2019.05.15 update

【インタビュー】ルーク・ゴダディンの洗練とユーモアが、<SMYTHSON/スマイソン>にエレガントな革新をもたらす(1/2)

130年以上の歴史を誇り、世界中のセレブリティに愛される英国のステーショナリー&レザーグッズブランド<スマイソン>が、<バーバリー>で辣腕を振るったルーク・ゴダディンを新クリエイティブ・ディレクターに迎えた。偉大なヘリテージを継承し、さらなる進化と飛躍が期待される王室御用達ブランドの未来について、ゴダディン本人に直撃した。


創始者フランク・スマイソンのスピリットを、今こそ蘇らせたい。


英国を象徴する老舗ブランド<スマイソン>が、新時代に突入する。そのプロジェクトを牽引するのは、昨年2月に新クリエイティブ・ディレクターに就任した俊英、ルーク・ゴダディン。同じく英国王室御用達ブランドとしての長い歴史を持つ<バーバリー>では、チーフ・デザイン・オフィサーとしてのポジションを究めたラグジュアリービジネスのキーパーソンだ。

ゴダディンはセントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを学んだ後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートではウィメンズウエアデザインの修士号を取得。バーバリーでの15年にわたるキャリアを含め、常に英国をベースに活動してきている点も注目に値する。

「生まれはスイスなのですが、デザインを学ぶために母の母国である英国・ロンドンに渡りました。バーバリーでの経験は、とてもエキサイティングでいい勉強になったと思っています。以前から憧れをもっていた<スマイソン>も、英国らしさと偉大なヘリテージを持つという共通点があります。でも似ているようで、実は両者の“視点”はまったく異なっているんですよ。<バーバリー>はレディ・トゥ・ウェア(既製服)がメインで、ダイナミックかつトレンディ。ランウェイショーを基準に物事が進んでいきます。一方で<スマイソン>は、優雅でプレシャスな“時間”を重視します。だから自分らしいリズムで、カレンダーの奴隷にならずに働くことができるんです(笑)」



「英国ブランドにとってのベンチマーク(基準)」であると位置づけているという<スマイソン>でのプロジェクトをスタートしたばかりのゴダディンに、具体的にどんなビジョンを持っているのか訊いてみた。

「既存のお客様を満足させながら、同時に新たなお客様を獲得するのはとても困難なことです。それには、守るべきものは守り、ブランドのヘリテージを活かしながらも新鮮な驚きを提供しなければなりません。そこで私は、今こそ創始者であるフランク・スマイソンの時代のアーカイブを紐解き、ブランドの根幹であるその哲学へと回帰すべきだと考えました。

勇敢でイノベーティブだったフランク・スマイソンのスピリットやパーソナリティ、そして脈々と受け継がれてきたフィロソフィーを現代に蘇らせること──レトロスペクティブでありながらもユニークで驚きに満ちたクリエーションによって、さまざまなお客さまに<スマイソン>のコンセプトとパッションを感じていただきたい。なにより自分自身が“好きなもの”を創り出せることに、とてもワクワクしているんです」

ルーク・ゴダディン <スマイソン>クリエイティブ・ディレクターが手掛けた2019年秋冬コレクションから。


ゴダディンに、新ディレクターにありがちな“スクラップ&ビルド”を敢行するつもりは、毛頭ないようだ。

 

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