メンズ館5階=メンズテーラードクロージング/インターナショナル セレクションの2020年春夏シーズンのテーマは、2019年秋冬シーズンに引き続き“リミックス・スタイル”。クラシックブランドが持つディテールとストーリーを軸にしながら、タイムリーに着たい素材や機能に着目し、リラックス感と着心地にこだわったスタイルを提案する。

 

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クラシック映えして、シワまで楽しめる“リネン”に注目


 


<カル―ゾ>スーツ 143,000円


稲葉智大バイヤーが、「春夏シーズンもドレススタイルを楽に、自由に楽しんでほしい」と力を込めたのは、リネン素材のセットアップと、そのインナーにカットソーを合わせた軽快なスタイリングだ。セットアップは形や素材感、カラーのバリエーションを豊富に揃え、インナーアイテムはリラックス感のあるニットや天竺、パイル地など様々な素材をラインナップ。自分らしく“ミックス”して楽しんでいただけるスタイルをしっかり提案する。

注目は、<CARUSO/カルーゾ>の傑作モデルといわれるジャケット「バタフライ」。ウエストを絞らないボックスタイプなので、ボタンを掛けずにリラックスして着こなせる4Bダブルブレストとなっている。そんなクラシックな仕様のジャケットから、スポーティーな3パッチジャケットまで、リネンのセットアップはよりどりみどり。

リネンの素材も、アイリッシュリネンの代名詞である「スペンスブライソン」の硬めのシャリッとした素材感のものから、ふっくらとした柔らかいリネンまで選ぶことができる。

<セッテフィーリ カシミヤ>Tシャツ 31,900円
<パッサージョ クラバッテ>ネッカチーフ 15,400円


このジャケットに合わせるのはTシャツ感覚で着られる<Settefili Cashmere/セッテフィーリ・カシミヤ>のシルクリネンコットンのニットで、首元のリブを大きくとっているので、上品に見えて、着心地はとてもカジュアル。バイヤーいち推しのスタイルだ。

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ナポリ発、2つの新たなサルトリアをローンチ



2020年春夏シーズンにイセタンメンズ初お披露目のブランドは、現存するナポリ最古のパンツブランド<VOGLIO/ヴォーリオ>と、アットリーニで修行した40代半ばのオーナーが仕切る新進サルト<SARTORIA CARACCIOLO/サルトリア カラッチョロ>。

<ヴォーリオ>パンツ 各121,000円


<ヴォーリオ>はナポリを代表するパンツ職人の一族であるモーラ家の歴史を凌駕するかもしれない現4代目が指揮を執るパンツブランドで、後ろまで入った長めのサイド尾錠がアイコン。イセタンメンズが型紙からオーダーした別注パンツは、日本初登場でイセタンメンズだけの取り扱いとなる。


<サルトリア カラッチョロ>ジャケット 各209,000円


ナポリのサルトリア<サルトリア カラッチョロ>もイセタンメンズのエクスクルーシブで、特徴は洗練されたクリーンなスタイル。袖付けやノボリはナポリ仕様だが、こちらも型紙から日本人の体型に合わせた別注で、ジャケットは19万円から揃う。

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ドレススタイルの着こなしの幅を広げるパンツの台頭



<フォルテラ>パンツ 36,300円


リネンのセットアップからボトムスをカーゴパンツに替えて、ワーク“ミックス”のスタイリングを楽しむ春――その一番手が<FORTELA/フォルテラ>で、当主が持っていた古着をリプロダクト。シルエットはやや太めのラギッドな雰囲気で、強撚コットンを使ったパンツを全3色展開する。

左:<アトリエ テュフリー>デニムパンツ 37,400円
右:<エーヴイエヌ>デニムパンツ 30,800円


もう一つのボトムスのトピックは、フレンチデニムの発掘。<ATELIER TUFFERY/アトリエ テュフリー>は、仏・ニーム地方で100年以上続くデニムファクトリーで、股上はやや深めでストレートカット。イタリアブランドのデニムとは、一味違う仕上がりに。

また洗練されたスリムなシルエットで、締まった黒が印象的なジーンズは<AVN/エーヴイエヌ>で、名だたるブランドのデニムを縫っていたノルマンディの工場が閉鎖した後、フランス人の若手デザイナーが買い取って復活。クリーンなスタイリングに映える一本がお目見えする。




■ 伊勢丹メンズ館バイヤーが2020年春夏のドレスクロージングの新潮流を解説
▼ 1. 【山浦バイヤーが解説】ソラーロや強撚糸などの素材にフォーカス
▼ 2. 【稲葉バイヤーが解説】リラックス感と着心地にこだわった“リミックス・スタイル”