アパレルバイヤーを経験したバックボーンを活かしたい

 
――なかなかユニークなブランドデビューですね。デザインはどうしているんですか。
渡辺 デザインはイラストレーターで平面の絵を描いて、そこにペンを入れて、それをトレースしながら調整し、実寸でプリントアウトし、それを切って顔に当てるという感じです。デザインやレンズカラーは想像と直感ですね。

――いわゆるアイウェアデザイナーとは違う感覚の取り組み方ですよね。
渡辺 <ブラン>をスタートした頃は本当に感覚だけでデザインしていました。それから徐々にフレームの素材、レンズのカーブやコーティングなど鯖江の職人さんと話しながら学んでいきましたが、デザインに関しては考え過ぎない方が自分のブランドぽくなるだろうなと。アパレルのバイヤーを経験したバックボーンを活かして、いわゆるメガネのプロとは違った方向性で考えることが、むしろ面白い。


――なるほど。服作りとメガネづくりは違うように思いますが。

渡辺 たとえばセルフレームのメガネは、生地を切り出して、曲げて磨いてと複雑な工程を経ますが、まず“生地を作る、選ぶ”のが洋服作りと似ています。生地からスタートするのはファッションぽいなと思いました。

――<ブラン>のブランドアイコンにもなっている「左側のテンプルの先だけ色が違う」というのもファッション的発想ですよね。
渡辺 ブランドの立ち上げが決まったときに「これみよがしではない自分のブランドアイコンがほしい」と思いました。できればメガネを掛けているときには隠れているのがいい。左側のテンプル(つる)の先だけ色が替わっているというのは簡単そうなアイデアですが、作ってみたらとても良くて、外したときもさりげなくスタイリッシュに映えます。テーブルの上などに置いてぼんやり眺めて「買ってよかった」と思っていただけるとうれしいです。


<ブラン>のサングラスで「いい感じ」になってほしい

 
――アイウェアはファッションと同じくトレンドがあって、年々重視されています。
渡辺 確かにダブルブリッジやフラットレンズなど流行はありますが、メガネを掛ける人の思考がとても大事だと思います。ゴールが「流行っているから」ではなく、掛けたときに「自分が求めていたファッション性を感じる」となるアイウェアを作りたい。トレンドは無視できませんが、直球ではなくトレンドの空気を感じるものづくりをしていきたいですね。


サングラス 各27,000円

――そういう空気感はどんな部分に反映されていますか。
渡辺 メンズ館でのポップアップで販売しているサングラスは、レンズの色を別注しました。目が完全に隠れないよう可視光線透過率を50%前後の濃度に調整したカラーレンズを使っています。少しだけリムの厚みがあるメタルフレームとセミフラットレンズの組み合わせは、掛けた人が「小ぶりのサングラスだけど、顔の上では小さく見えないな」というサイズ感や色を重視。一般的なサイズのメガネよりモード感が出ていると思います。

――この"六角形のような"フレームにも伊勢丹新宿店別注のレンズが入っているんですね。
渡辺 70年代的でちょっとクセがあるけど掛けやすい、ちょっとだけ小さくないところが好きなサングラスです。レンズカラーはオレンジ、ダークブルー、ライトミントで、オールチタン製です。今回のポップアップの中で一番気に入っています。


――では、メンズ館のお客さまにメッセージを。
渡辺 メンズ館はファッション感度の高いお客さまが多いので、試しに掛けてみてくれるだけでもうれしいですが、この記事を読んで、「今一番お気に入りの服を着て、それに合うサングラスを買いに行こう」と思ってもらえることに期待します。<ブラン>のアイウェアが、たとえば長年身につけているブレスレットのような「付け忘れるとなぜか寂しい」、「付けていないのに気づいて家に取りに戻る」ような存在になれるとうれしい。その人のコーディネートの中で一番気に入っているアイウェアになりたいです。



 

<ブラン>プロモーション
□7月11日(水)~22日(日)
□メンズ館2階=インターナショナル クリエーターズ
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Text:Makoto Kajii
Photo:Tatsuya Ozawa

*価格はすべて税込です

お問い合わせ
メンズ館2階=インターナショナルクリエーターズ
03-3352-1111(大代表)