田代 聖晃(たしろ きよあき)
1988年、福島県会津若松市生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科彫金専攻卒業、同大学大学院卒業。在学中より国際的な賞を受賞。一方で若手のためのシェアアトリエ「Atelier TOCOHA」を立ち上げている。精力的に国内外でアーティスト活動展開中。

アーティストとして表現する上で大切なメッセージとは


――今回の4名に選ばれたときはどう思われましたか?


米井さんは、伝統工芸の発展やアートを日本に普及させたいという信念がとても強い方です。僕は人の生活に寄り添う文化の「工芸」とアートを関連づけながら作品を創っていますが、日本の美術業界の発展に貢献できればという思いが一致して選ばれたことはすごくうれしいです。

――田代さんの作品・作風の特徴は?

ジュエリーはファッション性、ハイジュエリーなら素材価値などが大切ですが、僕の作品は現代アート寄りの思考で創ることが多く、僕が作ろうとしているジュエリーは表現の価値をどう生み出していくかがコンセプトになっているので、オブジェや絵画と同じ感覚です。
美術館に展示されているオブジェや絵画は「お手を触れないでください」という人の身体と隔離された世界ですが、ジュエリーなら身につけられるし、質感や触感も直接人に影響を与えられるので、僕がアーティストとしての表現活動をする上で、媒体としてジュエリーを選ぶという結論に達しました。
僕の作品は身につけづらかったりしますが、それ以外のところで価値を見出してもらえればと思います。


――今回のテーマ「JEWELRY & LIFE」をどう捉えましたか?

僕は工芸から入っているので、人の生活により密接に関係しあって、人の暮らしを豊かにするという思いで創作活動をしています。今回は、ジュエリーが人の生活にどう寄り添っていくかという提案や、アート的な観点が入るとまた面白い化学変化が起きるのではないかと、タイトルを聞いて思いました。

――クリエーションで一番大事にしているものは?

アーティストとして表現を行っていく上では、人の考え方や思考に影響を与えられるものづくりをしています。既成概念の破壊や、一般的な常識が本当に正しいのかなどを改めて定義するのは、僕の今までの作品すべてに入っているメッセージ性です。


――メンズ館のお客さまに何を見て感じてほしいですか?

これまでに三越で作品を発表したことがあって、百貨店はいろんな視点を持った方が集まる場所なので、良い結果が生まれています。ジュエリーは基本的に女性が身につけるものですが、自分はジェンダーをまったく考えずに創っています。男性でも、特に社会のアッパーで働いている人により強いメッセージを与えたいと思っています。

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