スーツで統一したボディにしたことで、クセがより強調される


――では、それぞれほかの人のソフビを見ての感想を。

安田 吉水さんの絵は独特ですが、個性がちゃんと出ていて、スーツにぴったり収まるのが面白い。ジェノメンズに奇譚クラブさんが加わったことで、“ヌケ感”が出てきていい感じにまとまったと思います。

吉水 皆さんの本業のバックグラウンドがしっかりしているので、それぞれにカラーが出ていますね。僕がどうやってもほかの人の作品にはなり得ないので面白いです。

里見 自分はほかの人の作品を意識しているヒマはありませんでしたが、いいのができたなと思います。一番初めに作った「アイツ」はもう5年前ぐらいになりますが、その次からは好きな発想のものを作っています。

古屋 並べる前は、自分で描いてカタチにしていくのは不安でしかなかったんですけど、やってよかったなというのが素直な感想です。みんなクセがありますが、スーツは良かったですね。


ただのおもちゃからアート的な目線のきっかけにしたい


――今、世界的にソフビマーケットが盛り上がっているそうですね。

吉水 このメンバーの中では里見さんのPUNK DRUNKERSのソフビが世界で一番注目されているブランドの一つですね。個体数が少ないというのもありますが、アジアや欧米など世界中にコレクターが増えてきているようです。

里見 ソフビのマーケットは、ネットやSNSによって年々大きくなっているのを感じます。この4人で10月に台湾のトイショーに出展する話があって、今後もほかではできない動きをしていったほうがいいかなと思っています。

安田 おもちゃをリリースするのに伊勢丹メンズ館というのはあり得ない話ですが、参加できてよかったです。大人に向けて作っているおもちゃなので、面白い方向に刺さればいいなと思っていますが、若い子にも目を向けてほしいですね。

古屋 本当に最初から良い場所でお披露目させていただいてありがたいなと思います。

吉水 今回は20個限定で希少性の高いものになりますが、本当にそれぞれが想像を絶するぐらいの手作業から生まれているので、ぜひ展示を見てほしいです。ただのおもちゃからアート的な目線のきっかけになればと期待しています。

里見 これまでいろんなおもちゃのイベントに参加していますが、伊勢丹という意外性からどんな反応が起きるのか楽しみにしています。


左:古屋大貴(奇譚クラブ)
1975年、埼玉県生まれ。カプセルトイメーカー「奇譚クラブ」主宰。株式会社ユージンでカプセルトイ制作を学び、2006年に奇譚クラブを立ち上げる。累計1000万個以上を売り上げたヒット商品『コップのフチ子』のほか、『江頭2:50ストラップ』などヒット商品多数。著書に『コップのフチ子のつくり方』(PARCO出版)http://kitan.jp/

中央左:里見親美(PUNK DRUNKERS)
世の中にない視点で「面白いデザイン」を追及し、消耗品であるTシャツをコミュニケーションの手段として活用できるものにと、1998年8月発足。「UNCOOL is COOL(ダサイはカッコイー)」をテーマに、ダサいとカッコイーの間にある絶妙なデザインを生み出す。自分たちの世界観を尊重し、どこにも属さないオリジナリティ溢れるアイテムを展開。http://www.punk-d.com/

中央右:吉水 卓(SwimmyDesignLab)
1980年、神奈川県出身。米国フィラデルフィアにて総合芸術を学ぶ。帰国後にデザイン会社「株式会社スイミーデザインラボ」を設立。SwimmyDesignLabは、メディアを問わず『デザイン』と『アート』の境界線を超えた、斬新な創作活動を行うクリエイティブ集団。http://www.swimmydesignlab.com/

右:安田申吾(MILK BOY TOYS)
1974年の設立以来、原宿ファッションを引率してきたブランド「MILKBOY」。現在も、デザイナー大川ヒトミの意向である「その時代の若者=アイコン」をイメージソースにした服をデザインし続けている。http://www.milkboy.net/

Photo:TAKU FUJII

*価格はすべて、税込みです。

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