【特集】パーソナライズした<GLOBE-TROTTER/グローブ・トロッター>のトラベルケースと共に旅に出る

グローブ・トロッター 銀座2階「ザ・クラブハウス」は特別なフロアだ。イベントスペースとして使われたり、アーカイブギャラリーとして映画『007 スカイフォール』で実際に使われたトラベルケースのレプリカや、各有名ブランドとコラボした特別なモデルも展示されている。なかでも気になるのは実際にオーナーと共に世界中を旅してきたトラベルケースだ。それは無造作にステッカーが貼られ、傷つき汚れていたりもするが、どれも味わい深く唯一無二の魅力にあふれている。その魅力の本質とは、他の誰のグローブ・トロッターとも違う、自分だけの味。愛おしい旅の記憶の一部にほかならない。
フロア角に目をやると、そこにはビスポークサービスコーナーがある。サイズを選んで自由にカスタマイズすることができるこのサービスは、ロンドン本店と銀座店にしかない。いや、正確には「なかった」と過去形だ。この春から、伊勢丹メンズ館地下1階でも世界で3店目となるビスポークサービスがスタートするからだ。

このビスポークサービスはヴァルカン・ファイバーのボディ、ハンドルやコーナーパーツ、ベルト、ライニングやステッチ、錠前の色まで自分好みにオーダーできるというもの。7インチのロンドンスクエアから30インチのエクストラディープ スーツケースまで既成のモデルから、通常では販売を行っていない特殊なサイズや用途のケースまで注文することができる。銀座店でオーダーサービスのすべてを取り仕切るビスポークスペシャリスト・佐野文利さんによれば、実際これまで帽子用のケースやワインケースなどが作られたという。

「ビスポークサービスはいくつかの段階に分けられています。オーダーランクが上がるにつれてボディの各面をそれぞれ色分けしたり、マットな色合いや光沢のあるグロスカラー、ラメや漆コーティングなど特別なカラーを選ぶこともできるようになります。もちろんどう配色すればよいかなどは、私がお手伝いさせていただきます。錠前をシルバーからゴールドに変えるだけでも、印象はがらりと変わりますので」

一連のサービスは、このためだけに開発された特別なシステムを使って提供される。ディスプレイ上に表示される3D画像はオリジナルのユーザーインターフェースで操作することにより、各部の配色が自由に変更できる。その組み合わせ方は180億通り以上。画面上の完成予想画を目の当たりにしながら思いのままに作り上げることができるのだ。同様のサービスを伊勢丹メンズ館では、コンパクトなタブレット上で行えるようにするという。ステンシルやハンドペイント職人によるイニシャライズなど、パーソナライズするサービスはこれまで伊勢丹メンズ館でも、シーズナルイベントとして行われてきたが、これも常設化される。
銀座店2階に展示されていた、あのシールだらけのグローブ・トロッターに育つまでには、何年も旅を続けなければならない。しかしパーソナライズサービスなら、今日からすぐに世界で唯一自分だけのトラベルケースを持つことができる。そこへどんなシールを貼り、どんな傷がつき、そしてどんな思い出を得るかは、グローブ・トロッターを持つ者だけに与えられた特権である。
Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda
オーダー詳細
■価格:147,420円から
■お渡し:約6カ月後から
*価格はすべて、税込です。
お問い合わせ
メンズ館地下1階=ラゲッジ
03-3352-1111(大代表)