2018.06.05 update

【インタビュー】<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>ヨネダヒロシ|コードバンが、わたしの未来を照らしつづけてくれた。

1951年に姫路で呱々の声をあげたタンナー、新喜皮革を母体とするレザーグッズ・ブランドが <ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>だ。デザイナーのヨネダヒロシが語るブランドに込めた思いと、新喜皮革の凄み。

イベント情報

<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>プロモーション

□6月6日(水)~19日(火)
□メンズ館1階=メンズアクセサリー

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ヨネダヒロシのキャリアの第一歩はカメラマンだった。アメリカでファッションデザインを学んだのち、表現の幅を広げるために地元神戸ではじめた仕事だった。ヨネダは2年のカメラマン生活を経て知人とともに念願のブランドを立ち上げる。それが、<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>。

「ローンチ当初はさまざまな革を海外から仕入れていました。当時のわたしは日本にタンナーの文化があることを知らなかったのです。いま振り返れば、タンナーとクリエイターが直接やり取りするようなこともほとんどなかったのではないでしょうか」


<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>のデザイナー、ヨネダヒロシ氏

情報はみずからの足で稼ぐしかない時代に、ヨネダは姫路に革の産地があることを突きとめ、そうして新喜皮革にたどり着く。

「工場を見学させていただいて、わたしはその素晴らしさに衝撃を受け、このコードバンで勝負したいと考えた。あのときのコードバンの輝きが、わたしの未来を照らしつづけてくれました」

温故知新を謳う<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>はオーセンティックな面構えを守りつつあらたな可能性も果敢に模索する。たとえば、全面漉き割り加工、特殊な接着糊による圧着加工という手間のかかる工程を採り、さらにマチを取り除いて薄く仕上げたロングウォレット。あるいは収納を考え、仕切板を大きくとったカードケース。ヨネダは構造にメスを入れることに怯まず機能向上を図る。ホースハイドで覆われた内装も見逃すことのできない、贅沢で耐久性の高い仕様だ。



ヨネダの美意識はエモーショナルな方面にも発揮された。より深いネイビーにこだわったその名もダークダークネイビー、凛とした雰囲気を漂わせるアイスグレイ。すっきりした佇まいをくっきりと浮かび上がらせる、かつてなかったモダンなカラーパレットだ。

「製造現場には一切の妥協がありません。感動的と評される手触り、自由自在な色出し──ヴィヴィッドからアンニュイまで──。それらはすべて理想のプロダクトのイメージを共有、追求するスタンスから生まれます。わたしと職人の関係をたとえるならば、ミュージシャンのセッションに近いと思う」

このブランドの際立った特徴はいわば相思相愛が生んだ、鞣製から一気通貫で行われる生産態勢だから可能となったものだが、<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>といえどもコードバンの納期は1年というから、そこでのえこひいきはないらしい。

新喜皮革とは、どんなタンナーなのか。そして、ヨネダも惚れ込んだコードバンはなにが違うのか。

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