ハッピーアンバースデー!2018年のはじまりは、ハッピーなデイリーフード特集(1/2)

ルイス・キャロルは、名作『鏡の国のアリス』の中で 、「アンバースデー・ギフト」という ユニークな言葉を残しています。これを伊勢丹流に解釈するなら、 名もなき日々の小さなしあわせ、でしょうか。たとえば朝の焼きたてのパン。 あるいは深夜に食べる熱々のからあげ。ああ、これを幸福と呼ばずして、なんと呼ぼうか! 

パンは生きもの。 焼きたては歌う。



おいしいパンの話をするとき、人はたいてい笑っています。焼きたてのパンがあると、それだけで幸せ。パンの香りには、人をやさしくする力がある、 という研究結果もあるほどです。

伊勢丹新宿店の人気ベーカリー〈アンデルセン〉 でも、「焼きあがりました」の声と同時においしそうな 香りが漂い、たくさんの人が集まります。実はここのパンはすべて、新宿店の地下2階にある厨房で焼きあげているのです。

「1時間に3回は、厨房からお店へパンを送り出していますよ」と教えてくれたのは パン職人の小池崇弘さん。「焼きたてのパンならでは のおいしさとともに、その時の香りや食感も楽しんでいただきたい。だからできる限りお客さまに焼きたての状態でお届けしたいんです」。


お店には 常時約100種ものパンが並びますが、なかでも トーストしたときのおいしさにこだわってつくりあげたのが「青山アンデルセントースト」。小麦粉の旨みを引き出すため、あえて砂糖を使わずに仕上げたパンで、トーストすると外はサクサク、中は驚くほどもちもちになります。

「独特の食感の秘密は長時間発酵。このパンは一次発酵に約3時間かけています。 パンの内相にある気泡は、長時間発酵の証なんですよ」。ただしパンが焼きあがる約5時間前には 生地を仕込まなければいけないので、早い人は 毎日朝4時半(!)の出勤だとか。「早起きも大変ですが(笑)、生地の管理がいちばん難しい。たとえば暖かい日と寒い日では仕込み水の温度を変えないと、捏ねあげの温度も変わってくるんです。 1℃の差で全然違う生地になってしまうので、状態を見極める力が問われますね」。

想像以上にデリケートなパンづくりの仕事。「パン酵母を入れて発酵させる。パンは完全に生きものです」。捏ねて、寝かせて、ふくらむのを待ち、じっくり焼いてようやく一人前のパンになる。厨房では、焼きたてのパンが皮を割って水蒸気を放つ音が パチパチと響いています。この音、職人の間では 「パンが歌う」といわれ、「幸せの音」とも呼ばれているそうです。


青山アンデルセントーストを焼いたその日に、クロックムッシュも製造。ハムとチーズ、ホワイトソースの三重奏!

〈アンデルセン〉
クロックムッシュ(1個)303円
■デリ エ ブーランジュリー


厚めに切ってしっかり焼けば、外はカリカリ、中はもちもちに。シンプルなので、バターや蜂蜜も引き立ちます。

〈アンデルセン〉
青山アンデルセントースト(1本)454円( 1/2本)227円
■デリ エ ブーランジュリー

店内厨房で焼きあげます

NEXT>まだある!焼きたて自慢のお店たち