【対談】誂える喜び -The Joy of Bespoke-|テーラー 根本 修×スタイリスト 羽鳥 幸彦(1/2)

既製品で済ますことがほとんどのコートをあえて誂える。この究極の贅沢を、いまこそ味わってみようじゃないか。


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ビジネスにおけるスーツの必然性が低下したからといって、スーツそのものの需要がなくなるわけではない。これからはむしろ、自己プロデュースのための「コスチューム」としての役割が大きくなっていくに違いない。そんな考えのもと、メンズ館5階=メイド トゥ メジャーでは、哲学をもったテーラーともコラボレートしている。ここではスーツのほかにも、ジャケットやスラックスも扱っているが、コートのオーダーも受け付けているのはご存じだろうか。

羽鳥幸彦 店頭で大々的に打ち出しているわけではないのですが、ディスプレイや接客の流れのなかで、さり気なくお伝えしています。すでにスーツを2、3着オーダーされていて、私たちもお客さまの趣味嗜好やスタイルの理解を深めたところで、次はコートをお試しになりませんか、となるケースが多いですね。
根本修 スーツがある程度揃ってからという方は、最後の味付けのようなイメージを持ってる場合が多いですよね。でも、なかにはオーダー初体験で、いきなりコートという方もいらっしゃいます。そういう方は目的が明確。生地も普通のウールやツイードではなく、キャメルヘアのコートとか、カシミヤのコートが欲しいからオーダーしにきた、といったモチベーションの方が多い気がします。


根本修

1972年生まれ。東京・渋谷の名店、ボストンテーラーで研鑽を積み、テーラー・ケイドを経て2006年に西荻窪にリッドテーラーをオープン。

羽鳥 コートのスタイルは、クラシコイタリアが好きだとか、ブリティッシュが好きだとか、アメリカンが好きだとか、基本的にはお客さまがお好みのスーツスタイルに合わせて選ばれる方がほとんど。先ほど、スーツを何着かオーダーしたあとにおすすめすることが多いと申し上げましたが、先にスーツをオーダーいただいていれば、その型のフィッティングの好みがわかっているので、最適なコートを提案できるという利点があります。
根本 だから、いきなりコートという場合は、どういう用途で着るのかを詳しくヒアリングします。スーツに合わせるのであれば、オーダーの際は自分のテイストがわかるように、好みのスーツを着てご来店いただいた方が話は早い。それに、オンで着るのか、オフで着るのかでもフィッティングは変わります。両方のシーンで着たいとなると、ジャケットを中に着ることを前提にするしかない。ただ、それも素材を極力薄くしたジャケットの上からカシミヤコートをはおるとか、着こなしによって解決できるので、そういった提案もできます。

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