Sustainable Future──22世紀を見据えたファッション【第8回】

生産時に生じる素材の無駄を見直そうと、立ち上がったのは、尾州の機屋と東京のクリエイティブディレクター。残糸のもつ色を巧みにデザインに取り入れることで、温かみあふれるモダンな一品へと新生。

イベント情報

<ルーマー>プロモーション

□10月31日(水)~11月13日(火)
□メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具
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タッカ 代表取締役社長
棚橋英樹
たなはし・ひでき●大手織物会社の営業やテキスタイルの企画会社を経て、2004年にタッカを立ち上げる。分業制をとる尾州のものづくりをいかし、「工場の垣根を越えて、よいものづくりをしたい」と語る。

「旧車好きが、手のかかる古いクルマに乗るのと同じ。織機への愛情こそ、すべて」


<loomer/ルーマー>は、尾州の機屋であるタッカと、ディレクションを担う東京のアルファの協業で生まれたブランドだ。都内のコンセプトストア<Graphpaper/グラフペーパー>のディレクターを務める南 貴之氏が、自身のブランドの生産で付き合いのあったタッカのファクトリーに足を運んだときのこと。値段効率を追い求めるあまり、たくさんの無駄が発生していたのを目にしたという。その後、1年半あまりをかけて、タッカの社長である棚橋英樹氏と話し合いをつづけ、残糸を使った<ルーマー>のリプロダクトのラインを立ち上げることに。


南貴之氏(右)曰く「消費されるだけのものづくりではなく、使いつづけられるものづくりを目指したい」。意匠や配色に南氏のセンスが宿る。

「効率化が優先される現代において、あえて非効率ともいえる、旧式のションヘル織機や低速レピア織機を用いて、生地を織り上げていきます」と棚橋社長。

最新のエアジェット式の織機が1分間に1000回転(往復)するといわれているなか、ションヘル織機だと90回転、レピア織機でさえ180回転しか回らないため、当然織れる生地の量も少ない。その代わり、これらで織られた生地は、糸のふくらみが生かされるため、非常にふっくらと柔らかい仕上がりになるという。


棚橋氏の父親で技術顧問を務める正亘氏曰く「ションヘル織機ほど、ものづくりに適した織機はありません」という。そんな低速織機の味わい深いものづくりに、南氏の感性が加わったのが、<ルーマー>の巻き物であり、ブランケットだ。モダンな配色や柄は、残糸でつくったとは思えない完成度の高さ。「南さんの力を借りて、良質なものを再認識してもらいたい」と棚橋氏。


この<ルーマー>のものづくりを支えるのが、選び抜かれた素材だ。「素材が命」と言ってはばからない棚橋氏自身、今季の商品の準備では、外モンゴルまで飛び、ベビーキャメルを買い付けた。

次シーズンには南インドの麻や絹を使ったプロジェクトも始動しつつある。そんな<ルーマー>の、サステイナブルな試みはまだ始まったばかりだ。

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