遠野から世界へ。土から造る、原点の酒。


万葉集にも登場するほど、長い歴史を持つどぶろく。古くは豊作祈願や収穫感謝として神に捧げられていましたが、やがて一般家庭でも造られ、身近なお酒として親しまれるようになります。しかしその後、国策で自家醸造が禁止となり、清酒技術も進化したことから、食卓からは遠のいていくことに。そんな紆余曲折の道を辿ってきたお酒ですが、もろみを濾さずにそのまま味わうどぶろくは、まさにお米の酒の原点。素材の魅力を活かした、質実剛健な味わいがそこにあります。


左:<岩手/民宿とおの>
どぶろく 水もと
(720ml)2,700円【36点限り】

舌の上で米がとろけるようなまろやかさ、酵母菌や乳酸菌が生きたクリーミーな泡立ちと酸味など、どぶろくの真骨頂を堪能する1本。


右:<岩手/民宿とおの>
どぶきゅ~る(りんご)
(375ml)1,200円

どぶろく仕込みのリキュールです。りんごの透きとおった香りと米の果肉が生み出す丸みある甘味がやさしくも華やか。


どぶろくに可能性を感じ、「世界で通用するどぶろく」を目標に夢を実現したのが岩手県遠野市でオーベルジュ「とおのや 要」を営む佐々木要太郎さん。遠野市は2003年に日本初のどぶろく特区になった地域です。自家産米の使用が義務づけられ、佐々木さんは米から研究を行い、遠野市の在来種「とおの1号」に行きつきます。自然に近い農法で米作りを続けた結果、得られた確信は「いいどぶろくはいい米が、いい米はいい土壌が作るということ」。15年かけて作った土は今も進化を続け、米のパワーも増しているといいます。その味わいは繊細にして複雑、活性の瑞々しさに溢れ、多くの人のどぶろくの概念を覆しました。現在、佐々木さんのどぶろくはヨーロッパや香港にも輸出され、料理人でもある佐々木さんの宿には、その味を求め世界各国からゲストが訪れています。

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