落ち着いた色が多く、靴も黒なので、シャツは白無地が多いですね。


花野 確かにビジネスで最も使いやすいのは白無地ですが、シンプルだからこそ生地の光沢具合や質感といった違いが分かりやすいので、オーダーで作る楽しみがここにもあると思います。
松島 着用したときに違いが出る白無地ですか。なかなか素人には難しいですね~(笑)。
花野 ネクタイをされるということですから、“ドレス感もある一味違う白無地”という意味で、イタリアの<カンクリーニ>の生地をおすすめします。
松島 ちょっとツヤっとしていて色気も感じていい生地ですね。これにします!

[デザイン選択]プロのアドバイス+仕上がりイメージを見ながら仕様を選ぶ


担当する花野は、「松島さまは広告代理店の営業という激務で、大手クライアントを担当しているとのことなので、身だしなみには人一倍気を遣っていらっしゃると思います。タイドアップからクールビズのノータイまで、どちらにも使えるシャツをおすすめしていきます」と解説します。

花野 松島さまは肩幅が広いですしネクタイを締めることを考えると、襟型はネクタイの収まりが良く、かつノータイでもきれいな「ワイド」をおすすめします。襟の硬さのお好みはありますか?


松島 襟の硬さですか。そういうこともできるんですか?
花野 はい、英国らしさのある構築的なスーツに合わせるのであれば、芯を硬くするのがおすすめです。一方でソフトな印象のイタリアのスーツに合わせるなら、芯を薄くしてシャツも軽やかにするのが適しているのではないでしょうか。
松島 なるほど~。そうしたら、襟の硬さは普通で、胸ポケットはなしにします。
花野 シャツを着るとき肌着は着ますか?
松島 Vネックを着ますね。


花野 ではノータイで着ることを考えて、襟ボタンと第一ボタンの間隔を6cmにしましょう。
松島 ネーム刺繍はなしでいいですが、クリーニングに出すので、クリーニングネームは「TM」でお願いします。
花野 ボタンは2mm厚の白の貝ボタンが収まりがいいと思います。
松島 ボタンの厚みや間隔などあまり考えたことがありませんでしたが、今回はプロにお任せします!

[採寸]シルエットのポイントは、お腹まわりは「スッキリ」、胸幅は「しっかり」魅せる


松島さんが前回2016年にオーダーしたときの採寸データを花野が参考に見ていると、「なんだか健康診断みたいですね」と笑う松島さん。採寸時に、「少しでもスッキリと見せたい」とリクエストします。

花野 4年前に比べると細くなっていますね。胸は大きくなっていますが、お腹がだいぶ細くなっています。
松島 本当ですか?!それはダイエットした価値がありますね!(笑)
花野 さらに、カフスは時計がかぶらないように調整します。体型補正は「なで肩」をポイントに。全体的には、ウエストの寸法だけ前回と大きく変わっています。



松島 実はあと5キロ、もう少し痩せたいんですが・・・(笑)、4年前と体型の変化が分かってビックリしました!4年ぶりのオーダーシャツですが、ここまで細かくやってくれると仕上がりが楽しみです。
花野 体型的にはがっちりタイプですが、なで肩で胸幅もしっかりあって、シャツが似合う体型ですね。ただ、フィット感を求めていくと既製品のシャツでは対応できないサイズ感なので、こだわりのポイントも含めて、オーダーシャツをおすすめします。

[オーダーを終えて]既製品でも上質な生地のシャツは1万円はするので、プライスに納得


松島 花野さんの言う通り、いつも既製シャツは、着丈が短かったり、腕が長かったり、どこかに不満が残るんですよね。
花野 今回のパーソナルオーダーは、イタリアの<カンクリーニ>の生地を使って、お仕立て上がりが22,000円です。
松島 既製品でも上質な生地のシャツは1万円以上するので、自分の体にぴったり合ったシャツがその値段なのはうれしいですね。
花野 松島さまのシャツは、縮みにくい生地ですが、裁断する前に一度湯通ししてから作ります。
また、クリーニングに出すときは、「糊付けなし」と言っていただけると、サイズがあまり変わらずに着用していただけます。


松島 なるほど。花野さんのアドバイスも的確だし、スッキリ着られるシャツが出来そうですね。
花野 なで肩でシャツをきれいに着られる体型で、前回よりお痩せになっているので、スタンダードな作りのシャツになっていると思います。楽しみにお待ちください。

「約4年前にメンズ館でオーダーシャツを作っているのをすっかり忘れていました」と笑う松島さんは、今の体型にフィットするシャツの出来上がりに期待大。「花野さんの経験と腕を信頼して、1ヶ月待ちます!」

 

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Text:ISETAN MEN‘S net
Photo:SUZUKI SHIMPEI

*価格はすべて、税込です。

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