生地の素材の変遷


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Umbrella

雨・雪・日光などが身体に当たらぬよう、頭上に広げ差すもの。身近な道具であり、近年では男性の雨の日の装いを楽しむ役割に留まらず、日傘としての役割も担う。
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今日のような化学繊維が登場する20世紀前半までは、雨傘の生地には綿や絹を用いるのが一般的でした。特に絹はしみや焼け、それに虫食いと言ったリスクが多々あるものの、抜群の発色の良さと開閉の際に生じる「絹擦れ」の音の心地良さとが相まって、今日でも傘の生地の最高峰として君臨しています。
高額だからと言って猫可愛がりせずに適度に使ってあげるのが、生地のダメージを防ぎ長持ちさせる秘訣なのだとか―――。


*画像は参考商品です。

ヨーロッパの雨傘には生地にナイロンを用いたものもまだ多く見かけます。絹の代用品として第二次大戦後一気に普及した繊維ですが、安価で強く発色にも優れたこの繊維の恩恵を最も受けたとされるのが、実は軍用のパラシュートと雨傘です。ポリエステルに比べ水分を吸いやすい性質があったため、徐々にそちらに置き換わってゆきましたが、独特な艶には捨てがたい魅力があります。


<ラムダ>長傘(親骨65cm) 14,040円
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■メンズ館1階=ベルト・傘

そして雨傘の生地で今日主流になっているのはポリエステルです。これは繊維自体に疎水性、つまり水を含めにくい性質があるので乾きやすいだけでなく、撥水加工を多く施さなくても雨漏りしにくいから。軽さを極めたものや撥水性を高度に高めたもの、それに内側から外側は見やすい一方で外側から内側は見えにくくしたものなど、織りかたを工夫することで需要に応じた進化がますます進んでいます。

文=飯野 高広
いいの たかひろ●大学卒業後大手鉄鋼メーカーに勤務したのち、服飾ジャーナリスト・研究家として独立。紳士靴やスーツなど男性の服飾品全般を執筆領域とし、ビジネスマン経験を生かした視点で論じる。また専門学校で近現代ファッション史の講義を受け持つと共に、テレビ番組への出演・総合監修を行うなど、メンズファッション全般の知識箱的存在として活躍中。著書には、『紳士靴を嗜む:はじめの一歩から極めるまで』『紳士服を嗜む:身体と心に合う一着を選ぶ』(朝日新聞出版)『大切な靴と長くつきあうための靴磨き・手入れがよくわかる本』(池田書店)がある。

 
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Text:Takahiro Iino

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