2019.06.15 update

雨の日のお洒落を演出する「雨傘」の知って得する知識とお手入れ方法(1/3)

じめじめした梅雨時は、お洒落をしたい気持ちがつい萎縮してしまいがち。でも、安価で使い捨て系のビニール傘ではなくお気に入りの雨傘を持っていると、それも解消されるはずです。その一方で、いままでなんとなく選んでいた傘の選び方なんて、全く解らないと言う声も結構耳にします。
そこで今回は、雨傘を選ぶ際のポイントや取り扱いについて、服飾評論家の飯野 高広氏に伺いました。

雨傘について知っておきたい知識&お手入れ方法









*全て参考商品です。

色々試したい生地(カバー)の色柄



長傘の印象を決めるポイントは幾つかあるものの、まずは生地(カバー)の色柄に着目しましょう。フォーマル度が最も高くかつ万能なのが“無地の黒”で、一本は用意しておきたいもの。紺無地やグレー無地のものもオンビジネスには最適で、スーツの色選びと同じ感覚で考えましょう。

一方でチェックなどの柄の入ったものや無地でも緑やベージュのようなものは、カジュアルな印象を与えます。これらはジャケパン姿の時や休日用にしたほうが気分転換にもなります。つまり、一本で済まさず異なる色柄のものを複数用意しておくとさまざまな場に対応できるというわけです。これができている男性は紳士のおしゃれの嗜みを心得ているはず!

なお、色柄は傘を選ぶ際に男女で大きな差が生まれるポイントにもなるそうで、男性はダークトーンのものばかりなのに対し、女性は顔映りに優れる明るめのものを選ぶ傾向にあるのだとか。カラーコーディネートを通じた、いわゆる「レフ板効果」はぜひとも参考にしてください。


左から、a/オーク、 b/メープル、 c/アッシュ、 d/ワンギー(寒竹)
*全て参考商品です。

バラエティに富むハンドル素材



ハンドルも傘の印象を大きく左右するパーツです。最も一般的なのは木材ですが、これだけでも種類があります。
吸い付くような感触が楽しいマラッカ、落ち着いた質感のヒッコリーオーク、加工性の高いメープル、弾力があり樹皮を生かすことが多いアッシュ、そして節のお陰でグリップ力抜群のワンギー(寒竹)など。感触や経年変化の違いにも着目してみましょう。

一方、雨傘はステッキと兼用された経緯もあり、ハンドルに銀などの金属を用いたものもあり、非常に高貴な印象を与えます。特にマラッカのハンドルの先端部のみを純銀の小さなソケットで覆ったものは、「プリンスオブウェールズスタイル」などと呼ばれ、存在感があるため傘好きの間では人気の高い一品だとか。
柔らかな持ち味をお好みの方には革巻きという選択肢もあります。こちらも色や材質がさまざまで、お手入れさえしっかりしていれば靴と同様に経年変化が楽しめます。