2021.03.19 update

【インタビュー】<ラコステ>クリエイティブ・ディレクター、ルイーズ・トロッター氏。「スポーツとファッションの架け橋になりたい」

胸元のワニが象徴的なブランド<LACOSTE/ラコステ>が2021年3月1日(月)より伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリーに常設展開をスタート。今回は出店を記念し、同ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるルイーズ・トロッターさんに、ブランドやご自身について、2021年春夏コレクションラインや今後の展望などお話を伺いました。


(C)Anders Edstrom

Louise Trotter(ルイーズ・トロッター)
<LACOSTE>クリエイティブ・ディレクター

2018年の7月まで9年間、英国のレーベル<JOSEPH/ジョゼフ>のクリエイティブ・ディレクターを務める。同年の10月、当時85年の歴史を持つ<ラコステ>にブランド史上初の女性クリエイティブ・ディレクターとして就任。


Ⅰ. フランスが生んだプレミアム ライフスタイル ブランド<ラコステ>





――トレードマークのワニが日本でも馴染み深い<ラコステ>は、どうやって誕生したのでしょうか?今回メンズ館に新たに登場ということで、改めて教えていただけますか?

1933年、フランスの伝説的テニスプレイヤーであり、優れた発明家でもあるルネ・ラコステが、快適で通気性、吸湿性に優れた織目のコットン製の半袖ウェアを自身のために開発したのがポロシャツの起源であり、<ラコステ>ブランドのはじまりです。

(C)Popperfoto_Getty
René Lacoste(ルネ・ラコステ氏)

(C)Roger Viollet

ブランドの象徴であるワニは、ルネが移動中に出会ったワニ革のスーツケースを見たコーチが「試合に勝ったら買ってあげよう」とジョークを発したというエピソードに加え、テニス選手としてのルネの強さと粘り強いプレイスタイルから付けられたニックネームに由来しています。

ブランドのDNAであるポロシャツを中心に、スポーティーからエレガントまで様々なライフスタイルのシーンに適応するマルチなアイテムと、豊富なカラーバリエーションを展開しており、2018年春夏コレクションより、パリ・ファッションウィークにて新作コレクションを発表し、メンズ、ウィメンズ、フットウェア、レザーグッズなど、世界中の人々に愛されるフレンチ・シックなアイテムで、プレミアムな日常を演出しています。


Ⅱ.ブランド史上初の女性クリエイティブ・ディレクター

2018年7月まで、英国のレーベル<JOSEPH/ジョゼフ>のクリエイティブ・ディレクターを9年間務めたトロッターさんは、同年10月に、当時ブランド85年の歴史を持つ<ラコステ>に史上初の女性クリエイティブ・ディレクターとして就任しメディアにも大きく取り上げられました。

――ご自身の<ラコステ>との繋がりや、就任したときの心境を教えていただけますか?

私の<ラコステ>との出会いは、幼少期にテニスをしていた時ですが、当時は憧れの高級ブランドでした。子供の頃は、スポーツに多くの時間を費やしました。父と一緒に州を越えて、サッカー観戦から、テニス、ホッケー、ランニングをしたりして。大人になってからも、テニスマニアである私の夫がほぼ毎日ラコステを着ているので、日頃から身近に感じていました。

それに、<ラコステ>のスポーツやファッションの美学は、私自身のスタイルと創造するビジョンに非常に似ています。

――今回伊勢丹新宿店メンズ館にて常設展開がスタートします。トロッターさんは日本にもご親族がいらっしゃるとか?

実は、私の夫は日本人で東京に生まれ、彼の家族は現在鎌倉に住んでいます。残念ながら、今は旅行制限のため、私はしばらく日本を訪れることができていませんが、日本は大好きで、滞在中はいつもとても楽しんでいます。日本の文化は魅力的ですよね。特に食べ物が大好きで、東京で美味しいものを探すことが私の趣味の1つです。近い将来、子供たちがまた鎌倉の祖父母と一緒に過ごせるようになることを願っています。


Ⅲ.夢のコラボレーションを叶えた2021年春夏コレクションライン

<LACOSTE>2021年春夏コレクション

――“コレクションライン”とは、トロッターさんにとってどんなものですか?

コレクションラインは、私がブランドの伝統と戯れるようなイメージで、いつも以上に分厚いファッションレンズを通して、ひねるように新たに創造するものです。<ラコステ>は常にスポーツとファッションを結びつけてきました。コレクションラインは私が最も遊び心を持って大胆に表現できる場とも言えます。

――今季、2021年春夏のインスピレーション源を教えていただけますか?

このパンデミックによって、私たちはブランドとしてかなり早い段階でフィジカルなショーは優先すべきことではないと考え、昨年の9月にはショーの取りやめも決定しました。

この変化によって、私たちは違った考え方をすることができました。コレクションを支えてくださったファンの皆さんに向けて、私たちが生きてきた時代を映し出した正直なコレクションを作りたいと考えたのです。

そこで、手元にある生地や糸を使用したり残った素材やデッドストックをリサイクルしたり、数シーズンにわたって集めてきたヴィンテージ<ラコステ>をアップサイクルした限定版の作品を作ったりしました。パリのチームやトロワのオリジナルのポロシャツ工場によって、手作りされた小さなものにフォーカスするのに良いタイミングだったと思います。

パンツ 37,400円
(スウェットは12月限定販売品で、完売しております)

私たちは、この有名なスポーツウェアのアイコンと、過去と現在のラコステの図像にフォーカスを当てたかったのです。コレクションには傑出した作品がたくさんありましたが、クチュールハウスのLemarié(ルマリエ)が手作業で作ったワニのスウェットシャツは芸術作品です。彼らとのコラボレーションは私にとって夢でした。


――今コレクションの"メインピース"をご紹介いただけますか?

シャツ 35,200円、ショートパンツ 33,000円

このシャツは、裾にダブルスポーツストライプをデザインした細長いプロポーションのクラシックなストライプシャツ。このストライプは、ブランドを代表するポロシャツであるL.12.12から取ったバックネックテープで作成されています。

フロントのアニメーションは、アーカイブラベルのグラフィックをプリントしており、2020年12月に限定で発売した Lemarié折り紙のスウェットシャツにも同じラベルを使用しましたね。

ショートパンツは、日本のウールとポリエステルのミックスで作ったスケータースタイルです。

――最後に、トロッターさんは、この先どのように<LACOSTE>をプロデュースされるのでしょう。展望を教えてください。

今後もより高い意識でブランドを推進して、スポーツとファッションの架け橋となり、人々が毎日コートや街中で楽しめる服を作り続けていきます。


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Text:ISETAN MEN‘S net

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