今年の「ウォッチコレクターズ ウイーク」のテーマである、わたしにとっての“いい時計”に焦点をあててご紹介する本企画。最終回となる7回目は「ひそかにおすすめしたいブランド」の時計たちをご紹介する。

これまで6回にわたってご紹介してきたブランドは、名前を知る方も多いブランドであったが、今回は“知る人ぞ知る”3ブランドを厳選。ぜひこの機会にご注目いただきたい。

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〈フレデリック・コンスタント〉初のクロノメーター認定時計

まずご紹介するのは〈FREDERIQUE CONSTANT/フレデリック・コンスタント〉。1988年に創業し、スイスのジュネーブを本拠地としており、“Accessible Luxury/手の届くラグジュアリー”をブランドコンセプトとして時計作りをしている。そんな同ブランドから、初のクロノメーター認定時計が登場した。

1999年に「ハイライフコレクション」が発表されてから20年あまり。ケースに組み込まれた一体型ストラップが特徴のデザインが2020年にアップデートされ、COSC認定の高精度を実現し装いを新たにして登場した。時計のケースは、従来のタイプよりもエッジを利かしたフォルムへと変更。ケースサイドはポリッシュ仕上げが施されており、正面のサテン仕上げとのギャップを楽しむことができる。

また、トランスパレントケースバックとなっているため、ケース裏から内部の機械の動きや構造を覗くこともでき、部屋で外したあとにその美しい動きを眺めるのもおすすめだ。インターチェンジャブル仕様のラバーベルトが付属しているので、シーンにあわせての付け替えも気軽にできるため、まさに“Accessible Luxury/手の届くラグジュアリー”を表現した時計といえよう。

マニアな機能搭載！〈ジン〉のファイナンシャルウォッチ

次にご紹介したいのが〈SINN/ジン〉だ。ドイツ語での正式名称は〈SinnSpezialuhren〉なのだが、これは“ジン特殊時計会社”という意味。その名の通り、最早工業製品といっていいレベルの、オーバースペックな時計を製作していることで知られている。

プロユースなパイロットウォッチやダイバーズウォッチ、果ては財政や金融に携わる人に向けたファイナンシャルウォッチなど「そんなところまで？」と思うような、マニアではあるが実際に役立つ機能を搭載しているのが特徴だ。

「フランクフルト・ファイナンシャル・ウォッチ6060」は、フランクフルト経済振興協会から“フランクフルトを代表する時計を”という要請を受けて開発された「6000」コレクションの中の一つ。財政や財務などの金融に関係している人のための計測機器として、ファイナンシャルウォッチと称されている。
3タイムゾーン表示があるのだが、こちらは12時間表示が2つと24時間表示が1つで構成されており、他国に滞在中でも自国の時間も確認することが出来る。もちろん、金融関係の仕事以外に従事していても便利な機能だ。

また、ケース裏から機械内部の動きも確認可能。ローターには、「6060」コレクションの特徴の一つである熊（ベア）と雄牛（ブル）の可愛らしく、格好良い刻印も楽しめる。こちらは、証券市場で使われるベア（弱気市場）とブル（強気市場）を表している。専用BOXには革ベルト、取り外し工具も付属されているので、気分にあわせてベルトの付け替えが可能だ。

パイロットウォッチのパイオニア、〈オリス〉の「ビッグクラウン」

最後に紹介する〈ORIS/オリス〉は、スイス北西部・ヘルシュタインを拠点とする時計ブランドで、近隣を流れる小川の名前から〈オリス〉と名付けられたブランドだ。1938年に、パイロットがグローブを着用したままでも操作しやすいリュウズを備えた「ビッグクラウン」を販売し、米軍のパイロットから絶大な支持を集めたことで知られている。この「ビッグクラウン」は今日に至るまで、〈オリス〉を代表するコレクションとなっている。

「ビッグクラウンブロンズポインターデイト」はブロンズ素材を使用しており、経年変化を楽しめるモデルだ。経年変化といえば、10円玉の色の変化を思い起こすと想像しやすいかもしれない。
 

文字盤もベルトもブラウンとブロンズケースに合わせ、総合的に調和が取れた都会的な雰囲気を持ち合わせているので、ファッションにこだわりのある方には特におすすめ。カレンダー表示は外周に施されており、従来の小窓表示よりも見やすく文字盤全体のバランスも取れている。アラビア数字が、どこかアンティークウォッチのような印象も感じさせる。

もの作りにこだわりを持ち、独自路線を突き進みながらオリジナリティ溢れる時計を生み出す、知る人ぞ知るブランドの時計を“いい時計”と考えるのなら、ぜひこの3ブランドを手にとってもらいたい。

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