コードバンはベジタブルタンニン鞣しを採る。タンニンがなみなみと注がれた木製のピット槽でじっくりとエキスを含浸させていく製法だ。その後の作業まで含めれば一枚のコードバンを完成させるまでには数ヵ月の時間を要する。このプロセスは、芳醇なウイスキーを醸すのと同様、薬品や器材がいかに進歩しても早まることはないといわれている。コードバンは、時間が育てるのだ。

新喜皮革のコードバンには都会的で洗練された輝きとしなやかな風合いがあるが、その優位性は工場を訪れればたちどころに明らかになる。

 


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天井から釣り下がるコードバン。一枚ずつ積み重ねられた、ドラムから取り出されたばかりの水分を含んだホースハイド。いずれもなにかの数式のように、規則正しい。それだけでフォトジェニックな、慎重に整えられた場内は、ひとえに職人の作業性を担保するものだ。

もうひとつが、川上から川下まで冷めることのない、ものづくりの熱量。


「われわれは一気通貫の態勢を強みとしていますが、それは生産のことだけをいっているのではありません。その態勢はお客さまと接する販売スタッフにまで及んでいます。かれらは研修期間はもちろん、晴れてお買い場に立つようになってからもことあるごとに工場へ赴き、現場を肌で感じ、情報を更新します。当たり前のことですが、スタッフは商品を扱う際、宝飾品を扱うようにかならず手袋をします」

コードバンは革のダイヤモンド、などといわれる。ダイヤモンドと見紛う光沢やその希少性を指したネーミングだが、こと<ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー>にかんしてはそれだけでは足りない。このブランドに携わるすべての人々がおなじ熱量をそなえていることもまた、コードバンをダイヤモンドたらしめている大きな要因である。


Photo:Natsuko Okada

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