本当に変えないのはデザインではなくモノ作りのスピリッツ


申し訳なさそうに岡安さんが示したデザイン上、変更を許さない箇所は3点。それは、別注に柔軟な<フェリージ>が、頑として守り続ける自身のアイデンティティでもある。

ひとつはショルダーストラップが付かないこと。

意外にもこの「8637/2」ブリーフは、ショルダーストラップを取り付けることができない。手持ちのブリーフケースに取り外し可能なショルダーストラップが付属するのは、他ブランドでは一般的だが、<フェリージ>はスーツのビジネスエグゼクティブが、ショルダーバッグを肩がけで持つことを決して認めないのだという。取り外し式のショルダーストラップが付属するモデルは、デザインや仕様、モデル名までも変えて、同じフラップシリーズの別モデルとして展開されている。


もうひとつは底鋲を取り付けないこと。

オフィスはもちろん客先、移動の車内などで床面にバッグを置くとき、ついていると安心な底鋲は潔癖な人にとってはマストなディテールだ。しかしフェリージ は「8637/2」に底鋲を決して取り付けない。そのぶん高い耐久性のあるレザーを底革に使っていることを誇りにしている。底材の如何に関わらず、もちろん他のモデルに底鋲付きのモデルは存在する。しかしこの「8637/2」に底鋲をつけることを、フェリージ は決して首を縦に振らない。


そして3つめは、ハンドルにネームタグを必ず付属させること。

近年は個人情報保護の観点や、トレーサーシステムの発達によって、ネームタグは敬遠される傾向にある。しかしフェリージ はネームタグを外さない。もちろん、使用時に自分ではずせばいいだけのことなのだが。

「昔は取引先で散々言われましたが、最近では皆さん分かってきていただいて、この3点は絶対に変えてもらえないということが浸透してきているようで、別注時に言われることがなくなりました」。


岡安さんはそういって頭をかいた。こだわりというか、頑なというか、変えないことはブランドの誇りでもあるとはず。だからこそ尊重したい気持ちもあるのだろう。

「でも本当に変えないというか、絶対に変わらないのは彼らのモノ作りのスピリッツ。それはユーザーへのホスピタリティです。デザインより仕様よりコストより、使う人の気持ちになって細部まで作り込む。その考え方は、フェリージ がスタートした45年前から、いまも変わらない最も頑なな部分だと思います」。

Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda


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