2019.03.29 update

袖を飾るカフリンクス(カフスボタン)の上手な身に着け方とお手入れ(1/2)

その構造から日本ではカフスボタンとも呼ばれるカフリンクスですが、興味はあるものの正しい選び方や身に着け方が分かりにくいというのも事実。でも、要領さえ掴めればあなたの個性をさりげなく演出してくれるアイテムでもあります。今回はそんなカフリンクスにまつわる身に着け方やシーンに応じた選び方、保管方法などについて、服飾評論家の飯野 高広氏に伺いました。








 


*画像は参考商品です。

カフリンクス進化のカギは、締まりの良さと着けやすさ



カフリンクスの違いはと言うと、金属や宝石、それにエナメルなどの材質の違いがまず頭に浮かびますが、構造についてもこれまでに色々と考案されています。両サイドを一本の細い棒で完全に固定したものに始まり、チェーンで繋ぐもの、スナップボタンのように勘合させるもの、釣り具のリールのように片側にチェーンを巻きつけることで伸縮自在にしたものなど、その形状もさまざま。

今日主流なのは、片端に付いた棒を90度回転させて固定する「Tバー」構造。これは1920年代にフランスのカフリンクスブランドである<ルイファグラン>が開発したとされています。
装飾は片面のみとなりますが頑丈でフィット感に優れ、しかも他の構造に比べ着脱が圧倒的に簡単な点が支持された理由です。

 


左/フレンチカフ(ダブルカフス)、右/コンバーチブルカフ
*画像は参考商品です。

まず、カフリンクスが付けられるシャツなのかをチェックする



どのようなドレスシャツにもカフリンクスが付けられるとは限りません。具体的には、袖の両端にボタンホールが備わっている必要があります。

例えば折り返す構造のフレンチカフ(日本ではダブルカフスと呼ばれているもの)のものは、ほぼ全てその構造となっています。
一方で折り返さないバレルカフ(日本ではシングルカフと呼ばれているもの)のものについては、一般的なものは無理ですがコンバーチブルカフ、ボタンの隣にボタンホールが切られているものならば付けることが可能です。

最近ではそのボタンの根巻きを長くすることで、カフリンクスを付ける際にボタンを裏側に隠せる便利な構造のドレスシャツもあります。ぜひ店頭で自分にあったシャツを探してみましょう。