2021.06.15 update

【インタビュー】高橋ラムダがスタイリングする2021年の東京ストリートカルチャー


スタイリスト・高橋ラムダさんが手掛ける<R.M. GANG/アール.エム.ギャング>が、6月16日(水)~24日(木)までの期間、伊勢丹新宿店メンズ館6階 メンズコンテンポラリーにて、初のポップアップストアをオープン。会期中は、2021年春夏コレクションに加え、今回のため特別に用意された<INOUT/イナウト>や<MARS/マーズ>とのコラボアイテムもラインナップする。

雑誌『SILVER』や『SWAG HOMMES』をはじめ、さまざまなメディアで活躍する高橋さんは、90年代以降のストリートファッションを全身で浴びてきた人物だ。彼が手掛ける先進的なビジュアルクリエーションと、<R.M.GANG>は、2021年の東京の真っ只中にある。そんな彼の人柄に触れた。


イベント情報
<R.M. GANG>ポップアップ
  • 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー
*諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。
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90年代ストリートカルチャーを知っていることが一番の財産です

日本のストリートファッションが一番盛り上がっていた90年代。その渦中の真っ只中に、高橋ラムダはいた。情報の発信源はファッション雑誌で、「渋カジ」「裏原」「古着ミックス」といったパワーワードが誌面に踊り、誰もが皆、ファッションの黄金時代を謳歌している中、その最先端を突っ走っていた。


「服を買うのも遊ぶのも渋谷・原宿。それから中目黒、恵比寿あたりが騒がしくなってきて。当時、仲間内でアメリカに行っては古着を山ほど買い付けてきて、週末のフリーマーケットで買付けの旅費が出るぐらい売れたんです。取材に来ていたストリート誌のスナップに出たり、新宿のBEAMSにオープニングスタッフとして入ったり。自分にとって、激アツな時代でした。」

その後、スタイリスト・アシスタントを経て独立するが、再び古着のバイヤーに逆戻り。しかし一念発起し、あらためてスタイリストの道を歩きだしたのが28歳のときのことだ。

「もう一度、ちゃんと勉強しようと白山春久さんに弟子入りしました。この年でアシスタントになるのは最年長ぐらいだと思います。4年半師匠について、独立してからはスタイリストをしながら雑誌の編集ライター、服の生産の手伝いなど、ファッションに関するあらゆることをやらせてもらいました。スタイリングだけでなく、誌面構成から写真のフイルムサイズまで勉強して。いかにして服を見せる空間を作り出すかということを多方面から学んできた感じです。」

昨年のコロナ禍にはYouTubeチャンネルをスタート。お気に入りのアイテム紹介や旬のスタイリングテクニックとともに、スタイリストのイロハについても語っている。


「スタイリストの教科書を作りたいと思っています。今、若いインフルエンサーが誰でもすぐにスタイリストを始められる環境があるじゃないですか。でもスタイリストって洋服を組み合わせるだけじゃなくて、その世界観をクリエイトすることが一番大切な仕事だと思うんです。そのためには服だけでなく、写真や映像、光の取り入れ方や空間の切り取り方も知っていてほしい。クライアントの要望を叶えるだけの知識と技術も必要です。服飾専門学校の生徒さんたちが授業で学ぶことを動画で学べる、そんなチャンネル作りを目指しています。」

映像制作のノウハウはゼロから仲間たちとスタートしたものだが、周りの評価が高まるにつれ、自身のブランド名を冠した“R.M. GANG PROJECT”として 新たなチームを発足させた。この夏、伊勢丹店内をランウェイに見立てたムービーを制作する。

ファッションとは、自分のルーツと結びつく、いまの素直な気持ちそのもの


あくまでも肩書はスタイリストだという高橋ラムダは、マルチなクリエイターだ。服がそこでどのように映えるかを描く画家であり、服と人とをセッションさせる音楽家でもある。自身のブランド、<R.M. GANG>のコレクションは、そんな彼の描く世界観というモザイクの1ピースである。

「オリジナルブランドは、3年ほど前に自分だけのオートクチュールみたいな感じで8型作ったことに始まります。量産するつもりは無かったのですが、お披露目会みたいなことをしたら、いきなり卸してほしいという話がきて。実は伊勢丹でもウィメンズを展開していたことがあるんです。」

生産管理から発送作業まで、ひとりで手掛けていたところ、さすがに本業に影響が出てきてしまいブランドは1年半休止。あらためて体制を整えてリスタートしたのは昨夏のことだ。

「コレクションテーマとか決めてないですけど、さまざまなインプットのなかから、そのときの気分を大切にしています。もともとのルーツが古着にあるので、自分のアーカイブをベースにモダナイズすることが多いかもしれません。」

<R.M. GANG>
アフリカンバティック柄ベースボールシャツ 38,280円 

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アフリカンバティック柄アフリカンシャツ 38,280円 商品を見る 

□伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー/三越伊勢丹オンラインストア
*三越伊勢丹限定カラー

今季のコレクションにも、古着をベースしたと思しきアイテムがある。形は40年代のベースボールシャツだが、ポリエステルプリントの素材に乗せ替えられ、ショーツとのセットアップになっている。この柄、アフリカンバティック柄にブランドロゴをミックスしたものだそうだ。よく見ると、ピザの絵が描かれていたりして、遊び心を感じさせる。

<R.M. GANG>
パーカ 39,380円

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パンツ 32,780円  商品を見る 

□伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー/三越伊勢丹オンラインストア
*写真(上)は取材時のもので、一部デザインが変更しております

90年代のスポーツウェアで使われていたような幾何学柄の素材を、オーバーサイズのパーカにアレンジ。こちらはフルレングスの組下パンツが用意されている。「NYの黒人のおばちゃんの普段着みたいでしょ(笑)」と笑うが、そこにはヴィンテージを知る者にだけ通じる、こだわりのあら現れるディテールデザインがしっかり再現されていた。古着好き同士なら自然とアイコンタクトで通じ合うだろう。

6月16日(水)〜6月24日(木)まで、新宿伊勢丹店メンズ館6階メンズコンテンポラリーでポップアップが展開される。今季のコレクションとともに、友人でもある<INOUT/イナウト>や<MARS/マーズ>とのコラボアイテムも、今回のため特別に用意された。

アウトドアアイテムの展開は、子供と一緒にキャンプや外遊びに興じる様になった高橋の、「今」を表現したものだが、そのルーツには幼い頃、父と一緒にクルマで日本中を旅した夏休みの思い出があると振り返る。

「父親と北海道から車中泊で旅したことを覚えています。海沿いの道に出たらクルマを停めて、その場で潜って魚を獲ったり、道の駅でドアを全開にして昼寝したり。そんなワイルドな思い出が、いまのアウトドアブームと結びついたら、僕なりのコレクションができた感じです。」


高橋ラムダは、自身が生きてきた、その全部を余す所なく注ぎ込む。スタイリストとは、斯くもクリエイティブな仕事だ。90年代ストリートをリアルに経験しているからこそ、服が時代とカルチャー、そしてパーソナリティと密接に結びついていることを誰よりも理解している。「ファッションは、いまの自分の素直な気持ちそのもの」と言ったとき、サングラスの奥の目は力強く前を向いていた。


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Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda

*価格はすべて、税込です。
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