2018.09.12 update

【インタビュー】鷲見太郎|"芸術家"として生まれ、"職人"として道を極めんとする孤高のデザイナー(1/2)

画家の父、ピアノ教師の母という芸術一家に生まれ、幼少の頃から感性を刺激する優れたアート作品に慣れ親しんできた鷲見太郎さん。生来のDIY精神が高じて制作したレザーバッグからスタートしたクリエーションは、年月を経て熟成を重ね、ネイティブアメリカンの技法をベースとしたジュエリーで人気を集める<Taro Washimi/タロウ ワシミ>というブランドへと昇華した。そんな鷲見太郎氏を、創造の現場であるアトリエに訪ねた。

イベント情報

<タロウワシミ>プロモーション

□9月12日(水)~18日(火)
□メンズ館1階=メンズアクセサリー



地金を打ち込み、美しい曲線を彫り込むのが自分のスタイル

 

「父は画家だったんですけど、絵画だけじゃなくて彫刻とか、色んなものを見せにあちこち連れ出してくれましたね。そのおかげか、暇さえあれば何かを作っているような子供でした」

その後も1980〜90年代のDIYブームもあり、買う方よりも作る方に興味があったという鷲見さんは、17歳でレザーバッグの製作を開始。やがて「身につける彫刻」としてのネイティブアメリカンジュエリーに強く惹かれるようになったのだという。

「雑誌などで見て憧れて、実際にショップで働いて仕上げの作業を任せてもらったりしていました。でも造形はやらせてもらえないし、学校に通ったわけでもない。ジュエリー製作の技法も、すべて独学で身につけたといっていいと思います」


そんな鷲見氏は、2009年に満を持して<タロウ ワシミ>をスタート。ベースはネイティブアメリカンジュエリーの技法だが、さまざまな創意工夫を凝らし、オリジナルのスタイルを築き上げている。特にこだわっているのが、自らが遊び戯れる大自然にインスパイアされたイメージやモチーフ。そしてロストワックスを使用せず、ひとつひとつの地金を叩き、鏨(たがね)で繊細な線を彫り入れていく手法だ。

「今は製作に掛かりっきりですが、クライミングやフリーダイビングなどアウトドアで遊ぶのが大好きで。そういうフィールドで見たもの、感じたものを表現するようにしています。ワックスにはワックスの良さがあるけど、自分が好きなのはあくまで彫金。地金に直接ハンマーを打ち込み、鏨で彫刻を施すのが面白いし、自分らしいと思っています」


自らが思い描く美しい曲線を表現するために、使用している鏨はすべて自作しているという。線一本一本にまで魂を刻み込むかのような膨大な熱量こそが、多くの人々が<タロウ ワシミ>のジュエリーに魅了される理由なのかもしれない。

NEXT>試行錯誤を繰り返してようやく誕生した、次なる新作とは?