2017.06.27 update

【インタビュー】手仕事を大切に、素材の良さを最大限引き出す──帽子ブランド〈キジマタカユキ〉が目指す次なるステージ(1/3)

「帽子のデザインを始めて20年ほど経ちますが、若い世代を筆頭に帽子を上手にスタイリングする人が増えてきて、街(ストリート)から得るものが多いです」と語るのは、帽子ブランド<KIJIMA TAKAYUKI/キジマタカユキ>デザイナーの木島隆幸。

「私が作る帽子は着用して活きるもの。いろんなスタイルに合う帽子を作りたい」と帽子作りに真摯に向き合う木島が「次なるステージ」と位置づけたのが2017秋冬からスタートさせる「HIGH LINE(ハイライン)」だ。メンズ館2階=インターナショナル クリエーターズでは、6月28日(水)より、他に先駆けてファーストコレクションの先行予約会を開催。8月中旬より展開を開始する。


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「帽子の新しいスタンダード」を作る


私はデザイナーというより職人という思いでキャリアをスタートしました。今でも帽子を作る喜びは常にあって、帽子を作っているときの集中力に楽しさを感じます。帽子作りのルーツはオートクチュールにあって、そのときに培った技術を活かせないかと、ずっと考えてきました。

実は、帽子自体にデザイン性はそれほど求めていないんです。オートクチュールならその人に合わせたデザインができますが、私は、今のストリートファッションを現代的に解釈しながら、クチュールの技術をフィードバックして新しいものを作っていきたい。

ファッショントレンドで語られるのはアパレル(洋服)がメインで、帽子というアイテムはファッションシーンから取り残されている印象があります。ファッション性が重要視されて、伝統的なものに現代的な解釈が加味された靴は再注目されてきていますが、残念ながら帽子は時代がとどまっている感がある。私が目指すのは、スタンダードを踏襲するのではなく、新しいスタンダードを作ること。この秋ローンチする「HIGH LINE」でそれが表現できればと思います。

初披露となる「HIGH LINE」のファーストコレクションは、ユニセックスでかぶれるハット6型を展開
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「HIGH LINE」で表現したいもの、伝えたい思い

ずっと帽子作りをしてきたなかで、あるとき知人から、「〈キジマタカユキ〉の帽子が手仕事なのは消費者は知らないし、気づいていないよ。木島君の思いは全然伝わってないよ」と言われたことがあります。

私たちは当たり前にやってきたことですが、従来のコレクションもアトリエメイドですし、「HIGH LINE」はよりハンドの箇所を増やしています。ずっと人の手の仕事を大切にしてきたことを伝えるためにも「HIGH LINE」を新たにスタートしようという思いもありました。

上位カテゴリーを設けるというとデザインや素材は特徴的なものになりがちですが、「HIGH LINE」では素材の良さをどうやったら一番引き出せるかに注力しています。現在は帽子に限らずどの世界でも良い素材を手に入れることが難しいものですが、一番重要なものこそ素材選び。素材を吟味して、時にはビンテージ素材も使っていきたい。

「HIGH LINE」は、「今に生きるデザイン」「普遍的な価値をもつもの」という、突き詰めたミニマルな方向性が時代に合っていると思います。