Ginkgo Sisters
ぎんこしすたーず●2名のアーティストからなるユニット。個性的な形状である銀杏(イチョウ)の葉を忠実に写し取るべく、「葉拓」と呼ばれる昔ながらの技法を用いて転写。銀杏のほかにも、特に希少性や芸術性が高い植物を葉拓作品や植物標本として発表している。www.ginkgosisters.com

「葉拓」を通じて知的好奇心をくすぐれたら面白い


──そもそもGinkgo Sistersというネーミングはどういったいきさつでつけたのですか?

Miyamoto 銀杏の英語名が「ginkgo(ギンコ)」で、発音が女の子らしいですよね。
Takei 英語ではmaidenhair tree(乙女の毛の木)とも呼ばれていて、由来は女性の髪型やアンダーヘアに似ているなど諸説あるようです。あくまでも主役は私たちではなく、銀杏であるという意味も含めて「Ginkgo Sisters」という名前にしました。

──なぜ銀杏の葉をモチーフにしたのですか?

Takei 私たちはもともと木版画家で、普段は別々でアート作品を作っているのですが、アトリエの目の前に銀杏の街路樹があって、そこの落ち葉を拾って葉拓で写し取ってみたのが最初ですね。同じ銀杏の葉っぱでも、よく見ると葉脈の入り方や全体の形状が葉ごとに全く異なっていてとても面白い。



──銀杏を「葉拓(はたく)」で表現するのはなぜですか?

Miyamoto 落ち葉でも葉拓にすると葉脈などのディテールが繊細に表現できたり、銀杏そのものに迫力が出るんです。これは葉拓ならではの魅力だと思います。
Takei 『本草図譜(ほんそうずふ)』という江戸時代に作られた日本最古の植物図鑑があるのですが、その図鑑と葉拓の相性が良くて、それをイメージして創作しているというのもあります。

──『本草図譜』が通底しているのも面白いですね。

Takei 当時は印刷なんてないから誰かが模写をして、さらに別人が模写をしてっていう風に広まったものなので、絵や文字の出来にムラがあるんです。模写する人によって字や絵に個性が出ていて、それがまた面白い。
Miyamoto そういう意味では私たちがさらに模写をすることで、また別の新しい『本草図譜』になっているっていう。


──今後、作品を通じて伝えたいことは?

Takei 銀杏に限らず様々な植物の葉拓作品が生まれて、「こんな植物があるんだ」と新しい発見をしたり、知的好奇心や美的感性を刺激し合えたら面白いですよね。

 

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