2019.08.07 update

「着られる服がない」をバイヤーが解決! Vol.6──体の大きいアメフト選手もお洒落に着こなせる!

体型でお困りの方でも、ここにくれば必ず着たいと思える服に出会える場所が伊勢丹メンズ館。XL以上のサイズも取り揃えるメンズ館7階=メンズオーセンティックをはじめ、大きいサイズを揃えるブランドも多彩に展開されている。体型のせいで「着られる服がない」とお嘆きのアスリートに、担当バイヤーが最新のファッションアイテムをコーディネートする本企画。

今回は、学生時代に選手として活躍した経験をもつ担当バイヤーの植松義雄が、アメリカンフットボール選手をフィーチャー。ポジションによって体型に違いがあるスポーツだが、どんな体型の方でもファッションを楽しむ権利があることを、伊勢丹メンズ館で再確認してほしいと、Xリーグのトップを邁進する富士通フロンティアーズを訪れた。

  1. アメフト日本一、富士通フロンティアーズの3選手が登場
  2. スーパーメンズ・バイヤー植松が語る「アメフトの未来像」


アメフト日本一、富士通フロンティアーズの3選手が登場

日本社会人アメリカンフットボールリーグ「Xリーグ」に所属し、社会人王者と学生王者が日本一を争う「ライスボウル」を3連覇している強豪チーム。選手は平日、それぞれのオフィスに勤務しながら、チームとしての週3回の練習日以外も、就業後にジムやフィールドにやってきてトレーニングに励んでいる。

© OSAMU IKEDA

リーグ戦を戦う以外にも、地域の小学校でアメフト教室を開いたり、プロサッカーチームの川崎フロンターレと相互に交流し、イベントを共催するなどアメフトの普及活動に務めていて地元の支援も熱い。8月24日からの開幕戦に4連覇を賭け、仕事とアメフトの両立を図っている3選手にスーパーメンズでフルコーディネートを用意した。

#1 強盛(WR)|体格のわりに腕が長く、既製品だと袖が足りないんです」


© OSAMU IKEDA


アメフトの醍醐味は試合を一気にひっくり返すWRのパスキャッチ──背番号1を背負う強盛さんのポジションはWR(ワイドレシーバー)。パスオフェンスの要でありタッチダウンを決めれば大量ゲーム差を一気にひっくり返す攻撃陣の花形だ。プレイ中は敵のハードなタックルを受ける強靭なフィジカルと共に、フィールドを縦横無尽に駆け回る素養が求められるため運動量が多く、俊敏で細身のボディは締まった印象だ。身長184cm、85kgと大柄ながらバランスも良い。普段は営業職として汐留のオフィスに勤務している。場所柄、正統派のビジネススタイルが求められるとあって、普段は百貨店や専門店のオーダースーツを愛用する。じつは既製品にはなかなか“手”が出せないというのだ。その理由は、“手”ならぬ“腕”にあった。



「WRはボールをキャッチするポジション。だからでしょうか、体格のわりに腕が長いんです。既製品だと長袖は袖が足りないことが多くて困ります。ワイシャツの袖ボタンが留まらないものもありますから、スーツとシャツはオーダーしています。クールビズの時季は、半袖シャツや腕まくりで対応できるので既製品でも助かるんですが(笑)」

肩幅に合わせると袖丈が足りず、袖丈に合わせると肩幅が余り、着丈も長い。オーバーサイズを選んで、お直しで対応するという手もあるが、何度か試してみて限界を感じたという。

「ブランドによってはちょうどいいものもあるんです。インポートブランドは、試着してみると体に合うものもあるんですが、アメフト選手は基本はサラリーマンなんでそうポンポン買えるわけもなく(笑)。国産ブランドなら、、<ブラックレーベル・クレストブリッジ>の服が合うので個人的にも愛用しています」



そう話す強さんに、<ブラックレーベル・クレストブリッジ>のセットアップスーツを用意。ウールタッチだが、プリントで織り感を演出したポリエステル100%素材。袖丈が気になるというので、パンツサイズよりワンサイズアップして組み合わせたら、ご覧の通りぴったりとフィットしたのだ。インナーはポロシャツにして、カジュアルな合わせ方に。パンツのウェストにはゴムが入っているので、ベルトレスでもフィットして快適だ。


「ポロシャツとスーツっていう組み合わせは新鮮です。こういう着方はあまりしたことがなかったから。このまま会社に、ですか? うちの部署では、TPO的にも出社するならワイシャツを合わせたほうがいいかな。でも隣の部署はドレスコードが自由なので異動したらアリですね(笑)。ジャケットとパンツを別々に購入できるセットアップなら、自分の体型に合わせた服を選ぶことができるってこと、今後はスーツを選ぶときの参考にします。

 

#35 竹内修平(LB)|首周りは、45cm。パンツも太腿がまず入らないです


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ゲームを司るのは知性と行動力に優れるLBのプレー──がっちり体型の竹内修平さんのポジションは、ディフェンスの要でもあるLB(ラインバッカー)。ディフェンスラインの後方に位置しながら、攻撃時はチーム全体を煽り立て、守備時はヒットマンとして身を挺するオールラウンダーだ。体格は重量級だが、瞬時の判断を求められることも多く、つねに試合の全容を把握しておかねばならない。司令塔としてのインテリジェンスも必要な要職である。竹内さんは高校時代、バスケットボール部に所属。大学でアメフトを初めると頭角を現し、3年時には日本代表にも選ばれている。4年時には念願の1部昇格に貢献。社会人選手になってからも、世界選手権の日本代表選手に選出されたほか、Xリーグでも数々の受賞歴を誇るスタープレイヤーだ。



「仕事とアメフトの両立が僕のテーマ。練習を人一倍やったら、仕事も人一倍やらないと。」

富士通グループ企業の横浜オフィスに勤めながら、練習時は電車に乗って川崎へ。その際もだらしない服装にならないよう心がけているのだそう。

「服装と仕事って関係あると思うんです。きちんとした身なりの人が、きちんとした仕事ができる。スポーツも同じだと思います。ユニフォームはモチロンですが、移動の際もきちんとした服装で臨むと、試合に向き合う気持ちも変わります。トレーニングに行く際も、ジャージーに短パン、サンダルでだらだら歩いて来たら成果も上がらないですし。だから、たとえスポーツウェアでもきちんとした着方をするようにしています。」


服装への意識は高く、ファッションにも興味は深い。若い頃はストリートブランドを買い漁ったこともあるが、大人になってからはオフのシーンではアウトドアブランドを愛用しているという。しかビジネススタイルでは、選べる既製服がないのが悩みの種だという。

「首周り45cmで、既製品のワイシャツを探すのは難しいです。スーツはなんとか上着が入っても、パンツは太ももがまず入らない。万が一入ったとしたら袴ですよね(笑)」


そこで今回、マッキントッシュ フィロソフィーの「トロッター」シリーズから、人気の機能性素材のセットアップスーツを用意。上質なウールタッチの素材使いは、ストレッチが利いていて伸縮性も十分。竹内さんの強靭な太ももを包み込むパンツは、屈伸運動をしても突っ張らない。スーパーメンズサイズも豊富にラインナップを揃えるブランドなのだ。



「シャツのサイズもあるんですね。見た目には普通のスーツなのに、このまま走り出せるぐらい快適です。シンプルで動きやすい服が好きなんですが、スーツにも動きやすい服があるなんて知らなかったです。スーツはいつもオーダーしていたのですが、既製品なら仕上がりを待たずに着たい服がすぐに着られますよね。伊勢丹メンズ館ならカジュアル服も一緒に見て回れるので、買い物が楽しめそうです。」



#81 中村輝晃クラーク(WR)|胸板が厚く肩幅も広い。"サイズ感"には拘ります


© OSAMU IKEDA


イケメン選手の素顔は仕事も試合もファッショニスタ──中村輝晃クラークさんは、その明るい性格からチームのムードメーカー。強さんと同じ、WRというポジションらしく175cm、77kgと他の選手と比べると均整の取れた体型だ。精悍なフェイスはXリーグ界随一との呼び声も高いが、ファッションへのこだわりも人一番強い。



「ユニフォームは全員一緒ですが、グローブやシューズは各自自由に選べるんです。僕は、カラーリングに特にこだわります。チームカラーが赤なのでホームユニフォームには必ず赤を取り入れるし、差し色には黒を使って引き締まった印象にコーディネートしているんです。」

実際、ホームゲームのユニフォームでは、黒いサポーターを使用し、ユニフォームカラーの赤とのコントラストを付けて、バランスを取っている。他の選手と差をつけたいという、こだわりの小技使いだ。

「見た目を気にするので、試合が止まるダウンのたびに靴下を直すんですが、SNSで靴下気にしすぎ!と書かれたこともあるほど。でも、気づいてもらえて内心は嬉しいんです(笑)。」


私服もサイズ感、フィッティングにこだわる。ジャケットなどは一般的なLサイズでも対応できるが、じつは胸板が厚く肩幅もあるため、ジャストサイズの服を探すのが難しい。ビジネススタイルの場合、スラックスはウェストを合わせると太ももが入らず、太ももが入るパンツはウェストが大きすぎてしまうのだ。

「職場はデスクワークが多い部署なので、基本的にはカジュアルビズもOKなんですが、ビジネスウェア選びは、やはり苦労しています。ワイシャツはなんとかなってもスラックスが難しいので、夏場はオーダースーツの組下パンツを履くことが多いですね。」


単品パンツを既製服で選ぶことが難しい中村さんには、竹内さんと同じ<マッキントッシュ フィロソフィー>のセットアップスーツを用意。インナーはTシャツ、足元はスニーカーで、より軽快なカジュアルビズを着てもらった。いわゆるシャカシャカ素材のセットアップは、軽量で通気性、伸縮性、撥水性など、さまざまな機能を備えた素材使いで、ビジネスマンのさまざまなシーンに対応するもの。加えて体型から服選びに苦労されている方にも、コンフォートな着心地を提供してくれる。

 

「これは、着ていてすごい楽。伸縮性があるので、体にぴったりフィットするし、アクティブに動けるのもいいですね。しかもこのスーツ、自宅で洗えるんですか? 汗をかく季節には、嬉しいですね。オフィスではスニーカーもOKなので、このまま出社できますね!」



スーパーメンズ・バイヤー植松が語る「アメフトの未来像」


鍛え上げた体にフィットする既製服を見つけるのは難しいと思われているスポーツ選手は少なくない。でもスーパーメンズなら、一般のお客さまと同じ用に好きな服を見つけることができる。服を選ぶ楽しさと、着る楽しさを知ることは、本人にとってもファンにとっても嬉しいことだ。フィールドを離れてもスター選手として輝けるだろう。

撮影終了後、3選手を囲んでのインタビューとなると、話はファッションのことだけでなく、いまのアメフト界の話しにまで及んだ。現役はとっくの昔に引退したとはいえ、バイヤー植松の思いは深い。今年、W杯日本大会を目前に大いに盛り上がりを見せるラグビーに比べて、まだまだアメフトは認知度が低いと嘆く。資料によれば、日本のアメフト競技人口は2万人、ラグビーは11万人だ。世界の競技人口の比率はラグビー480万人、アメフト2500万人なのに。


植松
いまラグビーがものすごい盛り上がっています。そこに歯がゆさを感じるというか、モヤモヤするものがあるのが正直なところです。Xリーグが発足して20年以上立ちますが、観客動員数は増えているんでしょうか。
中村 フロンティアーズはチームとして優勝したこともあり、スタンドはおかげさまでほぼ毎回いっぱいです。本物のファンがついてくれているのは、動員数が天候に左右されないことからわかるんです。
竹内 同じ地元のプロスポーツチームとして、川崎フロンターレさんとも相互に協力し合ったりもしています。フロンティアーズのファンがフロンターレを応援したり、その逆もあるんです。
共同でイベントを開いたりもしています。
中村 ビッグフラッグも作ってもらったんだよね。
植松 あの観客席に広がるビッグフラッグですか?
川崎華族(フロンターレの私設応援団)の方々が募金を集めてフラッグを作ってくれたんです。
中村 ハーフタイムに観客席いっぱいに広げて、応援するのはフロンティアーズだけじゃないかな。
植松 熱のある応援には、選手のモチベーションも上がりますね!

こういった活動にとって、地域との連動は欠かせないところ。チームオフィスがある地元川崎では、小学校でアメフト教室や様々なスポーツイベントが盛んに開催されている。さらにチームとしてだけでなく、選手たちが個人的なつながりから大学チームのコーチ役にも率先して取り組むなど様々な交流が続けられている。


中村
仕事で沖縄に行ったとき、琉球大学にアメフト部があることを知ったんです。滞在中に見に行ったら、「フロンティアーズの中村さんですよね」って声をかけられました。
植松 すごい! アイドルみたいじゃないですか!
中村 その縁から練習アドバイスをしたり、私物の用具や服を贈ったりといった関係が続いています。
植松 竹内さんは地元メディアのインタビュー取材にも登場していましたね。
竹内 僕は長野県出身で高校生まではバスケをやっていたんです。愛知の大学に進学してからアメフトを始めたのですが、在学中にチームが2部から1部に昇格することができて、僕自身も日本代表に推薦してもらったり。そういった経験を若い世代に伝えていくことで、アメフトの魅力を広めていきたいと思っています。野球やサッカーみたいに、盛り上がって欲しいですよね。


植松 アメフトってルールが難しいと思われてるじゃないですか。こんなに戦略が豊富で知的なゲームができるうえに、チームごとに試合運びに特色があるスポーツはないと思うんです。アメリカではNFLスーパーボウルのほうが、MLBワールドシリーズより盛り上がるのに、日本のアメフトの状況は本当に不思議です。
ゲームがしょっちゅう止まるからですかね?
竹内 ゲームが止まるのって、反則したときっていうイメージがあるのかな。
植松 野球も止まるじゃないですか。ピッチャーが投球して、キャッチャーが返球するタイミングとあまりかわらないように思うんだけど。でも、たしかにルールは難しいかもしれない。基本的なルールがわかれば、オフィシャルのチャレンジ(ビデオ映像のリプレイによる判定)も、場内アナウンスもあるからわかりやすいと思うんだけど。
中村 僕なんか「え、そんな反則あったんだ」っていまだに思うことある(笑)。
富士通スタジアム川崎では、ダウンごとに場内で実況放送があったり、フロンティアーズOBが解説席でチームの内輪ネタで盛り上がったり、野球やサッカーの無音観戦と違ってわかりやすいし楽しめると思います。それに試合前にはスタジアムの外で、ルール解説や試合の見どころをレクチャーするイベントもあるし。去年からは音声ガイド的に場内で試合解説するエリアを設けるなどして、アメフトのルールを知らないひとでも楽しく観戦できるシステムを実験的に導入していたり。だから安心して、見に来てほしいですね!


選手がビジネスマンとしての仕事をしながら、もうひとつ熱意を込められる環境を持っていることは素直に尊敬したいと話すバイヤー植松。今回はいまの立場から日本のアメフト普及を微力ながら手伝えたことが嬉しかったと笑った。取材が終わり帰りしな「実は伊勢丹の内定をもらった次の日、富士通から連絡があったんです」とも。その後に言葉を続けなかった彼の背中に、ふと背番号「80」が浮かんで消えた。

 

Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda

*価格はすべて、税込です。

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