青柳光則さんと歩く(1)「秋のメンズ館」|“差がつく新しさ”が発見できるメンズ館5階で見つけた最旬ジャケット

今回の“散歩人”は、メンズファッション誌『MEN’S EX』の名物連載、日本全国の街のジェントルマンが登場する「お洒落道場外伝」の師範代としてお馴染みのファッションディレククター、青柳光則さん。では、さっそくメンズ館5階=トレンドセレクションの“散歩”からスタート!



『着こなしのテーマは、クラシック×モダン』

今年5月に伊勢丹新宿店本館で開催された「紳士ファッション大市」で、初級・中級・上級と各ランクに合わせた最旬の着こなしを提案した青柳光則さん。「今日は紳士ファッション大市で買った<Paul Stuart/ポール・スチュアート>のスリーピースを着てきました」と、颯爽と登場です。

――今日の“散歩”では、「青柳的コーディネートの作り方」をテーマに、5階・1階・地下1階を一緒に歩いていただきます。

ではまず5階でジャケットを見ましょう。パッと見た印象だと、流行色のブラウンが多く揃っていていいですね。<TAGLIATORE/タリアトーレ>はこの秋も安定しているなぁ。お洒落道場を贔屓(ひいき)にしている男性から、「MEN’S EXでタリアトーレのオーダー会をやってくれませんか?」と頼まれたけど、イセタンメンズと組んでやってもらおうかな。

――「青柳的コーディネートの作り方」のテーマは?

テーマは“クラシック×モダン”ですね。紳士服の歴史をみると、いわゆる既製服が台頭し始めたのが60年代で、当時はアイビーが流行し、80年代のDC(デザイナーキャラクター)ブームになりました。そしてミラノモーダの出現、90年代にはクラシコイタリアへと続きましたが、男の既製服の作り方が大きく変わったのはコンチの頃なんですね。

――それはどうしてですか?

DCブームで活躍したデザイナーは婦人服の学校を出た人が多くて、アルマーニも含めて、紳士服だから、、、とい固定的な観点はない。結果、服作りの軽量化に繋がっていて、それは今でも進化を続けているわけです。

――なるほど。この<LARDINI/ラルディーニ>とか背裏地なしのアンコンタイプですが、フォルムは美しいですね。

色柄でも、このネイビーとベージュの組み合わせは、人によってはとてもクラシックに見えますが、おしゃれな人には、“アズーロ・エ・マローネ=AZZURRO(青)とMARRONE(茶)”でとても今っぽく新鮮に映ります。そういう感覚を持っていると、「差がつく新しさ」を楽しめるようになりますよ。

<ラルディーニ>ジャケット 103,680円(5階=トレンドセレクション)

アズーロ・エ・マローネのジャケットには、茶系のインナーを

<ラルディーニ>も<タリアトーレ>も、英国調のクラシックな雰囲気に現代のエッセンスであるイタリアの仕立てを上手に加えて、柄や色の使い方や軽快な着心地で、メンズファッションのトレンドを担っています。ある意味着ていて間違いないですよ。

――青柳さんから見て、どんなところが新しいですか。

全体はソフトテーラードですが、胸のバルカポケットの位置の高さなど、上方にポイントが置かれていて、肩まわりの収まりもきれいですね。イタリア人は胸板が厚いからジャケットが身体に沿って美しいんですよ。柄はネイビー×ベージュで一見派手に見えますが、茶系のドレスシャツやベージュのタートルと合わせるときれいですよ。とても今年らしい着こなしになりますね。