2023.09.27 update

BONDS WITH FASHION|メンズ館20年の感謝を込めた懐かしくて新しい特別なコレクション|<ヒル&ドレイク>


今年9月、伊勢丹新宿店メンズ館は20周年を迎えた。これを記念したアニバーサリーイヤーイベント第一弾は「ALL MEN'S EXHIBITION」と題し、数々のイベントを開催。そして10月4日からは第二弾として「BONDS WITH FASHION」がスタートする。

「ファッションの絆」と銘打たれた第二弾は、これまでの伊勢丹メンズの足跡を振り返りながら、次の20年につながる名品を作ろうというプロジェクト。お客様から支持されてきたベストセラーアイテム、名品、定番をピックアップしながら、メンズ館のエッセンスを加えたアップデートを施すことで、特別な限定品や先行販売品を多数生み出すもの。そんなアニバーサリーコレクションを各バイヤーが物語る。

5階メンズテーラードクロージングバイヤー・和泉 圭は英国タイの名門<ドレイクス>のアーカイブを復刻する。RE:BORNと題された、アーカイブデザインタイのコレクションに注目。

 

【RE:BORN】現代的にモダナイズされた80年代の<ヒル&ドレイク>



ドレスウェアのカジュアル化とともに、下火となっていたタイドアップスタイルだが、ノーネクタイが蔓延した反動からクラシック回帰の動きが見受けられる。長くドレスクロージングに携わってきた和泉も、ネクタイ回帰の風を感じはじめているという。その和泉が今季注目したのが、英国ネクタイの名門<ドレイクス>の前身として知られる<Hill&Drake/ヒル&ドレイク>のアーカイブだ。

 

<ヒル&ドレイク>は元<アクアスキュータム>のアクセサリーデザイナー、マイケル・ドレイクスと<ターンブル&アッサー>のネクタイ企画担当のチャールズ・ヒルが1982年にスタートしたブランドネームだ。後にチャールズが独立すると、現在の<ドレイクス>ネームになっていった。マイケルの引退後、ブランドを引き継いだのが先に抜けたチャールズの息子、マイケル・ヒルであり、共同経営には香港のメンズストア、アーモリーのマーク・チョーが名を連ねている。

 

 


<ドレイクス>は、いまもロンドン中心部で活動を続けており、世界中に多くのファンを持つ。日本ではネクタイの印象が強いが、本国ではスーツにジャケット、シャツやニットも手掛けるトータルブランドであり、2019年にはサヴィルロウにストアをオープンしている。

 ロンドンオフィスには<ヒル&ドレイク>時代の貴重なアーカイブが眠っていることを和泉は以前から気にかけていたという。

 「ネクタイメーカーに限らず、多くの海外ブランドは自社コレクションで使用したデザインアーカイブを保管しています。<ドレイクス>のオフィスにも創業当時からの資料が残されていて、貴重な記録となっているのです。今回は1980年代の<ヒル&ドレイク>時代のアーカイブを英国から持ってきてもらい、数百種類の生地からストライプ、小紋、ペイズリーなど16色柄を選びました。」

膨大な資料から選びぬかれた80’sな色柄のネクタイは、当時の気分を漂わせながらいかに現代的に復刻するかにこだわったラインナップ。「ただ復刻させたのでは、古臭いだけになってしまう」という和泉の想いが込められている。

 

英国をベースにしながらも現代的なスタイルとのマッチングを考慮 

 


コレクションを再構築するにあたり、和泉が心がけたのは「いかにして現代のスタイルとミックスするか」だった。

「当時の生地を復刻することは技術的には可能かもしれませんが、それでは進化がありません。当時の雰囲気を残しながら、現代的なスーツ&ジャケットに合わせることを考えたら、生地はソフトなもので芯地も少しやわらかいものがいい。今季、ツイードなど英国調の生地がトレンドですが、昔のままではなく軽量で柔らかいイタリア生地だったりしますよね。今回の20周年記念ネクタイも、イタリアの生地メーカーに依頼して、当時の色柄を現代的なシルク生地に乗せてもらったんです。」

 


たしかにストライプもペイズリーも落ち着いた色調で、小紋柄にもイタリア風の華やかさは見られない。その代わり重厚な英国風情なのに、ふわりと結べるシルクジャカードは、現代的なアンコンジャケットやセットアップスーツにも似合いそうだ。

「いまの<ドレイクス>はプリント柄が多いのですが、今回の生地はすべてジャカードです。レップとバスケットの2大人気生地を厳選しました。大剣幅8cm、小剣のセミフレアも特徴的です。タグも当時のものを復刻しているので、懐かしいけど新しい、そんな英国タイが誕生しました。」

 

 


クラシックな色柄なのにどこか新しく、希少なメイドインUKもさることながら、それを感じさせないほどの汎用性の高さ。英国調の構築的なスーツから、イタリアンなジャケットまで似合う柔軟さも併せ持つ。久しぶりにネクタイをしたくなったとき、こんな自由度と新鮮味あふれるネクタイで装いを新たにしたいと思えるコレクションとなっている。 

 


全て<Hill&Drake/ヒル&ドレイク> ネクタイ 各29,700円



▢伊勢丹新宿店 メンズ館5階 シャツ・ネクタイ・シーズン雑貨/三越伊勢丹オンラインストア

 

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和泉 圭
伊勢丹新宿店メンズ館5階 メンズテーラードクロージング メイド・トゥ・メジャー/バイヤー
カジュアル・洋品雑貨アシスタントバイヤーを経験し現職。ドレス畑を長く歩んだ経験から、自身のスーツの着こなしには一家言もつ。最近クロゼットはネイビーからグレースーツにシフト中。

 

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text:Yasuyuki Ikeda
photo:Natsuko Okada (Studio Mug)

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