2018.11.21 update

本格靴業界に静かな革命をもたらした<CALMANTHOLOGY/カルマンソロジー>の金子 真が示す、2シーズン目のさらなる進化。(1/2)

世界最高峰の紳士靴を取り揃えるメンズ館地下1階=紳士靴にあって、欧米列強に比肩する美しさ、存在感、クオリティを発揮する国産本格靴ブランド<CALMANTHOLOGY/カルマンソロジー>。すでに日本代表といっても決して大げさではないシューズデザイナー・金子 真氏に、その芸術的なモノづくりとイメージづくりに込められた思いを訊いた。

イベント情報

<カルマンソロジー>プロモーション

□11月28日(水)~12月11日(火)
□メンズ館地下1階=紳士靴




►シューデザイナーとして17年のキャリアを積んだ<カルマンソロジー>デザイナー金子真とは?過去のインタビュー記事はこちら


まずはファッションとしてのコンセプトや、パッケージから。


<カルマンソロジー>のデビューは、実に静かで衝撃的であった。

個人的な出合いは、昨年初夏に届けられた1通のメールだ。新たな既製紳士靴ブランドの誕生を告げるその便りに添えられていたのは、虚無的で静謐な空間に佇む、ひとりの男のポートレート。ノンシャランな上品カジュアルに身を包み、足元には美しいプレーントゥを合わせているものの、そのディテールは容易に窺い知れない。靴ブランドでありながら、あえて靴を主張しない。まるでファッションブランドのようなビジュアルだな、と感じた。

だがこのソリッドな世界観とファッション性に軸足を置いたイメージづくりこそ、<カルマンソロジー>を手掛ける金子 真氏の真骨頂といえるのかもしれない。


「新しく自身のブランドをスタートしようとしたとき、さまざまな葛藤がありました。自分が履きたいと思うシューズを追求するだけで本当にいいのか…と。求められていること、やりたいことを見つめ直しながら靴に向き合うこと約6年。日本最高峰の既製紳士靴を目指してまずデザインしたのは、靴そのものではなく、パッケージ(靴箱や什器など靴を取り巻く環境)でした」

新ブランドの立ち上げに際し、商品そのものではなくパッケージからデザインを始めるというのは、なんとも驚き。そして相当にユニークだ。

「まず例えばですが、箱をどうするか、さらにそれをどう並べるか。靴を含めたファッションとしてのコンセプトを確立するために、どこまで気をつかってパッケージを作れるかを追求しました。私は神経質だから(笑)、しっかり土台づくりからやりたかったんです」

シューズ 各101,520円


金子氏との“神経質”なまでのこだわりが透徹された靴作りについて、ひいては<カルマンソロジー>が欧米列強と伍する本格靴であるとことを裏付ける、“薀蓄”の類はあえて割愛させていただこうと思う。彼らの本質は、そのスペックではなく美意識の高さにこそあると思うからだ。

「祖父がテーラーを営んでいたというバックボーンは、自分のなかでどんどん大きくなってきているように感じます。幼少の頃から祖父の仕事場にはよく遊びに行っていて、まるで自慢話のようにパターンの難しさや面白さを聞かせてくれた。もちろん、祖父自ら仕立ててくれたスーツも、大切にしています。それもあって服飾デザインを志していましたが、私自身、洋服は作るよりも着て楽しむ方が好きだと気がついてしまったんです」


ビスポークテーラーの作業場で得た原体験、装うことの楽しさを追求してきた経験値、そしてそのなかで培ってきた揺るぎない感性と審美眼。多くの靴愛好家たちを惹きつけるモノづくりの裏には、孤高の美意識で貫かれたファッショナブルな“イメージ”があるのだ。

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