2020.09.09 update

Vol.21 MACCIU | いつか自分も作品のような丸っこい人間になりたい(1/2)


 伊勢丹新宿店メンズ館2階=メンズクリエーターズ内「ART UP(アートアップ)」において、グラフィックデザイナーであるMACCIU(マチュー)さんを迎え、個展「CHOICE」を9月2日(水)より開催。国内外を問わず、メーカーや公共施設、書籍、テレビ番組、音楽業界など活動の幅は多岐に渡り活動。最近ではナイキとのコラボレーションが記憶に新しい。今回はそんなMACCIUさんのグラフィックデザイナーになるまでの経緯や展示に対する思い、さらには今後のヴィジョンなどについても語っていただきました。


イベント情報
MACCIU 個展「CHOICE」
          9月2日(水)~29日(火)

        メンズ館2階=メンズクリエーターズ/アートアップ
9月25日(金)の営業のお知らせ

好きという気持ちと様々な出会いを通じ、グラフィックデザイナーに


――MACCIUさんは大学在学中に制作活動を開始。当時、趣味で作っていたデザインが評価され、気づいたら仕事になっていたという。
 
 

  
「ちょうどソーシャルメディアが流行り始めた時期だったんです。『mixi(ミクシー)』や『Myspace(マイスペース)』を使っていたのですが、その中で『マイスペース』がhtmlタグを書き換えたり、画像サイズの制限がなかったり、ページを改造できる自由度の高いもので、それがとても面白くてよく作ったモノを発表していたんです。『マイスペース』は音楽・エンターテインメントを中心としたソーシャル・ネットワーキング・サービスだったこともあり、ミュージシャンやDJなど音楽系の人々の目に作品が触れる機会が多く、そうした国内外のアーティストの方々からジャケットやグッズデザインのオファーが来るようになった流れで、自然と制作活動をはじめました。当時は『Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)』(画像編集ソフト)の存在をやっと知り始めたくらいの頃だったので、最初はマイクロソフトのワードなどを駆使して、見様見真似でデザインみたいなモノをつくっていました。大学では歴史学を専攻していたので、当時は今の仕事に就くことは全く考えてなかったと思います。」
 
――パソコンをいじる事は昔から好きだった。
 
 

 「両親にWindowsを買ってもらってからずっとネットで遊んでいて、昔からなんでもネットから情報を得ていました。すごく楽しくて、あらゆるウェブサイトを見ていました。雑誌を読む代わりに、ネットを見ていたんだと思います。雑誌は人が収集した文字情報なので、なんとなく攻略本みたいな感覚があり、誰かが編集して提供された情報ではなく、好きなものを自分から発見するのが好きでした。ちょうど『マイスペース』の流行と同時期くらいは、クラブカルチャーがエレクトロ・ミュージックの全盛期で、パーティ・フォトが流行っていました。DJの利用者の多いマイスペース内でもクラブの来場者や出演者を撮影した写真を目にする機会が増えていました。そこに映し出される生々しさや熱狂する人々の姿に圧倒され、私も外に出てクラブで写真を撮るようになりました。家にいてもソーシャルメディアを通じて、クラブカルチャーの情報をよく取り入れていたので、とても自然な流れでした。パーティフォトを撮るのと同時に、フライヤーのデザインなどもするようになり、こうして私のキャリアはクラブカルチャーから本格的にスタートしました」

――やりたいと思ったら即行動。カメラの扱いも初心者だったが、そこも「やりたい」という気持ちが勝ったという。
 
 「『マイスペース』がきっかけで、当時の世界各国で活躍するパーティフォトグラファーたちのことを知ったんですが、彼らの撮る写真の被写体との距離感や空気感がすごく好きで、そこからその世界に魅了されていきました。写真家でとくに影響を受けたのが、チェキフォトグラファーの米原康正さんでした。米原さんはモデルとの間に独特の距離感を作りだす写真家で、パーティフォトもよく撮られていたので、撮り方をマネて自分でもパーティに来る人たちと積極的にコミュニケーションを取りながら撮るようになりました。あと米原さん自身、もともと編集者として活動をスタートされ、現場の実践から写真活動をスタートした方なので、そういった経緯もすごく面白いなって」
  
――実践することで、現場の空気を肌で直接感じられるのが好きだったという。回数を重ねるごとに作品にもその影響があらわれた。

「人に反応してもらえるっていうのが嬉しかったですね。実際にクラブに行っても自分がデザインしたフライヤーを配ったりすると、とてもたくさんの反応が返ってくるんです。そのダイレクトな反応が楽しかったです。人とのコミュニケーションによってデザインが良くなっていったので、そういう意味では実践することで作品に変化を与えてあったのかも。これからも自分が色んな経験をすることで、どんどん変わっていくのかもしれないですね」