幸福度ランキング世界第1位フィンランドのサウナ文化が教えてくれる本物の「ととのう」とは|日本橋三越本店


日本よりやや小さい国土面積に、553.1万人(2020年)が暮らし、自動車の数より多い約300万のサウナがあるという“サウナ大国”フィンランド。古くは出産や身体を清める神聖な場所として、現在でも国民の日々の生活に欠かせないものとしてサウナは愛されています。

そんな「フィンランドのサウナ文化」を知りたいと、日本橋三越本店 紳士雑貨担当で、三越伊勢丹サウナ部部長を務める福島成博が会いに行ったのが、駐日フィンランド大使館商務部上席商務官の木村正裕さん。クリスマス文化の研究者としても有名な木村さんが、福島を迎え入れた場所は……。

イベント情報
「おとなの遊び時間」~よ湯こそ、三越サウナ倶楽部へ~
  • 開催場所:日本橋三越本店 本館7階 催物会場
*掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページをご確認いただき、ご来店ください。
*新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、お客さまのご入場を制限させていただく場合がございます。予めご了承くださいませ。


  1. 「日本にある最もフィンランドなサウナ」は大使館にあった!
  2. フィンランド人にとっての「サウナ」とは?
  3. これぞ“大人の遊び時間”フィンランドのサウナの楽しみ方の極意!
  4. サウナは世界の共通言語で、楽しみ方も様々。日本のサウナも満喫しよう!

木村正裕
駐日フィンランド大使館の上席商務官。
大学非常勤講師、製薬メーカー研究所勤務を経て、医療福祉・バイオテクノロジー担当官として着任。
クリスマスカードを中心とするクリスマスグッズの収集家、クリスマス文化研究家。フィンランド獅子勲章ナイト位の受勲者。
サウナビールプロジェクト「Sauna Beer from Finland」責任者。
福島成博
日本橋三越本店の紳士雑貨担当として、紳士靴・鞄・革小物のバイヤーを務める傍ら、社内サークル三越伊勢丹サウナ部部長を務める。
好きなサウナは神田セントラルホテル、ザ・ベッド&スパ所沢 他


「日本にある最もフィンランドなサウナ」は大使館にあった!

世界で一番有名なフィンランド語は「SAUNA」と言われるほど、フィンランド人の生活にしっかり根ざしているサウナ。東京・南麻布にある駐日フィンランド大使館には、なんと職員用サウナと、来客・アンバサダー用のサウナが常設。VIP用のサウナルームの中央奥にはロウリュウ(サウナストーンに水をかけて一気に蒸気量を増やして発汗を促す)ができるサウナストーンが置かれ、さらに外気浴ができるテラスまであります。


福島成博(以下、福島):大使館の中にこんなに本格的なサウナ施設があるとは、さすが本場の国です。木村さんのサウナ歴はどれぐらいですか。

木村正裕(以下、木村): サウナ歴は20年ほどです。大使館勤務になってフィンランドに行くようになり、フィンランドのサウナと出合いました。日本よりもフィンランドで入った回数のほうが多いです。


福島:それはさすがですね。フィンランドにはどれぐらいの頻度で行かれるんですか。

木村:コロナ前は年に5~6回、年間60日間ほどフィンランドに滞在して仕事をしていました。

福島:今日は、木村さんに本場のサウナのお話をたっぷり伺いたいと思います。

フィンランド人にとっての「サウナ」とは?

福島:木村さんにさっそく質問ですが、フィンランドのサウナの一番の違いは何ですか。

木村:日本をはじめ、世界各地に“蒸し風呂文化”がありますが、フィンランドのサウナは、日本に多い「高温・低湿度のドライサウナ」ではなく、自分でサウナストーンに水をかけてロウリュウする「低温・高湿度のウェットサウナ」が一般的です。


福島:ウェットタイプのサウナは最近日本でも増えてきています。木村さんがサウナにハマったきっかけを教えてください。

木村:フィンランド人にとってのサウナは「NO SAUNA,NO LIFE」というほど生活の中に欠かせない存在です。私が大使館に勤めてからフィンランドに友人ができて、夏の週末に訪れた際、郊外の森の中にある彼のサマーコテージへ行ってサウナに入りました。薪をくべてサウナ室を温めてから、サウナに入って外のベンチで外気浴をしたり、水温18℃くらいの湖に入りました。湖に身体を浮かべると、風と鳥の声しか聞こえなくて、空を眺めているうちに「最高だな」と。湖から上がって、全裸のまま湖を眺めながら冷たいビール……、それが実質的な「初体験」でしたね。サウナも素晴らしかったですが、ロケーションやサウナ後のビールなど、フィンランド人が楽しむライフスタイルそのものにハマりました。


福島:僕たちがサウナでよく使う「ととのう」というのと、また別次元の体験ですね。本当に羨ましいですが、フィンランド人がサウナに入る目的は何ですか。

木村:目的というと、「日本人はなぜお風呂が好きで、温泉へ行くんですか?」と聞かれると困るのと同じで、フィンランド人にとっては「サウナは生活の一部」なんです。今は家にサウナがあって、例えば週に1回など家族全員で入ったり、週末や夏休みにはコテージで毎日入ったり。クリスマスと夏至にはサウナに必ず入るし、聖なる日には身体を清めるという意味でサウナに入ります。もう「サウナを中心とした生活」が当たり前なんですね。

福島:フィンランドのサウナはどういう種類がありますか。

 木村:古くは、石のストーブに薪を入れて火をつけて、そのストーブの周りに積んだ大きな石を温めて、石に水をかけて蒸気を作る“煙のサウナ”といわれる「スモークサウナ」が主流でしたが、今はほとんど無くなりましたね。昔は家庭にサウナがなかったので、パブリック(公衆・公共)サウナがありましたが、家庭にサウナが普及してからはパブリックサウナは減りました。日本の銭湯と内風呂のようなものです。

福島:でも今、パブリックサウナの新しい波が来ているとか。

木村:そうですね。10年ぐらい前からコミュニケーションの場として復活してきて、レストランを併設したり、レジャーランド化するパブリックサウナが人気になっています。私が持っている「サウナ御朱印帖」をご覧いただきましょう。


福島:「サウナ御朱印帖」って何ですか。

木村:入浴した証明をもらうフィンランド政府観光局発行の手帖のようなものです。また、観光局認定のパブリックサウナがフィンランド国内に100か所あるのですが、数多くの認定サウナに入ると“フィンランドサウナマスター”という称号をいただけます。これが認定証です。


福島:これは欲しい! マスターの称号をもらって、玄関に飾りたいです!


これぞ“大人の遊び時間”フィンランドのサウナの楽しみ方の極意!

福島:せっかく大使館内にあるVIPサウナルームにご案内いただいたので、「木村さん流のサウナ入浴法」を教えてください。

木村:自分の入り方は、私の師匠の国際サウナ協会会長の直伝です。特に決まりではありませんが、入浴前に守ってほしいのはこの5つでしょうか。

・サウナには全裸で入る(混浴型以外)
・我慢大会はやめる
・アルコールを飲んで入らない
・水は必ず飲みましょう
・なるべくサウナに入る前に食事をとらない。

福島:お腹いっぱいだと消化に悪いですよね。全裸になってから、サウナ室に入る前は?

木村:サウナ室に入る前にシャワー室で身体をきれいにします。これは、サウナ室を汚さないようにという意味もあります。私はいつもフィンランド発の<OSMIA(オスミア)>のボディーシャンプーを愛用しています。フィンランドの自然を代表するバーチ(白樺)の香りは、本場のサウナと自然を感じさせてくれるんです。おすすめですよ。


福島:フィンランドのサウナ室は何度ぐらいですか。

木村:室温は85度~95度ぐらいですね。それぐらいの室温でもロウリュウをすると熱い波が来るので、熱く感じます。自分は85度ぐらいが好きで、サウナに入っている時間は特に決めず、体調や気分に合わせて入ります。

福島:このサウナ室はコンパクトで温まりそうですね。暗さもちょうど良くて、瞑想ができそうです。僕はこれくらい狭い方が好きですね。サウナ室から出たら、次は?

木村:ラウンジで休憩しながらサウナビールを飲んで歓談します。バルコニーで外気浴をすることもあります。

福島:ラウンジの家具はフィンランドのArtek(アルテック)社のもので、バルコニーのチェアとオットマンはEcoFurn(エコファーン)製で、本場のサウナにいるような気分に浸れますね。サウナビールは美味しいですが、フィンランド「公式」サウナビールは木村さんがまとめ役で出来たとか。


木村:「サウナの時に飲むビールは最高!」なので、有志とサウナビール協議会を立ち上げて、数多くのフィンランドのクラフトビールメーカー参加の厳正なコンペにより完成させました。

*サウナビール協議会により誕生した、フィンランド「公式」サウナビール

 福島:白樺の樹液の後味が爽やかで、サウナ後にぴったりですが、木村さんの「ビールは最高!」体験を教えてください。

木村:フィンランドの北部にIT産業で有名なオウルという都市があるんですが、30~40人ほど一度に入ることができる市の接待用のスモークサウナがあって、温まった後に、マイナス28℃の外に出ても寒くないんです。全裸で腰に手を当てて飲んだビールの味はいまだに忘れられません……。私が持ち歩く「サウナセット」もご紹介しましょう。

福島:とても興味があります。フィンランドに持っていくセットですよね。

木村:タオルは、大判のバスタオルと小さめのタオル、サウナ室でお尻に引くマット代わりのタオル、日本だと水着着用のサウナもあるので、水着も一応用意しています。野外に出るとき用のビーチサンダルと、湖で泳ぐときのためのゴーグル、シャンプーとリンスです。


福島:ビーサンとゴーグルはさすがですね。木村さん、サウナハットは?

木村:サウナハットはロシアの習慣なので、フィンランドではかぶっている人はいません。それと、日本のサウナで人気の“熱波師”はドイツ式なので、フィンランドではやりません。「サウナストーンに自分で水をかける」のがフィンランド式です。

サウナは世界の共通言語で、楽しみ方も様々。日本のサウナも満喫しよう!

福島:日本のサウナの盛り上がりはどう見ていますか。

 木村:日本独自の発展・進化をしていて面白いなと思います。サウナが盛り上がれば、本場のフィンランドのプロモーションにもなるし、サウナビールも飲んでいただければ最高ですね。

福島:木村さんはサウナの効果って感じていますか。

木村:風邪を引いたとき、フィンランドでサウナに入ると治る感覚がありますね。それと、健康維持のために良いと思います。

福島:フィンランドのサウナはそんなに温まるんですか。

木村:日本に多いドライサウナは、身体の芯まで温まらない感じがするんです。フィンランドでは外気浴をしてもずっと身体が温かくて、ドライとウェットでは温まり方が違うと思いますよ。

福島:木村さんのお話を聞いて、今すぐ、フィンエアーでヘルシンキに飛びたい!

木村:日本では「サ道」という流儀や楽しみ方もありますが、フィンランドでのサウナの楽しみ方もあるのでフィンランドに飛んでいただくと、本当に面白いサウナ体験ができると思います。

福島:日本では個人宅にサウナは少ないですが、銭湯に併設したり、駅前にあったり、郊外に大型施設があるなど、楽しみ方もバラエティに富んでいるので、三越伊勢丹サウナ部でももっと活動したいと思います。


木村:フィンランドのサウナは自然と共生して、生活にとても身近なものです。国内外いろんなサウナがありますが、今は日本でも野外に持ち出せる携帯式の「サウナテント」も多く出回ってきているので、色々なサウナを体験できます。コロナ禍でストレスの溜まる毎日ですが、サウナを上手に利用して、身体と心を「ととのえて」ください。

福島:ありがとうございます!サウナライフを楽しみます!!


イベント情報
「おとなの遊び時間」
~よ湯こそ、三越サウナ倶楽部へ~
  • 開催場所:日本橋三越本店 本館7階 催物会場 

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*撮影時のみマスクを外して、撮影を実施しています。
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お問い合わせ
日本橋三越 本館2階 紳士雑貨
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