2017.10.21 update

【動画】MEN'S Precious(メンズプレシャス)特別対談②──矢部克已×ルカ・グラシア|自分のプライドを賭けて渾身のモノづくりに挑む、ナポリの新進サルト(1/2)

「英国の生地とナポリのサルトの組み合わせ以上のものはありません」と胸を張るのは、9月2日(土)と3日(日)の2日間に渡りメンズ館5階=ビジネス クロージングでス・ミズーラを開催した<Luca Grassia/ルカグラシア>を主宰する3代目ルカ・グラシア氏。ファッション雑誌『MEN'S Precious(メンズ・プレシャス)』(小学館刊)のエグゼクティブ・ファッションエディター矢部克已さんが、「ナポリのサルトは芯地を使わないので、ある程度の厚さのある生地が相性が良いのでしょうね」と返すように、硬い英国製生地がサルト伝統のテクニックで柔らかくなることを<ルカグラシア>のスーツやコートが証明しています。

関連記事

【動画】MEN'S Precious(メンズプレシャス)特別対談




伝統のナポリをサルトを、今に受け継ぐ3代目


矢部 日本へようこそ。まずルカさんのことを教えていただけますか?
ルカ ナポリ生まれで、生まれたときからサルトリアにいます。僕の人生は、サルトリアの匂いと共にあり、工房で働いている人たちと、コートやスーツ、パンツを見ながら育ちました。学校の卒業と同時に仕事をしています。弟のサルヴァトーレも同様で、現在は一緒に工房を運営しています。
矢部 仕立てはお父さんから教わったのですか?
ルカ はい、私は父に育ててもらいました。30歳(2015年)のときにカンパーニア州の仕立てコンクールの若手部門で金賞を受賞し、今32歳で会社を経営しているのは父のおかげです。
矢部 サルトとしての実力と、経営能力もお持ちなんですね。


矢部 イセタンメンズで展開する<ルカグラシア>は、新たに取り組み始めたプレタポルテ(既製品)と聞いていますが、特徴を教えてください。
ルカ このクオリティのプレタポルテは誰もやっていないといっても過言ではありません。真っ直ぐ縫う箇所以外はほとんど手縫いです。特別変わったことをしたいわけではなく、ひと目見て<ルカグラシア>だとわかるものを作りたい。
矢部 今シーズンのテーマはありますか?
ルカ 今秋冬は“1960年代”がテーマです。スーツもコートも手縫いで仕立てていますが、今季はアグレッシブなテイストにポイントを置いています。
矢部 黒の6つ釦ダブルのスーツは、シャープで素敵ですね。
ルカ ありがとうございます。このスーツは1930年代のデザインがモチーフで、襟の形はナポリの1930年代のサルトリアが作っていたスタイルです。ジャケットはシックに仕上げたかったので、胸ポケットのカーブやパターンのギャザーは抑えめにしています。パンツも手縫いです。
矢部 さきほど「ひと目見て<ルカグラシア>だとわかる商品を作りたい」と言われましたが、まさに価値が伝わってくる仕立てです。


ルカ
ダブルブレストコートの見どころは、5つの柄をパッチワークのように合わせている生地と、シングルとは違う首に沿うような襟の付け方、ラグラン風スリーブ、そして大きく割れた背中のインバーテッドプリーツです。
矢部 ルカさん、腰紐の結び方を教えていただけますか?
ルカ やってみますね(と、腰紐を結ぶ)。リボン結びではありません。紐が長いのは、ボタンを留めないで着てほしいからです。
矢部 なるほど。襟が大きめなのも全体のバランス感からなんですね。

NEXT>矢部克已×ルカ・グラシアの対談動画はこちら