【連載】裏原宿と男の新館を経験。深みのある接客でお買い物をお手伝い。メンズアテンダント 野崎かえで |イセタンメンズ スタッフプロフ
今回は90年代のファッションカルチャーにも詳しいメンズアテンダント、野崎かえでをご紹介します。学生時代に“裏原宿”全盛期を経験しながら、メンズ館の前身「男の新館」時代を知る熟練スタイリスト。ストリートやデザイナーズモード、そしてクラシックまで、メンズのトレンドやスタイルの変遷を実体験として語れる貴重な存在です。
*男の新館:1968年オープンの「メンズ館」の前身となる伊勢丹新宿店 新館。当時「男のデパート」は日本はもちろん、アジアでも初の試みで評判となった。
*裏原宿、裏原:東京・原宿の路地裏から発信された独自のカルチャーの通称。明確な定義は不明。
伊勢丹新宿店メンズ館 メンズアテンダント
Instagram:@isetanmens_attendant
裏原カルチャーを知るスタイリストとして
短大が渋谷だったので、学校帰りは原宿へよく足を運んでいました。友人たちも裏原系の子は多かったです。伊勢丹にもよく来ていました。運よく入社できて、最初に配属されたのが「男の新館」。メンズ館には何名か「男の新館」を知るスタイリストが居りますが、メンズアテンダントでは私だけですね。
配属されたお買い場は1階で<カルバン・クライン>や<サンローラン ジーンズ>など、今から思うと当時としては、かなり尖ったフロアだったと思います。その後、メンズ館にリニューアルして、2階のメンズクリエイターズで<ラフ・シモンズ>や<ディースクエアード>といったインポートブランドを担当していました。
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学生時代の私は『CanCam(キャンキャン)』より『Olive(オリーブ)』派で、メンズライクなスタイルが好みでした。裏原カルチャーそのものが、ジェンダーの境界が曖昧なファッションシーンでしたし、音楽やアート、スケートボードや古着など、ブランドの背景にある空気感が魅力だったと思うんです。
“裏原”という強烈なカルチャーを知っているからこそ、いまも目の前のお客さまの個性に服をどう落とし込むかを第一に考えます。そこに⾻格スタイル分析Ⓡとパーソナルカラー診断で、説得力と納得感ある提案をしたい。80’sや90’sに興味ある若い方から、当時を知る大人の方まで、幅広い年齢層のお客さまにアテンドできるのは、そういう自分のファッション体験の積み重ねがあるからかもしれません。
一身上の都合で退職をしていたのですが、当時の上司が声をかけてくれて復職することに。またメンズ館のフロアに立てることは素直にうれしかったですね。配属はテーラードやクラシコが中心のフロア。それまでストリートやカジュアルを軸にしてきた私にとって、スーツの世界はとても新鮮で、メンズ誌を読み込み、スーツを実際にオーダーして、縫製やディテールを一つずつ覚え、生地や仕立てを体感的に理解していきました。学べば学ぶほど、クラシックの世界は奥深いです。
ストリートとドレス、その間にある価値
「T-Back」とは、バックセンターの切り替え縫製のことを指す通称で、当時大きいサイズを作るにはデニムの生地幅が狭かったためにとられた型紙仕様です。シンチバックを取り付けたり、襟のステッチが蛇行していたり、ボックスステッチが左右非対称だったりと、ビンテージならではの仕様を再現しているのもデザイナーのこだわりが表れています。
しかも肩線が落ちる今風のシルエットバランス。ただの復刻ではなく、ビンテージの空気感を現代の形に落とし込んだデニムジャケットは、90年代のファッション・カルチャーに通じませんか。昔の気分と今の雰囲気がうまくつながっている一着だと思います。
「一緒に選ぶ」ことを大切にしたアテンド
接客の中でお客さまに教えていただくことや気づきも多く、日々勉強させていただいています。一緒にお買い場を回って、一緒に選ぶ。その距離感が心地いいと感じてくださるお客さまも多いんです。会話のなかでブランドやアイテムの背景やストーリーを共有して、「なるほど」と納得してからお買いあげいただける。お客さま自身が、そのプロセスを楽しんでいらっしゃるように思います。
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最近は20代のお客さまからのご相談も多く、「何を着ればいいか分からない」というファッションの入口の悩みに向き合うこともあります。そういう方には、無理に背伸びせず、今の感覚を共有しながら、お客さまらしいスタイルを一緒に考えていけるように心がけています。
百貨店とセレクトショップの境界は曖昧になってきている気がします。信頼される販売員がいて、その人と一緒に選びたいと思っていただけるかどうか。メンズアテンダントって、まさにその役割を担う存在だと思うんです。私の経験を活かしながら、お客さまとメンズ館をつなげるアテンドを日々心がけていきたいです。
裏原宿をはじめ、男の新館からメンズ館への変遷を経験した野崎は、知識や話題も豊富なスタイリストで、流行やトレンドに左右されず自身に似合う服を探しているお客さまのアテンドを得意としています。「自分らしいスタイルってなんだろう?」とお悩みの方こそ、ぜひ野崎にお声がけください。
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伊勢丹新宿店 メンズ館ではコンサルティングサービス、アテンドサービスなど、ご要望に合わせてお客さまのお買物をお手伝いするサービスも充実しています。シーンに合わせたスマートカジュアル、大舞台でのドレスアップした装いなど、お気軽にご相談いただけます。
Photograph:Shinpei Suzuki
Text:Yasuyuki Ikeda
Edit:Studio Alta
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