フランネルとタブカラーの秋冬感がオフィスでうける

藤田直人
アシスタントバイヤー
起毛感のあるフランネルは、見た目にはもちろん、空気を含んで温かく、秋冬の季節に最適な素材だ。無地ならノーブルな雰囲気が漂うが、ケンピ(白糸)が交じるミディアムグレーに幅広ピッチのストライプ入りフランネルというセレクトはトレンド感に溢れるもの。ワイドラペルに高めのボタン位置、フラップなしのチェンジポケット。写真ではわからないが、じつはベルトレスのサイドアジャスター仕様で、ジャケットを脱いでも存在感がたっぷりな点など、随所に見どころのあるルカ グラッシア。藤田さんの個性を演出するのに十分な一着といえるだろう。

スーツ:<ルカ グラッシア>320,000円+税
シャツ:<ボリエッロ>36,000円+税
ネクタイ:<セブンフォールド>28,000円+税
しかもシャツはタブカラーで、衿元にも表情を作っている。スーツもシャツも技ありゆえにネクタイを抑えめにしてバランスをとっているのも計算されている証拠だ。これまでビジネススタイルではセミワイド、ワイドに次ぐシャツの衿型として、ボタンダウンが人気だったが、広く行き渡ったからだろうかタブカラーの人気がじわじわと高まっているらしい。もともとフォーマルが出自の衿型だけに、エレガントな風情のまま、変化球を添えられる点が新鮮だ。
今年の秋、こんなタブカラーシャツ&フランネルスーツの組み合わせは、トレンドを押さえながらも控えめにおしゃれを理解している様子が伝わる。オフィスでも好印象なスタイルとなるはずだ。
■「V-STYLE」──1分で学べる紳士の遊び Vol.8

