【イベントレポート】『THE RAKE JAPAN』×ISETAN MEN'S──クラシコ・アジアに酔いしれた夜(1/2)


ゲストを招いたクラシックの夕べ


ジャズの生演奏が始まった。凛々しくタイドアップした紳士たちと華やかなカクテルドレスを纏った淑女たち。事前にアナウンスされていたドレスコードは「COOL RAKISH」だ。思い思いの装いで会場は埋め尽くされ、カクテルグラスを傾けながら服飾談義に興じている。

なかでも目を引いたのは、ダークなネイビーストライプスーツに白いボタンダウンシャツ、小紋柄のタイを締めたひとりの紳士だ。けっして目立つ服ではないはずなのに、その着こなし、フィッティング、そして立ち居振る舞いまでも優雅な彼こそはマーク・チョーである。香港とNYに店舗を構えるメンズショップ「The Armory(アーモリー)」の共同経営者であり、いまアジア・クラシコを体現するリーダーである。この日のゲストとして招かれたマークは、この後、自身のコーディネートの秘訣についてのトークショーを開いたのだ。


自身も愛用するという<リベラーノリベラーノ>のジャケットがトルソーに掲げられている。フロントダーツを取らない独特のフローレンススタイルだ。丸みのあるシルエットが美しく出せるのが特徴である。グレンチェックにダークブルーのシャンブレーシャツとネイビーのニットベストを合わせているのは、ブルーの格子が入ったプリンス・オブ・ウェールズに敬意を表してのことだとマークはいう。

隣のヘリンボーンツイードのジャケットは、<テーラー ケイド>の山本祐平がマークのために特別に誂えたもの。パッチ&フラップポケットを備え、アメリカン・トラッドを体現するボックス型のシルエットがいま新鮮に映る。こちらもシャンブレーのシャツを合わせているのだが、キャメルのウェストコートを重ねているのは温かみのあるツイードの色合いを強調するためだとマークはいう。デニムにスウェードの靴を合わせることで、ラギッドなツイードの魅力が増していた。


「たとえばネイビースーツとひと口に言っても、濃淡があったり、青みが強かったり、パープルがかっていたりと少しずつ色味は異なります。グレーにも茶色っぽいグレーと、青っぽいグレーがありますよね。それぞれ暖色系と寒色系に分類されますが、どちらか一方でコーディネートをまとめてしまうと単調になってしまうので、必ずコントラストを保ちながらミックスするのが私流の合わせ方です」。

これには会場も拍手喝采。大きく頷いていた『THE RAKE JAPAN』松尾編集長がマイクを取る。

「マークさんはたくさん練習されたので、こういったコーディネートができるのだと仰っていました。今日のコーディネートは、ご自身が持参された私服とイセタンメンズで取り扱われている商品のミックスコーディネートです。これがじつに短時間で決めて行かれたのです。ネイビーの色味を見極めると、すぐにシャツやネクタイを選ばれていました。今日のご自身のコーディネートも、そんなセオリーから選ばれたのでしょう」。

NEXT>クラシコ・アジアのハブとなる