【特集】世界に誇るジャパンクリエーションの「モノ語り」＜カンタータ＞・＜トーナイ＞｜THE GENTLEMEN CLOTHING＆ACCESSORY AUTUMN ＆ WINTER 2025
今、注目したいのは、気鋭の日本人デザイナーが手がけるブランド＜カンタータ＞・＜トーナイ＞。糸1本にまでこだわった作り込みと、時代を捉えた絶妙なアップデート。その完成度は、目の肥えたテーラード好きにこそ魅力的に映るはずだ。
＜cantate/カンタータ＞
＜カンタータ＞
ジャケット 70,400円
パンツ 47,300円
□伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
ジャケットは第二次世界大戦期のヴィンテージから着想を得た一着。“Tバック”と呼ばれる独特な背中の切り替えや、内側に施されたカフスなど、ツウが唸る当時のヴィンテージウェアのディテールが取り入れられていることが特徴だ。ジーンズは1955年モデルをモチーフにとり、ウエスト40インチのワタリとヒップ周りを再現。直線的なワイドシルエットが魅力。
Brand Story
＜cantate/カンタータ＞は国内生産にこだわったものづくりを行う、デザイナーの松島紳氏が率いるブランド。ヴィンテージに精通したもの作りにこだわり、中には糸づくりから松島氏が自ら設計するアイテムも。国内各地の職人と旧式機を駆使し、上質な素材で希少な技法を継承している。名の由来はクラシック音楽“カンタータ”で、日常に特別感をもたらすよう、細部にまで美意識を貫く服づくりを目指している。
デザイナー 松島紳氏
学生時代からパタンナーとして経験を重ね、2015年、25歳で＜カンタータ＞を設立。ヴィンテージへの造詣は業界でも高い評価を受けている。生地や糸などの素材から設計する緻密なものづくりが特長。
「ジャケットのTバック仕様は、ヴィンテージのなかでも大きなサイズでのみ採用された特別なディテール。加えて蛇行した襟ステッチや左右非対称のボックスステッチなど、“偶然の美”と称したい古着のイレギュラーも再現しています。ジーンズは“ダックテイル”とよばれるヒップのたわみ具合にこだわりました。こちらもヴィンテージテイストの醍醐味を堪能いただける一本です」（松島氏）
＜TOHNAI/トーナイ＞
＜トーナイ＞
コート 165,000円
＊10月上旬販売予定
□伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
毛織物の名産地・尾州産のウールナイロン生地を用い、縫製したあとに縮絨（縮ませること）加工を施すことで、美しい“歪み”を表現したコート。’80〜’90年代のジャパニーズモードを想起させるミニマルでいてアバンギャルドな佇まいが、新鮮。
Brand Story
デザイナー藤内裕司氏が手がける＜TOHNAI/トーナイ＞は、国内の熟練工房と組み、企画・裁断・縫製・仕上げまでを少量一貫生産を行う。素材は繊維構造や糸番手から設計。「美しいものを美しいままに留めない。歪みや崩れを通して、別の価値を浮かび上がらせる。」＜トーナイ＞は、その不完全さの中に宿るリアリティを追求している。
デザイナー 藤内裕司氏
国内外の著名ブランドで企画・開発を歴任後、2022年秋、こだわりのコート1型から＜トーナイ＞を始動。伝統や規範をただ守るのではなく、意図的に壊し、新しい秩序を生み出す。長年の経験と独自のネットワークを背景に、常に実験的なアプローチでデザインを更新している。
「生地の段階ではなく、縫製を行なってから縮絨加工を行うことで“美しい歪み”を生み出しています。実は部分的に太い糸のハンドステッチを施しているのもポイント。縮絨させると糸が生地よりも大きく縮み、歪みの表情が豊かになるのです。たっぷりとした分量のロングコートですが、着心地は見た目よりもかなり軽やか。日常に寄り添う実用性も備えた一着に仕上がったと思います」（藤内氏）
＜トーナイ＞コート 154,000円
＊10月上旬販売予定
＜カンタータ＞フリースブルゾン 60,500円
＜サンスペル＞カットソー 22,440円
＜ロータ＞パンツ 88,000円
□伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
さまざまなモノ語りが詰まった一着を、固定観念にとらわれず自由にミックスする。そんな東京的感性でつくるミックススタイルにも日本のデザイナーが手がける一着はとてもよく馴染む。素材の魅力を探求する藤内裕司氏が手がけた＜トーナイ＞のコートはヘリンボーン柄のソフトツイード生地を採用。フリースは繊細で滑らかな独自素材によるものだ。両者の美しい風合いが、レイヤードによっていっそう魅力的に輝く。
- 開催期間：
- 開催場所：伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
『THE GENTLEMEN CLOTHING & ACCESSORY AUTUMN ＆ WINTER 2025』発刊！
この秋、メンズ館には“STORY”のある品々を揃えています。
CLASSIC＝一流・洗練された正統アイテムの最新進化のモノ語り。
VINTAGE＝時代を超えても価値のあるものを目指したモノ語り。
ESSENTIAL＝現代のニーズ、流行に欠かせないモノ語り。
これらのキーワードは、多様化、ボーダレス化が進む今、
選びの基準の大事なヒントになると考えます。
生まれた国や背景は違えども、それらの“ほんモノ”は、
固定観念を超え、“MIX STYLING＝編集”することで、
さらに楽しさを実感できるはず。
そして、身に着ける人の個性で更に品々は活き、
貴方の日常を彩る“STORY”づくりのお力になれたら嬉しいです。
尚、一部コンテンツは本サイトでも公開！ぜひデジタルカタログとともにお楽しみください。
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