2020.09.18 update

【特集】5階アシスタントマネージャー羽鳥幸彦に聞く、「マイテーラードクロージングスタイル」2020秋冬


伊勢丹メンズのスタイリスト自身は、どんなブランドやアイテムを、どういう気持ちやシーン設定で、どう着こなしているのか。タメになる情報やおすすめを友人に聞くように、伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージングのスタイリストに、それぞれの個性を活かした独自のファッションスタイルを深掘りしていく新シリーズの第二弾。

 前回の松本祥音からバトンを受け取ったのは、「今年4月からメンズ館5階の店頭に戻ったので、新しいお客さまともたくさん出会いたい」と意気込む、テーラードクロージング担当歴12年目の羽鳥幸彦です。

"七三分けのオールバックにメガネ"というキャラクターに、"クラシックスタイル"が合致して、「松本の好みとは方向性が違うテーラードですが、自分が育ってきたテーラードの血がしっかり継承されている服」を着こなす。そんな羽鳥がスタイリングした秋のおすすめ3ルックとともに、本人曰く「ド真面目」なファッション観もお楽しみください。

  1. 羽鳥スタイル=ド真面目のルーツは、オーダーの研究にあった
  2. 羽鳥幸彦が着こなす、オン・オフの3つのスタイリング
    1. Styling 1. スーツスタイル/オン
    2. Styling 2. ジャケパンスタイル/オン・オフ
    3. Styling 3. カジュアルスタイル/オフ



羽鳥スタイル=ド真面目のルーツは、オーダーの研究にあった

──店頭に戻ってきて、また会えると喜んでいる羽鳥ファンが多いと聞いています。

羽鳥 オフィススタイルのカジュアル化がどんどん進んで、お客さまはリラックス、コンフォート志向が強くなった方が増えたように感じますね。さらにリモートワークの増加によって、その傾向は増すと思いますが、「羽鳥のマイテーラードクロージングスタイル」をご紹介させていただけるのであれば、やはりサルトの血統の濃い服を選ばざるを得ません(笑)。

──それはもう充分わかっています(笑)。羽鳥さんのスタイルを端的に表すと何でしょう。

羽鳥 言葉にすると「ド真面目」でしょうか。崩して着られる服も持っていますが、自分の中で"しっかり正しく着たい"、"清潔感を出したい"という思いが強いので、基本のキであるタイドアップが断然多いです。「基本は大事にしたい」という正統派ですね。


──そのド真面目なスタイルのルーツはどこにあるのでしょうか。

羽鳥 入社後まずオーダーシャツに配属され、そこで「シャツの良さをどう伝えるか」とか「お客さまに合ったシャツとはなんだろう」を考え続けて、歴史から紐解いて勉強していくうちにクラシックが染みついてきました。さらにオーダースーツ(メンズ館5階=メイド トゥ メジャー)に移り、「一つのアイテムをとことん突き詰める」ことの面白さや難しさを知りましたね。

──クラシックを突き詰めて、なにを得ましたか。

羽鳥 仕立て服を着るようになって業界の方からの自分の見られ方が変わりました。質の高いスーツをきちんと着ることで信頼が得られて、頼られるようになりました。最初は背伸びして誂えたりしましたが、そこから自分のキャラクターに合わせたオーダーをするようになりました。

──そうして“羽鳥流”が生まれたんですね。

羽鳥 自分のキャラクターを知り、それにフィットした服を着ることが一番大事な着こなしのポイントですね。僕のスタイルは全員にウケるファッションではないかもしれませんが、メンズ館5階=テーラードクロージングで接客するのに意義があるものだと思っています。


──羽鳥さんが接客で大切にしているものは?

羽鳥 僕もそうですが、新しい服を買ったときのワクワク感は他には代え難いモノがありますよね。メンズ館ではそんなワクワクする体験を皆さまに楽しんでいただきたいので、モノのうんちくだけではなく、色々なお話をして楽しいお買い物になるようにサポートをしながら、充実したライフスタイル、ファッションライフのお手伝いをしていきます。


羽鳥幸彦が着こなす、オン・オフの3つのスタイリング

「自分のクローゼットの中を見ると、トレンドが好きな人が見れば、きっとつまらないと言われるぐらい、スタンダードでオーソドックスなものばかりです」という羽鳥が、オン・オフの3つのスタイリングをご紹介。共通するテーマは「ぜひ真似をしてほしいコーディネート」。

「僕のスタイルの基本はクラシックなテイストやトラディショナルスタイルなので、皆さんの手持ちのアイテムに今年らしいものを加えて、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです」。

 

Styling 1. スーツスタイル/オン

  

〈ダルクオーレ〉 シングルストライプスーツ 396,000円(着用サイズ44)
〈ヴァナコーレ〉 オーダーシャツ 48,400円
〈セブン フォールド〉 ネクタイ 30,800円
 □伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング
(羽鳥:身長167cm・ウエスト76cm)



ずっと流行ってほしいと思っていた“ストライプスーツ”がこの秋冬に注目されてくれると嬉しいです。日本人で多くの方が着ているストライプはピッチの細いバンカーストライプが主流で、年齢層の高い方が着るイメージがありましたが、今年は思い切ってこのくらい幅の太いストライプをオススメします。白シャツに小紋のネクタイで、鉄板合わせのアズーロ エ マローネ(ネイビー×ブラウン)なので、どなたにも抵抗なく着こなせるスタイリングです。

 

Styling 2. ジャケパンスタイル/オン・オフ

 

〈サルトリア ヴェストルッチ〉ジャケット 440,000円(着用サイズ44)
〈ボリエッロ〉長袖ニットポロ 35,200円(着用サイズ37)
〈ロタ〉パンツ 64,900円(着用サイズ44)
〈セブン フォールド〉ネッカチーフ 9,900円
 □伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング
(羽鳥:身長167cm・ウエスト76cm)



今秋、ひと目惚れしたのが、この〈サルトリア ヴェストルッチ〉のツイードジャケットです。フォックスブラザーズの「フォックスツイードコレクション」にある生地で、まさに秋の色ですが、特筆すべきはフィレンツェ仕立ての独特の雰囲気。肩幅が広くてフロントダーツのない丸みを帯びたシルエットは、これまでにない優雅さを感じさせます。1枚でも様になる〈ボリエッロ〉の新作プルオーバーシャツに、手持ちのアイテムを新鮮にさせるネッカチーフを巻いて、ややカジュアルダウンしたスタイルを楽しみます。

 

Styling 3. カジュアルスタイル/オフ


 

〈アルフレッド リフュージオ〉レザーブルゾン 440,000円(着用サイズ:44)
〈フェデッリ〉カットソー (着用サイズ:44)
〈イカイ〉デニムパンツ 28600円(着用サイズ:29インチ)
〈イル ミーチョ〉 ベルト 39,600円(着用サイズ:80cm)
 □伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング
(羽鳥:身長167cm・ウエスト76cm)




メンズ館ファンならよくご存知の革専門のハンドメイドサルト〈アルフレッド リフュージオ〉のボンバージャケット、今シーズンもどこから見ても完璧な作りです。僕はスーツスタイルのときに比べて、カジュアルスタイルになると子どもっぽく見られることもあるので、こういう鹿革のブラックレザーで静かに主張するスタイルが好きです。
 

Instagram►伊勢丹新宿店/MEN’S TAILORED CLOTHING
 
Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:ISETAN MEN’S net

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