稲井 つばさ(いない つばさ)
1990年、沖縄生まれ。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒業。ものづくりのキャリアを持ち、ステンレスやアクリルなどを使った独創的なジュエリーでバルセロナ・アートジュエリーフェアへ参加。2017年2月に独自のブランド『neutra』を設立。

光や反射など「現象」をカタチにした独創的なジュエリー


――今回の4名に選ばれたときはどう思われましたか?


連絡をいただいたときは驚きました。ちょうど自分が作ったものを多くの人に見てもらいたいと思っていた時期だったので、タイミング的にとてもうれしかったです。田代(聖晃)さんと佐々木(慧)さんは知り合いで、良いものを創るなと思っていて、副島(舎人)さんも2人とは違った感性があって、刺激になる良い組み合わせだなと思いました。
次世代アーティストといわれていますが、年齢的にも時期的にもそろそろ自分なりの何かを打ち出したい気持ちが4人ともにあって、それぞれが世界観や価値観を確立しているので、面白い企画になると思います。


―稲井さんの作品・作風の特徴は?

オーダーメイドジュエリーでは、金、銀、プラチナ、貴石などの素材を用いて制作していますが、アートジュエリーでは、ステンレス線やナイロン、アクリルなど、金属以外の素材や新たな技法を積極に取り入れて制作しています。

――今回のテーマ「JEWELRY & LIFE」をどう捉えましたか?

ジュエリーは実際に身につけられるし、生活にかなり溶け込める美術品だと思っています。アートジュエリーは私のものづくりの原点で、日常の中で感じたことを形にして、自分自身が納得いくものを創っています。

――クリエーションで一番大事にしているものは?

ジュエリーは貴金属製で、素材自体に価値を見出すものですが、コンテンポラリー・ジュエリーは、クオリティなども説得力に繋がりますが、コンセプトなど作り手の概念に対して付加価値を与えるものだと思っています。
最近は光や反射(リフレクション)など「現象」に興味があって、今回の「JEWELRY & LIFE」ではコマーシャルな中にも現象を体験していただける商品もあるので、ぜひ実際に手に取っていただきたいです。


――メンズ館のお客さまに何を見て感じてほしいですか?


一般的な女性的なものは苦手で、中性的なユニセックスで身につけられるジュエリーを考えていたので、今回はありがたかったです(笑)。アート作品を見てから、他のジュエリーを見てほしいですね。創っているときはずっと一人なので、作品を世の中に出して、自分が解釈したものをどう受け取ってもらえるのか、お客さまの反応がとても楽しみです。

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