2019.08.30 update

日本初上陸となる伝説のパンタロナイオ・ナポレターノ

イタリアでも著名なテーラーは、その多くがパンツの仕立てを下職に預けている。ジャケットとパンツの仕立て方はまったく技術が異なるため、専門のパンツ職人=パンタロナイオに託すのだ。彼らパンタロナイオは花形サルトたちの影に隠れて、決して表舞台に立つことはない。だが近年、メンズスタイルはボトムズが主役になることさえある。国内外問わずパンツ専業ブランドや、パンツ職人の名が取り上げられるのを目にしたことがあるだろう。


<マルコ チェラート>パンツ 172,800円


<Marco Cerrato/マルコ チェラート>は、ナポリきってのパンツ職人の一人。一部は観光地として機能しながらも、旅行者は決して立ち入ってはいけないと言われるスパッカナポリの裏通りにアトリエを構えている。彼の作品は、その気位も価格も目の玉が飛び出るほどに高いが、それを納得せざるを得ないほど仕立て上りが珠玉なのだ。それもその筈、彼の母親はナポリのパンタロナイオとして名を馳せるモーラ家の出。伊勢丹メンズ館でも<Le Spade/レ スパーデ>の名で展開している、かの泣く子も黙るパンツ職人家系のモーラの血を引く一族なのだ。



「腰が逃げないはき心地」と言われるそのパンツは、ワンプリーツのベルトレス。しかもプリーツはキッスプリーツと呼ばれるボックス型で、片倒しのタイプより生地の分量を要して優雅なドレープが2倍入る。ボタンフロントのパンチェリーナ仕様に、プレス加工を多用するため平面に置いたときフラットにならないのも特徴的だ。曲面で構成される人体の下脚を包み込んで、腰に手を添えられているかのようにフィットする。


すでにアメリカや英国では<Cerato Napori/チェラート ナポリ>のブランド名でトランクショーのみ受け付けられていたという。ビスポークしか受けたことのない彼が、既製品作成にあたりサイズ表記について心得がなく、手書きされているのはご愛嬌である。

*価格はすべて、税込みです。

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