副島 舎人(そえじま とねり)
1985年、東京生まれ神奈川育ち。陶芸家の両親のもと、常にモノを作るということが生活の中心にある環境で育つ。多摩美大学院卒業後、工房一体型ショップで制作を担当し、その後独立。金属の表面を熱で変化させる独自のテクスチャーに取り組む。

「異物感」をテーマに、自分を表現するジュエリー


――今回の4名に選ばれたときはどう思われましたか?


どうして自分が?と、ただビックリしました。選ばれたときは実感がありませんでしたが、最近はジュエリー以外のオブジェなども創っていて、自由度を評価してもらったのかなと思いました。

――副島さんの作品・作風の特徴は?

今回の「JEWELRY & LIFE」に向けてすべて新作を創りました。ジュエリーは身につけられるものですが、フィットすることや着け心地が良いことを意識せず、むしろ「違和感」があった方が、今までにない刺激が手にとってくださる方に伝わるのではないかと思っています。


―今回のテーマ「JEWELRY & LIFE」をどう捉えましたか?

これまでの自分の創作活動では実用的なものを創ってこなかったので、テーマを聞いたときには迷いました。それから、「自分はなぜアートをやっているのだろう?」と問いかけたとき、それこそが自分にとっての生活ではないかという原点を見つけたときに、乱暴ですが、実用的じゃなくてももライフだと。
両親が陶芸家で、創ることが身近にありすぎて、「なぜ創っているのだろう」ということにしっくりした答えが見つからずにきましたが、この問いは自分の人生の中で考え続けて生きていかないといけないのだろうと、それこそが人生だと思いました。


――クリエーションで一番大事にしているものは?

なぜ自分がものを創っているのかをそのまま包み隠さず、正直に創るべきだと今は思っています。友人や知人から「こんなジュエリーを創ってよ」と頼まれると、手が止まってしまうんです。「相手が求めているのはなんだろう?」と思ってすごく困る。だから、自分が創りたいものをやるべきだと、素直に創ることが一番だと考えています。
今回は、「JEWELRY & LIFE」というテーマに落とし込んでものづくりをしましたが、とても楽しかったので、将来は今創っているものをライフワーク的にやっていけたらと思っています。今回のメンバーに加えていただいたことに感謝しています。

――メンズ館のお客さまに何を見て感じてほしいですか?

自分は田舎に住んで創作活動をしているので、都会の百貨店という最先端のモノが凝縮されているファンタスティックな場所で見てもらうことで、良いギャップが生まれてくるんじゃないかなと期待しています。自然と都会とのギャップを、音楽でいうミクスチャー的に楽しんでください。

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