遠目には無地。これぞ紳士の真髄




下山弦也
メンズ館5階=メンズテーラードクロージング
アシスタントバイヤー

柄浮きさせずにペイズリータイをビジネスに活用

胸元のネクタイは大柄のペイズリー。この手の色柄をネイビースーツに合わせると胸元だけ浮いてしまいがちなので、太めのチョークストライプなど柄立ちするスーツを合わせようとするのが一般的だ。しかし柄モノスーツは強面に見えるなど、オフィスでは少々着用しにくい。敬遠するだろう。結果、派手なネクタイに手が出ない、プレゼントなどでもらってもタンスの肥やしに成り下がってしまう。

ところが下山さんのネクタイはダークなスーツにうまく馴染んでいる。その理由はスーツに、地色とトーンを揃えたブラウンのチョークストライプが入っているから。ネクタイのゴールドにも見えるベージュの柄色とうまく呼応して、ネクタイだけ浮くのを抑えてくれているのだ。ともすれば無地にさえ見えるトーン・オン・トーンのストライプスーツだが、こんな「遠目無地」こそ粋の真髄。柄タイにトライしてみたい人には良策となるはずだ。


スーツ:<デ ペトリロ >172,000円+税
シャツ:<ヴァナコーレ>30,000円+税
ネクタイ:<フランチェスコ・マリーノ>17,000円+税

もうひとつポイントになるのは「デ ペトリロ」というブランド選びだ。ナポリのファクトリーとして人気のこのブランド。手仕事を多用するサルトの技術を機械に置き換えることで「ナポリ仕立て」の味わいをリーズナブルな価格で実現していることで支持されている。軽い着心地、ナチュラルなフィット感、無理のないシェイプは英国調の鎧スーツとは一線を画すもの。だからこそわざとネクタイの小剣をずらすような、無造作を装ったスタイリングが板についたように様になる。




■「V-STYLE」──1分で学べる紳士の遊び Vol.8