循環型ファッションを文化的なレベルへ


──RAGTAGは、買取・販売だけでなく、さまざまなアプローチでその魅力を伝えていますよね。

平野 買取にお持ち込みいただく服には、状態などの理由から当社で販売できないものも多くあります。この生地を利用して、デザイナーの方々に服や家具を作ってもらう取り組みをしています。古いものに新しい価値を吹き込むという考えですね。また、偽物撲滅プロジェクトとして『憎むべきニセモノ展』というものをやっています。本物と偽物のアイテムを並べて、本物のよさを知ってもらい偽物に手を出さない世の中にする。そしていいものだけを循環させていこうという狙いです。ファッションの楽しみを享受する人をひとりでも多く、というところにすべてが繋がっています。


──今回のポップアップはどのような内容になりそうでしょうか。

石田 今回は東京で生まれたクリエーターブランドを中心に展開します。若いお客さまには今の東京の旬なファッションを気軽に取り入れていただくことで、ファッションを好きになってもらえたらないいなと思います。感度の高いお客さまにも、イセタンメンズで扱う最新のファッションと、シーズンを超えたコーディネイトを楽しんでいただけるアイテムも多数揃えていただきました。いつもより幅の広い着こなしを楽しんでいただけるのではないかと思います。

平野 具体的には、1階が販売スペースです。当社の在庫から三越伊勢丹バイヤーが直接目をつけたアイテムが並びます。そして2階が買取スペース。
洋服を売るというのはまだまだ抵抗のある方も多いと思います。当社はブランドの価値がわかるバイヤーが1点ずつ査定をし、面前でしっかり説明して安心して手放していただくことを何よりも大事にしています。売ることが当たり前になっていき、価値のある洋服がまた欲しい人の手に渡っていく。そんな循環型のファッションサイクルが提示できればいいですよね。


石田 メンズ館としては、接客がその一翼を担っています。ブランドの背景や生地や縫製についてなど、掘り下げた接客でものの価値をより深く知っていただく。ひとつの服の裏にあるストーリーまで伝えることで、愛着が生まれる。そうすると、その服をもっと大事にしていただけると思います。”いいものを長く”というところに繋がればベストです。

平野 循環型のファッションサイクルが文化的なレベル、当たり前の世の中になっていく最初の一歩になれば、こちらとしてもうれしいですね。

テーマである”UNDEADSTOCK COLLECTION”という言葉には、もうひとつのサイクルへの想いが込められている。それはトレンドや消費に捕われない強さや物語を持った服たちが、ファッションを愛する人から人へと巡り続けるサイクル(=輪)である。ファッションを楽しむ人の輪は、世代を超えてどんどん広がっていく。このポップアップはファッションを愛するすべての人に開かれている。

<ISETAN MEN'S×RAGTAG>「UNDEADSTOCK COLLECTION」
□5月17日(水)~30日(日)*最終日6時終了
□イセタンウェスト2 1・2階

【お買取りの注意事項】
*基準により承れないブランド・アイテムがございます。
*現住所が確認出来る身分証をお持ちください。(運転免許証、保管証、パスポートなど)
*18歳未満の方は保護者同意書が必要となります。
詳しくは係員におたずねください。


お問い合わせ
メンズ館2階=インターナショナル クリエーターズ
03-3352-1111(大代表)